- 2026年08月11日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
「昔ケガをしたところが、最近また痛くなってきたんです。」
患者さんから、このようなお話を伺うことがあります。
足首の捻挫。
肩の腱板損傷。
膝の靱帯損傷。
当時は痛みがありましたが、しばらくすると日常生活に支障がなくなり、「もう治った」と思われる方がほとんどです。
しかし私は、約30年間の施術経験から、そうではないケースを数多く見てきました。
今回は、私が施術の中で大切にしている考え方についてお話しします。
痛みがなくなれば「治った」のでしょうか?
もちろん、ケガをすると体は修復しようと働きます。
炎症がおさまり、痛みがなくなれば、日常生活も送れるようになります。
しかし私は、「痛みがなくなること」と「元どおりに働いていること」は、必ずしも同じではないと考えています。
ここが、私の施術の出発点です。
足りない働きを筋肉が補う
人の体には、靱帯や腱など、それぞれ役割を持った組織があります。
その働きが十分ではなくなると、体はそのままにはしておきません。
周囲の筋肉が代わりに働き、動きを補おうとします。
最初のうちは問題ありません。
だから、多くの方は「治った」と感じます。
しかし、その筋肉は本来以上の仕事を続けることになります。
その負担は何年も積み重なります
筋肉は頑張り屋です。
一日や一週間では音を上げません。
しかし、何年、何十年と代わりに働き続けると、少しずつ疲労が蓄積していきます。
筋肉が硬くなり、柔軟性を失うことで、
- 動かしにくい
- 疲れやすい
- コリが取れない
- 痛みが出る
といった症状につながることがあります。
足首も肩も膝も、私は同じように考えています
例えば足首の捻挫では、靱帯の働きを補うために、前脛骨筋へ負担がかかるケースがあります。
その状態が長く続くと、
つまずきやすくなったり、足の甲に関連痛が出たりすることがあります。
また、肩の腱板を傷めた方では、周囲の筋肉が代わりに腕を動かそうとすることで、肩や腕の筋肉が硬くなり、痛みにつながることがあります。
膝でも同じです。
靱帯や半月板などが十分に働けなくなると、その不足を筋肉が補い続けます。
私は、このような「代わりに働き続けている筋肉」を探しながら施術を行っています。
私自身も経験しています
実は私自身も、若い頃に前十字靱帯を損傷しています。
その後も普通に生活し、仕事も続けてきました。
しかし数十年という年月の中で、膝には少しずつ変化が現れてきました。
この経験もあり、私は「傷んだ組織を筋肉が補い続けることで、長い年月をかけて体に負担が積み重なることがある」と考えるようになりました。
だから私は筋肉を重視しています
「なぜ筋肉ばかり施術するのですか?」
そう聞かれることがあります。
その答えは、とてもシンプルです。
私は、痛みが出ている場所だけを見るのではなく、
どこの筋肉が何年も代わりに働き続けているのか。
そこを考えながら施術しているからです。
筋肉への負担が減れば、体は本来の動きを取り戻しやすくなります。
それが、私が約30年間変わらず大切にしてきた考え方です。
まとめ
昔のケガは、痛みがなくなれば終わりとは限りません。
傷んだ組織の働きを筋肉が補い続けることで、その負担が何年、何十年後に症状として現れることがあります。
だから私は、今痛い場所だけではなく、「長年頑張り続けている筋肉」を見つけることを大切にしています。
それが、約30年間の施術経験の中で私がたどり着いた、体を見る一つの考え方です。

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