- 2026年09月01日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 膝・足の症状
今回は、私自身の膝についてお話ししたいと思います。
実は先日まで、左膝の人工関節手術を受ける予定でした。
レントゲンを見ると、確かに変形はかなり進んでいます。
アライメントも正常な位置から大きく逸脱しており、整形外科の先生からは、
「これは手術を考えてよい状態です。」
という説明を受けました。
私自身もレントゲンを見て、
「確かにこれは仕方がないかな。」
と一度は納得しました。
ところが、ちょっと変なんです。
私、膝が痛くないんです(笑)。
レントゲンは悪い。でも普通に歩けます
診察の際、先生に現在の状態をお話ししました。
痛みはほとんどありません。
普通にスタスタ歩けます。
階段も問題ありません。
膝の伸展には制限がありますが、曲げる方は最後まで曲がります。
そして、今でも正座ができます。
そのことを伝えると、
「この状態の膝で、そこまで曲がって正座までできるのは非常に珍しい。」
と言われました。
確かに、病院で周囲を見ると、これから膝の手術を受けると思われる方が何人もいらっしゃいました。
皆さん歩くこと自体がかなり大変そうです。
その中を私は普通にスタスタ歩いている。
「僕、本当に手術するんだよな……?」
だんだん、そんな疑問が出てきました。
それでも一度は手術を決めました
では、痛くないのになぜ手術を受けようと思ったのか。
理由は将来のことを考えたからです。
現在は生活に大きな支障がなくても、これだけ膝のアライメントが崩れていれば、今後さらに変形が進むかもしれません。
そして膝の状態が悪化することで、将来的に股関節など他の場所へまで負担が広がる可能性もあるのではないか。
そう考えて、
「今のうちに手術をしておいた方がいいのかもしれない。」
と一度は決断しました。
ところが、手術後について詳しく聞いていくと、正座をすることは難しくなると言われました。
仕事への復帰にも1か月半ほどかかるという説明でした。
今は痛くない。
普通に歩ける。
階段も使える。
正座までできる。
その膝を手術することで、今できていることを一度失うことになります。
そこで改めて、
「今、この膝を手術する理由は何だろう?」
と考えるようになりました。
理学療法士さんの評価で、さらに考えが変わりました
その後、理学療法士さんに膝の状態を詳しくチェックしてもらいました。
実際に膝を動かしながら、痛み、可動域、筋力などを調べてもらいました。
その結果、
痛みの評価は10段階で「0」。
伸展には制限があるものの、屈曲は最後まで可能。
歩行にも大きな問題はありません。
そして理学療法士さんから、
「こういう膝は見たことがありません。」
と言われました。
さらに、
「先生が手術をすすめたんですか?」
とも聞かれました。
私は、将来的に変形が進み、股関節などへ負担が広がる可能性も考えて、一度は手術に納得したことを説明しました。
理学療法士さんからは、左脚の筋力が右より弱いので、そこは鍛えた方がいいという指摘も受けました。
そして、私が整体師で普段から自分の体をケアしていることも知ったうえで、この状態なら自分でケアを続けながら様子を見ていく選択肢もあるのではないか、というニュアンスのお話をしてくれました。
その時、私も思いました。
「もしこれが自分ではなく、患者さんだったら、僕も同じことを言うだろうな。」
痛みがない。
日常生活にも大きな支障がない。
可動域もかなり保たれている。
それなら筋力をつけ、筋肉の状態を整えながら経過を見ていく。
私なら、まずそう考えます。
そこで今回、予定していた手術を見送ることにしました。
なぜ、これだけ変形しているのに痛くないのでしょうか?
ここからは、整体師としての私自身の考えです。
私の膝の骨の変形がなくなったわけではありません。
アライメントが正常になったわけでもありません。
レントゲンを撮れば、今でも変形した膝がそこにあります。
では、なぜ私はこれだけ変形している膝で、痛みをほとんど感じずに生活できているのでしょうか。
私は、普段から筋肉のケアを続けてきたことが大きいのではないかと考えています。
私は自分の手だけでなく、フォームローラーやソフトボールなども使って、日常的に自分の筋肉を触っています。
「今日はここが張っている。」
「ここが固まると、この動きをした時に痛みが出る。」
「ここを緩めると動きやすくなる。」
自分の体ですから、どこを押すとどこへ痛みが出るのかもよく分かります。
ある意味、ずっと自分の体を実験台にしてきたようなものです(笑)。
そして、こうして自分の体で分かったことが、患者さんを施術する時のヒントになることも少なくありません。
もちろん、
「変形した膝でも筋肉をほぐしていれば大丈夫」
という意味ではありません。
変形の程度や痛み、可動域、筋力、日常生活への影響は一人ひとり違います。
手術が必要な方も当然いらっしゃいます。
ただ、今回自分自身の膝を改めて見て、
レントゲンに写る骨の状態だけではなく、その周囲の筋肉がどのような状態なのかも、痛みや動きを考えるうえで大切なのではないか
と改めて感じました。
実は、私の体は故障だらけです(笑)
私がこれほど自分の体をケアするようになったのには理由があります。
若い頃、私は柔道をやっていました。
それなりの成績も残すことができましたが、その代償は正直かなり大きかったと思います。
今回の左膝だけではありません。
左肩には脱臼を繰り返した経験があります。
右肩では腱板も傷めています。
そうしたケガを抱えながら、
「どうすれば痛みを出さずに動けるのか。」
「どこの筋肉が痛みに関係しているのか。」
「ここを緩めると、なぜこの動きが楽になるのか。」
自分の体で何度も試してきました。
トリガーポイントとの出会いが大きな転機になりました
そして、この仕事に就いてから出会ったのが、トリガーポイントという考え方でした。
筋肉に蓄積し、深部まで固まったコリは、その場所だけではなく、離れた場所へ痛みを出すことがあります。
この考え方を知った時、それまで自分の体で経験していたさまざまな現象と結びつくものがありました。
そこから、
自分の体で試す。
患者さんを施術する。
そこで気付いたことを、また自分の体で試してみる。
そんな試行錯誤を約30年間繰り返してきました。
自分のケガが、今の施術につながっています
考えてみれば、私の現在の施術方法は、教科書を読んだだけで出来上がったものではありません。
自分自身がケガをして、
自分自身が痛みを経験して、
自分の筋肉を触り、
「なぜここが痛むんだろう?」
「なぜここを緩めると楽になるんだろう?」
と考え続けてきました。
そして、自分の体で分かったことを患者さんの施術に生かし、今度は患者さんの体からまた教えてもらう。
その積み重ねが、現在の私の施術スタイルになっています。
柔道を続けた代償は、正直かなり大きかったと思います。
でも、それなりの成績も残すことができました。
そして、もし柔道でこれだけのケガをしていなかったら、私はこの仕事をしていなかったかもしれません。
トリガーポイントという考え方にも出会わず、今のように筋肉の深部のコリを重視する施術にもたどり着かなかったかもしれません。
今回、手術をすすめられるほど変形した自分の膝を見ながら、改めてそんなことを考えました。
ケガをしたこと自体は、もちろん良いことではありません。
でも、そのケガがあったから今の仕事があり、今の施術があります。
そして今度は、その30年間で身につけてきたものを、自分自身の膝に使っている。
そう考えると、これも必然だったのかなと思ったりします。

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