目からうろこの整体コラム

抱っこで腰が痛いのは、子どもが重いからではありません

今日、腰痛で来院されている患者さんから、こんな質問を受けました。

「先生、子どもを抱っこしていると、どうして腰が痛くなるんですか?」

小さなお子さんがいるお母さんから、腰痛の相談を受けることは珍しくありません。

「子どもが重いから腰に負担がかかる」

もちろん、それも間違いではありません。

ただ、約30年間、多くの腰痛の患者さんを施術してきた私が、抱っこによる腰痛で特に気になるのは、

「子どもを抱く時の反り腰」

です。

腕の力だけで子どもを抱き続けるのは大変です

特に女性の場合、成長して重くなってきた子どもを、腕の力だけで長時間抱き続けるのは大変です。

そこで無意識に行っているのが、子どものお尻を自分の骨盤付近に乗せるようにして支える抱き方です。

こうすると腕だけで子どもの体重を支えなくて済むので、抱っこはかなり楽になります。

ところが、その代わりに起こりやすいのが反り腰です。

子どもの体重を前側で支えながらバランスを取ろうとすると、腰を反らせるような姿勢になりやすくなります。

一回の抱っこが数分なら、それほど大きな負担にはならないかもしれません。

しかし育児中の抱っこは、それが毎日続きます。

何十分も抱っこする。

一日に何度も抱っこする。

それを何か月、場合によっては何年も繰り返す。

このように反り腰の姿勢が長時間・長期間続けば、腰の筋肉には負担がかかり続けます。

そして、長期間の負担によって腰の深部にコリが形成され、それが少しずつ蓄積していく。

私は、これが抱っこによる腰痛の大きな原因の一つだと考えています。

なぜ左側で抱っこするお母さんが多いのでしょう?

施術をしていると、左側で子どもを抱いているというお母さんが多いように感じます。

これは左利きだからではありません。

むしろ、右利きだから左側で抱っこするのです。

左側で子どもを支えておけば、利き手である右手を自由に使えます。

ドアを開ける。

物を取る。

料理をする。

買い物をする。

育児中には、子どもを抱きながら何かをしなければならない場面がたくさんあります。

そのため自然と、

左側で抱っこする → 右手で作業する

という形になりやすいのでしょう。

しかし、毎日のように同じ側で子どもの体重を支えていれば、体への負担にも左右差が生まれます。

反り腰に加えて、腰や臀部などにも偏った負担が長期間かかり続けることになります。

「抱っこをしないでください」では解決になりません

では、腰痛を防ぐために子どもを抱っこしなければいいのでしょうか。

そんなことは育児中にはできませんよね。

そこで私がおすすめしたいのが、抱っこ用品を上手に使うことです。

子どもの体重を腕と腰だけで支えるのではなく、道具を使って負担を分散させる。

そうすることで、腰を大きく反らせて子どもの体重を骨盤に乗せ続ける姿勢を減らすことができます。

最近の抱っこ用品は、赤ちゃんをしっかり固定できるものが多く、腰への負担を減らすという意味では優れていると思います。

その一方で、かなり大きく、持ち歩くにはかさばるものもあります。

また、赤ちゃんと体が密着するタイプは安定感がありますが、夏場などは親子ともに暑く感じるでしょう。

そこで、今では以前ほど見かけなくなりましたが、私がもっと見直されてもいいと思っているのがスリングです。

スリングは肩への負担も分散しやすい

スリングは、大きな一枚の布を使って子どもを支えるシンプルな抱っこ用品です。

一時期かなり流行りました。

横抱きでは赤ちゃんの首が屈曲しやすいなど、姿勢に注意が必要ですが、ある程度成長した子どもを縦抱きで支えるために使うのであれば、とても便利な道具だと私は思っています。

私がスリングをいいと思う理由は、腰への負担だけではありません。

肩への負担を広い範囲に分散できることも大きな利点です。

細い紐状のものは、子どもの体重が狭い範囲に集中するため、長時間使っていると肩に食い込みやすくなります。

それを毎日のように繰り返していれば、今度は肩の筋肉に負担がかかり続け、深部にコリが蓄積して肩こりにつながります。

腰を守るために抱っこ用品を使ったのに、今度は肩がつらくなってしまったのでは困りますよね。

その点、スリングは肩の上で布を広く広げることができます。

子どもの重さを広い面で受けられるので、肩の一点に食い込みにくいのです。

私自身が使っていた「トンガ」も便利でした

もう一つ、私自身が子育てをしていた頃に使っていて、とても便利だったのが、**フランス生まれの「トンガ」**という抱っこ補助具です。

日本では以前ほど見かけなくなりましたが、現在でもフランスで使われている抱っこ用品です。

ネット状の布でできていて、子どものお尻を乗せる部分が広がるようになっています。

非常にコンパクトなので、使わない時には小さく畳んで持ち歩くことができます。

子どもを乗せたら、片手で背中を支える。

すると、もう片方の手を使うことができます。

私自身、子どもが小さかった頃にはずいぶん重宝しました。

また、トンガは子どもの体重を受ける部分が広がるため、細い紐状のものに比べて肩に食い込みにくいのも良いところだと思います。

最近のしっかりした抱っこ用品にももちろん良いところがありますが、腰や肩への負担、そして持ち運びやすさを考えると、スリングやトンガのようなシンプルな抱っこ用品も、もっと見直されてもいいのではないかと私は思っています。

抱っこによる腰痛は「今日の抱っこ」だけが原因ではありません

抱っこをして腰が痛くなると、

「昨日、長時間抱っこしたからかな?」

と思うかもしれません。

しかし、私が施術をする時に見るのは、その一日だけではありません。

毎日の抱っこで反り腰になる。

いつも同じ側で子どもを支える。

その姿勢を何か月も繰り返す。

そうした長期間の負担によって、腰の深部には少しずつコリが形成され、蓄積していきます。

そして筋肉の柔軟性や余裕が少なくなってきたところに、長時間の抱っこや何気ない動作が重なり、腰痛として現れる。

私はそのように考えています。

だからこそ大切なのは、

「腰が痛くなったから抱っこをやめる」ことではなく、「どうすれば腰を反らせ続けずに抱っこできるか」を考えること。

抱っこ紐やスリング、トンガなどの道具も上手に利用しながら、腰だけでなく肩にも負担を集中させないことが大切です。

子どもの抱っこは毎日のことです。

だからこそ、ちょっとした抱き方や道具の違いでも、それが何か月、何年と続けば、体への負担には大きな違いが出てくると私は考えています。

くすのきカイロプラクティックでは、痛みが出ている場所だけを見るのではなく、「なぜその筋肉に長期間負担がかかってきたのか」というところまで考えながら施術をしています。

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その足の冷え・むくみ、原因は小学生の頃から? 意外と知らない「お尻のコリ」

「まだ若いのに、お尻がずいぶん硬いですね。」

施術をしていると、20代の若い患者さんでも、臀部に強いコリがある方は珍しくありません。

特に、

「足が冷えるんです」

「夕方になると脚がむくみます」

といった悩みを持っている方の臀部を触ってみると、かなり硬くなっていることがあります。

では、まだ20代なのに、どうしてこれほど臀部にコリがあるのでしょうか?

私は約30年間、さまざまな年代の患者さんを施術してきましたが、一つ思い当たることがあります。

もしかすると、その始まりは小学生の頃からではないでしょうか。

私たちは小学生の頃から長時間座っています

考えてみると、私たちは小学校に入った頃から、一日のかなり長い時間を椅子に座って過ごしています。

しかも学校の椅子は、クッションの効いた柔らかい椅子ではありません。

硬い座面の椅子に座って、何時間も授業を受けます。

それが小学校だけで終わるわけではありません。

中学校、高校、大学と続きます。

学校から帰れば、今度は家で勉強する。

塾へ行けば、そこでもまた椅子に座ります。

そして学校を卒業して仕事を始めると、デスクワークの方であれば、さらに一日何時間も座る生活が続きます。

つまり20代前半の若い方でも、考えてみれば10年以上にわたって長時間座る生活を続けているのです。

座っている間、お尻にはずっと体重がかかっています

立っている時と違い、椅子に座っている間は臀部に体重がかかり続けます。

特に硬い椅子では、臀部が長時間圧迫された状態になります。

もちろん、一日学校の椅子に座ったからといって、それだけで強いコリができるわけではありません。

問題は、それが毎日のように、何年も続くことです。

長時間の座位によって臀部への圧迫が繰り返され、その負担が長期間続くことで、臀部の筋肉の深部には少しずつコリが形成され、蓄積していきます。

ですから私は、

「まだ20代だから、長年のコリなんてないでしょう」

とは考えていません。

20代であっても、小学生の頃から考えれば、すでに十数年間の負担が積み重なっている可能性があるからです。

歩いている時より、座り続けている方が凝りやすい?

「でも、歩いている時の方がお尻の筋肉を使っているのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

確かに歩いている時も、臀部の筋肉は使っています。

ただし、歩行では筋肉を動かしながら使っています。

筋肉が収縮したり緩んだりを繰り返しながら、体を前へ運んでいます。

それに対して長時間の座位では、臀部に体重がかかった状態が長く続きます。

私は約30年間の施術経験から、筋肉を動かしながら使っている時よりも、同じ状態で長時間負担がかかり続ける方が、コリは蓄積しやすいと考えています。

もちろん、歩いていれば絶対に凝らないという意味ではありません。

歩き方や運動量、もともとの筋肉の状態などによって負担は変わります。

あくまで、同じ姿勢を長時間続ける場合と比べれば、筋肉を動かしている方がコリは蓄積しにくいということです。

冷えやむくみにも臀部のコリが関係している?

若い方、特に女性の患者さんからよく聞くのが、

「足が冷える」

「脚がむくむ」

という悩みです。

冷えやむくみにはさまざまな原因があります。

ただ私は、こうした症状がある方の中には、長年蓄積してきた臀部の深いコリが関係している方もいるのではないかと考えています。

臀部は、腰から脚へとつながる大きな筋肉が集まっている場所です。

そこが長期間圧迫され、筋肉が硬くなった状態が続けば、脚の循環にも影響を与える可能性があります。

実際、冷えやむくみを訴える若い方の臀部を施術していると、

「お尻って、こんなに凝るんですね」

と驚かれることもあります。

肩こりは自分でも気付きやすいのですが、臀部のコリは自覚していない方が意外と多いのです。

足を組む癖も臀部への負担になります

もう一つ気を付けたいのが、座っている時に足を組む癖です。

足を組むと、左右の臀部に均等に体重がかからなくなります。

いつも同じ足を組んでいる方では、片側の臀部に負担が偏った状態を長時間続けることになります。

ただでさえ長時間座っているところへ、さらに左右差のある負担が加わるわけです。

その状態が長期間続けば、片側の臀部に強いコリが蓄積する原因にもなると私は考えています。

「若いからコリはない」とは限りません

肩こりや腰痛、臀部のコリというと、中高年になってからの問題だと思われがちです。

しかし筋肉は、年齢だけで硬くなるわけではありません。

どのくらいの負担を、どのくらい長く受け続けてきたのか。

私は、こちらの方が大切だと考えています。

小学生の頃から学校の硬い椅子に座り、中学、高校、大学でも座り続ける。

家でも勉強し、塾でも座る。

そして社会人になってからも、一日中パソコンの前で座っている。

こうして考えると、20代であっても臀部には十数年分の負担が積み重なっていても不思議ではありません。

そして、その長期間の負担によって、臀部の筋肉の深部にはコリが形成され、少しずつ蓄積していきます。

もし若いのに足の冷えやむくみが気になっているのであれば、脚だけではなく、その上にある臀部の筋肉が硬くなっていないかにも目を向けてみてください。

「若いから大丈夫」とは限りません。

症状を感じ始めたのは最近でも、その背景にある筋肉への負担は、小学生の頃から始まっているのかもしれません。

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同じデスクワークなのに、肩がこる人とこらない人がいるのはなぜ?

先日、50代の女性の患者さんから、こんな質問を受けました。

「職場の20代の女性は、肩がこっても1〜2週間すると自然になくなると言っているんです。私はずっと肩がこっているのに、どうしてなんでしょう?」

確かに不思議ですよね。

同じようにパソコンを使って仕事をしていても、肩こりがずっと続く人もいれば、しばらくすると自然に楽になる人もいます。

この違いはどこから生まれるのでしょうか。

私は約30年間、多くの肩こりの患者さんを施術してきましたが、その大きな違いの一つは、

「これまでどれだけコリを蓄積してきたか」

だと考えています。

 

今は20代でも肩がこります

昔に比べて、肩こりは明らかに低年齢化しているように思います。

私の整体院でも、コロナ禍以降、20代後半から30代の肩こりの患者さんがずいぶん増えました。

パソコンやスマートフォンを長時間使い、同じ姿勢を続ける生活が当たり前になったことも関係しているのでしょう。

ですから、

「若いから肩はこらない」

ということではありません。

20代でも肩はこります。

実際に触ってみると、かなり筋肉が固まっている方もいます。

ただし、40代、50代の慢性的な肩こりとは大きな違いがあります。

同じ肩こりでも「固まってきた年月」が違います

実際に施術をしていると、若い方ほど、コリを取り除いた後に元の凝った状態へ戻りにくく、施術の間隔も早くあけていけます。

理由は単純です。

20代、30代は肩がこっていたとしても、筋肉が固まった状態で過ごしてきた年月がまだ短いからです。

一方、40代、50代で20年、30年と肩こりを抱えてきた方は、それだけ長い年月をかけてコリを蓄積しています。

同じ「肩こり」でも、

積み重ねてきた時間が違うのです。

私は、この違いはとても大きいと考えています。

若い頃は「こっても戻る」

若い頃を思い出してみてください。

仕事や勉強で肩がこっても、一晩寝たら楽になっていませんでしたか?

あるいは忙しい一週間が終わって、休日にゆっくりすると肩こりを感じなくなっていた。

これは、まだ筋肉に回復する余裕があるからです。

こる
↓
休む
↓
回復する
↓
元の状態へ戻る

この循環ができているうちは、肩こりが慢性化しにくいのです。

先ほどの20代の女性が、

「肩がこっても1〜2週間すると自然になくなる」

というのも、この状態だと私は考えています。

ところが、少しずつ「戻りきらないコリ」が残ります

問題は、同じ生活を何年も続けた時です。

パソコンを使う。

肩に力が入る。

筋肉が疲れる。

休んで回復する。

しかし、毎回完全に元の状態へ戻っているとは限りません。

少しだけ固さが残る。

そこへ、また次の疲労が加わる。

そしてまた少し残る。

私は、これを何年、何十年と繰り返すことで、コリが少しずつ筋肉の深部へ蓄積していくと考えています。

40代、50代では「ゼロからこっている」わけではありません

ここが今回、一番お伝えしたいところです。

同じ8時間のデスクワークをしていたとしても、

20代の人と、20年以上肩こりを抱えている50代の人では、仕事を始める時点での筋肉の状態が違います。

若い人は、まだ筋肉に余裕が残っている。

一方、長年肩こりを抱えている方は、すでに蓄積したコリを抱えた状態から一日が始まっています。

そこへさらにデスクワークの負担が加わるのです。

だから、

こる
↓
休む
↓
少し楽になる
↓
でも元までは戻らない
↓
また仕事でこる

という状態になります。

そして、いつの間にか、

「朝起きた時から肩が重い」

「何もしなくても肩がこっている」

「マッサージを受けてもすぐ戻る」

という慢性的な肩こりになっていきます。

同じ仕事なのに肩こりの程度が違うのは当然です

ですから私は、

「パソコンを使っているから肩がこる」

だけでは説明が足りないと思っています。

もちろん、長時間のデスクワークは肩へ負担をかけます。

でも大切なのは、

今日どれだけ肩に負担をかけたかだけではなく、それまでにどれだけコリを蓄積してきたか。

同じ仕事をしていても、筋肉のスタート地点が違うのです。

だから同じ職場で同じような仕事をしていても、

すぐに回復する人もいれば、

何日経っても肩こりが取れない人もいる。

私はそう考えています。

だから肩こりは早いうちに対処した方がいい

「20代なら肩がこっても自然に治るから大丈夫。」

私は、そうは思いません。

むしろ逆です。

まだ戻りやすいうちに対処した方がいい。

実際、若い患者さんは深部のコリを取り除いていくと状態が安定しやすく、施術の間隔も早くあけていけます。

ところが20年、30年とコリを蓄積してからでは、同じようにはいきません。

長い年月をかけて固まった筋肉は、改善にも時間がかかります。

だから私は、

「まだ我慢できるから」

「寝れば治るから」

と何年も放っておくより、早い段階から筋肉の状態を整えておくことをおすすめしています。

目指すのは「肩こりを取る」だけではありません

私が施術で目指しているのは、その日の肩こりを楽にすることだけではありません。

深部に蓄積したコリを少しずつ取り除き、

こっても回復できる筋肉の状態へ近づけていくこと。

そして状態が良くなれば、施術の間隔を少しずつあけていく。

それが大切だと考えています。

肩こりは、ある日突然できるものではありません。

毎日の小さな負担が積み重なり、何年もかけて慢性化していきます。

だからこそ、

「まだ若いから大丈夫」ではなく、「若いうちだからこそ、コリを溜めない」。

20代で肩がこっても1〜2週間で自然に楽になる。

その「戻れる状態」を、できるだけ長く保つこと。

それが10年後、20年後に慢性的な肩こりで悩まないために、とても大切なことだと私は考えています。

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「手術相当」と言われた私の膝。でも、痛みはありません。

今回は、私自身の膝についてお話ししたいと思います。

実は先日まで、左膝の人工関節手術を受ける予定でした。

レントゲンを見ると、確かに変形はかなり進んでいます。

アライメントも正常な位置から大きく逸脱しており、整形外科の先生からは、

「これは手術を考えてよい状態です。」

という説明を受けました。

私自身もレントゲンを見て、

「確かにこれは仕方がないかな。」

と一度は納得しました。

ところが、ちょっと変なんです。

私、膝が痛くないんです(笑)。

 

レントゲンは悪い。でも普通に歩けます

診察の際、先生に現在の状態をお話ししました。

痛みはほとんどありません。

普通にスタスタ歩けます。

階段も問題ありません。

膝の伸展には制限がありますが、曲げる方は最後まで曲がります。

そして、今でも正座ができます。

そのことを伝えると、

「この状態の膝で、そこまで曲がって正座までできるのは非常に珍しい。」

と言われました。

確かに、病院で周囲を見ると、これから膝の手術を受けると思われる方が何人もいらっしゃいました。

皆さん歩くこと自体がかなり大変そうです。

その中を私は普通にスタスタ歩いている。

「僕、本当に手術するんだよな……?」

だんだん、そんな疑問が出てきました。

 

それでも一度は手術を決めました

では、痛くないのになぜ手術を受けようと思ったのか。

理由は将来のことを考えたからです。

現在は生活に大きな支障がなくても、これだけ膝のアライメントが崩れていれば、今後さらに変形が進むかもしれません。

そして膝の状態が悪化することで、将来的に股関節など他の場所へまで負担が広がる可能性もあるのではないか。

そう考えて、

「今のうちに手術をしておいた方がいいのかもしれない。」

と一度は決断しました。

ところが、手術後について詳しく聞いていくと、正座をすることは難しくなると言われました。

仕事への復帰にも1か月半ほどかかるという説明でした。

今は痛くない。

普通に歩ける。

階段も使える。

正座までできる。

その膝を手術することで、今できていることを一度失うことになります。

そこで改めて、

「今、この膝を手術する理由は何だろう?」

と考えるようになりました。

 

理学療法士さんの評価で、さらに考えが変わりました

その後、理学療法士さんに膝の状態を詳しくチェックしてもらいました。

実際に膝を動かしながら、痛み、可動域、筋力などを調べてもらいました。

その結果、

痛みの評価は10段階で「0」。

伸展には制限があるものの、屈曲は最後まで可能。

歩行にも大きな問題はありません。

そして理学療法士さんから、

「こういう膝は見たことがありません。」

と言われました。

さらに、

「先生が手術をすすめたんですか?」

とも聞かれました。

私は、将来的に変形が進み、股関節などへ負担が広がる可能性も考えて、一度は手術に納得したことを説明しました。

理学療法士さんからは、左脚の筋力が右より弱いので、そこは鍛えた方がいいという指摘も受けました。

そして、私が整体師で普段から自分の体をケアしていることも知ったうえで、この状態なら自分でケアを続けながら様子を見ていく選択肢もあるのではないか、というニュアンスのお話をしてくれました。

その時、私も思いました。

「もしこれが自分ではなく、患者さんだったら、僕も同じことを言うだろうな。」

痛みがない。

日常生活にも大きな支障がない。

可動域もかなり保たれている。

それなら筋力をつけ、筋肉の状態を整えながら経過を見ていく。

私なら、まずそう考えます。

そこで今回、予定していた手術を見送ることにしました。

 

なぜ、これだけ変形しているのに痛くないのでしょうか?

ここからは、整体師としての私自身の考えです。

私の膝の骨の変形がなくなったわけではありません。

アライメントが正常になったわけでもありません。

レントゲンを撮れば、今でも変形した膝がそこにあります。

では、なぜ私はこれだけ変形している膝で、痛みをほとんど感じずに生活できているのでしょうか。

私は、普段から筋肉のケアを続けてきたことが大きいのではないかと考えています。

私は自分の手だけでなく、フォームローラーやソフトボールなども使って、日常的に自分の筋肉を触っています。

「今日はここが張っている。」

「ここが固まると、この動きをした時に痛みが出る。」

「ここを緩めると動きやすくなる。」

自分の体ですから、どこを押すとどこへ痛みが出るのかもよく分かります。

ある意味、ずっと自分の体を実験台にしてきたようなものです(笑)。

そして、こうして自分の体で分かったことが、患者さんを施術する時のヒントになることも少なくありません。

もちろん、

「変形した膝でも筋肉をほぐしていれば大丈夫」

という意味ではありません。

変形の程度や痛み、可動域、筋力、日常生活への影響は一人ひとり違います。

手術が必要な方も当然いらっしゃいます。

ただ、今回自分自身の膝を改めて見て、

レントゲンに写る骨の状態だけではなく、その周囲の筋肉がどのような状態なのかも、痛みや動きを考えるうえで大切なのではないか

と改めて感じました。

 

実は、私の体は故障だらけです(笑)

私がこれほど自分の体をケアするようになったのには理由があります。

若い頃、私は柔道をやっていました。

それなりの成績も残すことができましたが、その代償は正直かなり大きかったと思います。

今回の左膝だけではありません。

左肩には脱臼を繰り返した経験があります。

右肩では腱板も傷めています。

そうしたケガを抱えながら、

「どうすれば痛みを出さずに動けるのか。」

「どこの筋肉が痛みに関係しているのか。」

「ここを緩めると、なぜこの動きが楽になるのか。」

自分の体で何度も試してきました。

 

トリガーポイントとの出会いが大きな転機になりました

そして、この仕事に就いてから出会ったのが、トリガーポイントという考え方でした。

筋肉に蓄積し、深部まで固まったコリは、その場所だけではなく、離れた場所へ痛みを出すことがあります。

この考え方を知った時、それまで自分の体で経験していたさまざまな現象と結びつくものがありました。

そこから、

自分の体で試す。

患者さんを施術する。

そこで気付いたことを、また自分の体で試してみる。

そんな試行錯誤を約30年間繰り返してきました。

 

自分のケガが、今の施術につながっています

考えてみれば、私の現在の施術方法は、教科書を読んだだけで出来上がったものではありません。

自分自身がケガをして、

自分自身が痛みを経験して、

自分の筋肉を触り、

「なぜここが痛むんだろう?」

「なぜここを緩めると楽になるんだろう?」

と考え続けてきました。

そして、自分の体で分かったことを患者さんの施術に生かし、今度は患者さんの体からまた教えてもらう。

その積み重ねが、現在の私の施術スタイルになっています。

柔道を続けた代償は、正直かなり大きかったと思います。

でも、それなりの成績も残すことができました。

そして、もし柔道でこれだけのケガをしていなかったら、私はこの仕事をしていなかったかもしれません。

トリガーポイントという考え方にも出会わず、今のように筋肉の深部のコリを重視する施術にもたどり着かなかったかもしれません。

今回、手術をすすめられるほど変形した自分の膝を見ながら、改めてそんなことを考えました。

ケガをしたこと自体は、もちろん良いことではありません。

でも、そのケガがあったから今の仕事があり、今の施術があります。

そして今度は、その30年間で身につけてきたものを、自分自身の膝に使っている。

そう考えると、これも必然だったのかなと思ったりします。

 

 

 

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姿勢を正しても、なぜすぐ猫背に戻ってしまうのでしょうか?

「姿勢が悪いから肩がこるんですよ。」

「猫背にならないように、胸を張りましょう。」

このような話を聞いたことがある方は多いと思います。

もちろん、悪い姿勢が首や肩、背中の筋肉へ負担をかけることは間違いありません。

しかし私は、約30年間多くの患者さんを施術してきた中で、もう一つ大切なことがあると考えるようになりました。

それは、

「姿勢が悪いから筋肉がこる」だけではなく、「筋肉が固まっているから良い姿勢を作りにくくなっている」

ということです。

今回は、猫背を例にお話ししてみたいと思います。

まず、良い姿勢を作ってみてください

今、少し背筋を伸ばして、頭を起こし、肩の力を抜いてみてください。

おそらく、多くの方が良い姿勢を作れると思います。

では、その姿勢をずっと続けられるでしょうか?

肩こりや背中のコリが強い方ほど、

「最初はできるけれど、だんだん疲れてくる」

「気付くとまた元の姿勢に戻っている」

ということが多いのではないでしょうか。

ここが大切なところです。

良い姿勢を知らないわけでも、作れないわけでもありません。

作れても、楽に維持できないのです。

私は、その大きな原因が、首や肩、背中上部に蓄積したコリだと考えています。

猫背の始まりは日常生活の中にあります

現在は、スマートフォンやパソコンを使う時間が非常に長くなりました。

スマートフォンを見る時には下を向きます。

ノートパソコンでは、低い位置にある画面を見るために頭が前へ出やすくなります。

デスクトップパソコンでも、仕事に集中しているうちに、いつの間にか画面をのぞき込むような姿勢になっている方は少なくありません。

頭には数kgの重さがあります。

頭が体の上に自然に乗っていれば、その重さを骨格で支えやすくなります。

ところが、頭が前へ出るほど、首や肩、背中上部の筋肉には大きな負担がかかります。

最初は、それでも問題ありません。

筋肉にも余裕があるからです。

しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なると、筋肉には少しずつ疲労が蓄積していきます。

そして、コリが深部まで固まっていきます。

ここから「姿勢とコリの悪循環」が始まります

私は猫背が慢性化していく過程を、次のように考えています。

スマホやパソコンなどで頭が前へ出る

↓

首・肩・背中上部の筋肉へ負担がかかる

↓

コリが蓄積する

↓

筋肉が固まり、良い姿勢を作りにくくなる

↓

さらに頭が前へ出やすくなる

↓

筋肉への負担がさらに増える

つまり、

「悪い姿勢だからコリができる」のは確かですが、そのコリによってさらに悪い姿勢から抜け出しにくくなる

のです。

私はこれが、長年猫背で悩んでいる方に起きている悪循環の一つだと考えています。

肩が上がることも猫背に関係しています

もう一つ、私が重要だと考えているのが肩の位置です。

パソコン作業などに集中していると、無意識に肩へ力が入り、肩をすくめた状態になりやすくなります。

肩が上がると、肩関節も前へ入りやすくなります。

さらに頭が前へ出れば、背中全体が丸く見えるようになります。

これが、いわゆる猫背の姿勢です。

ですから私は、猫背だからといって背中だけを見ればよいとは考えていません。

首、肩、肩甲骨周り、背中上部。

こうした筋肉の状態を一緒に見ることが大切だと考えています。

「胸を張りましょう」だけでは難しい理由

猫背を気にしている方に、

「もっと胸を張ってください。」

「背筋を伸ばしてください。」

とアドバイスすることがあります。

もちろん、普段から姿勢を意識することは大切です。

しかし、私はそれだけでは難しい方も多いと思っています。

なぜなら、何年もかけて筋肉が固まっているからです。

固まった筋肉に逆らって良い姿勢を作ろうとすれば、それ自体が疲れる作業になってしまいます。

だから最初は頑張れても、しばらくすると疲れて、また楽な姿勢へ戻ってしまいます。

これは本人の意識が足りないからではありません。

長年のコリの蓄積によって、良い姿勢を維持しにくい筋肉の状態になっているのです。

施術後に「姿勢が楽」と言われる理由

実際、首や肩、肩甲骨周り、背中上部の深部のコリを取り除いていくと、

「姿勢を作るのが楽になりました。」

「背筋を伸ばすのが楽です。」

と感じる患者さんは多くいらっしゃいます。

私は、無理に骨格を動かして姿勢を作っているわけではありません。

筋肉の緊張を取り除いているだけです。

それでも姿勢が作りやすくなる。

私はこの変化を、長年の施術の中で何度も見てきました。

だからこそ、私は筋肉の状態は姿勢にも大きく関係していると考えています。

良い姿勢は「頑張って作る」ものではないと思っています

もちろん、普段の姿勢を意識することは大切です。

スマートフォンを見る時間を減らしたり、パソコン作業の途中で体を動かしたり、肩に力が入っていないか確認したりすることも、コリをこれ以上蓄積させないためには役立ちます。

しかし、すでに首や肩、背中の筋肉が深部まで固まっている場合、

「今日から姿勢を良くしよう」

と意識するだけでは難しいこともあります。

私は、

良い姿勢を頑張って作るのではなく、良い姿勢を楽に作れる体にしていくこと

が大切だと考えています。

まとめ

「猫背だから肩がこる」

これは間違いではありません。

しかし私は、その前に、

スマートフォンやパソコンなどによる姿勢が長時間続く

↓

筋肉に疲労とコリが蓄積する

↓

良い姿勢を作りにくくなる

↓

さらに猫背になりやすくなる

↓

その姿勢がさらにコリを増やす

という悪循環があると考えています。

だから、姿勢を正してもすぐ疲れてしまう方は、「もっと姿勢を意識しなければ」と考えるだけではなく、一度、首や肩、背中上部の筋肉の状態にも目を向けてみてください。

姿勢を無理に矯正するのではなく、自然に良い姿勢を作りやすい状態へ戻していく。

私は、それが慢性的な猫背や肩こりを考えるうえで、とても大切なことだと思っています。

 

 

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巻き肩は「肩が前に出ること」が原因なのでしょうか?

最近、「巻き肩が気になります」というご相談を受けることが増えました。

テレビやインターネットでは、

「胸の筋肉を伸ばしましょう。」

「肩甲骨を寄せましょう。」

「姿勢を正しましょう。」

という対策がよく紹介されています。

もちろん、それらで改善する方もいらっしゃるでしょう。

しかし、私は約30年間、多くの肩こりや巻き肩の患者さんを施術してきた中で、少し違う考え方をするようになりました。

私は、巻き肩は肩が前へ出ることが原因なのではなく、肩が上がった状態が続くことによって起こる結果ではないかと考えています。

 

肩甲骨を下げてみてください

ぜひ一度、鏡の前で試してみてください。

肩甲骨をゆっくり下へ下げるように意識してみてください。

どうでしょうか。

無理に胸を張らなくても、肩が自然と少し後ろへ戻るような感覚はありませんか?

私自身も何度も試していますが、肩甲骨を下げるだけで巻き肩はかなり改善して見えます。

ところが、その姿勢を続けようとすると、だんだん肩が上がり、元の姿勢へ戻ってしまいます。

私はここに大きなヒントがあると考えています。

なぜ元へ戻ってしまうのでしょうか?

私は、その原因は筋肉のコリにあると考えています。

パソコン作業やスマートフォンの操作では、無意識に肩をすくめる姿勢が続きます。

その状態が毎日何時間も続き、それを何年も繰り返すことで、

肩周り

肩甲骨周り

背中の上部

こうした筋肉にコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

すると、肩甲骨を下げようとしても固まった筋肉がそれを邪魔します。

一瞬は肩を下げられても、筋肉が疲れてしまい、また肩が上がってしまうのです。

「姿勢を正しましょう」だけでは難しい理由

患者さんから、

「姿勢を意識しているのですが、すぐ戻ってしまいます。」

というお話をよく伺います。

私は、それも当然だと思っています。

筋肉が固まっている状態では、その筋肉が骨を引っ張ってしまうため、本来の姿勢を楽に維持することが難しいからです。

私がこのように考えるようになったきっかけは、急性腰痛で起こる**「側扁(そくへん)」**です。

急性腰痛では、腰の筋肉が強く収縮することで、体が一時的に横へ傾くことがあります。

私は、この現象を**「側扁」**と呼んでいます。

一般的に知られている、思春期などに進行する**「側弯症」**とは区別して考えているからです。

この側扁を見ていると、筋肉には骨格を引っ張り、姿勢を変える力があることがよく分かります。

私は、慢性的な肩こりでも程度は違うものの、同じことが起こっているのではないかと考えています。

肩が上がった状態が長期間続くことで、その状態に関わる筋肉にコリが蓄積して深部まで固まり、肩甲骨を楽に下げにくくなります。その結果として巻き肩が定着していく。

これが私の考えです。

私が大切にしていること

私は巻き肩そのものを無理に矯正しようとは考えていません。

まずは、

肩周り

肩甲骨周り

背中の上部

こうした筋肉の深部に蓄積したコリを取り除くことを大切にしています。

すると患者さんから、

「姿勢が楽になりました。」

「肩を意識しなくても下げられるようになりました。」

というお声をいただくことが少なくありません。

私は、姿勢を無理に作るのではなく、

姿勢を作りやすい体に戻していくこと

が大切だと考えています。

まとめ

巻き肩というと、肩が前へ出ていることばかりに目が向きがちです。

しかし私は約30年間の施術経験から、

肩が上がった状態が続き、肩周りや肩甲骨周りの筋肉が深部まで固まることで、巻き肩になりやすくなる

と考えています。

だからこそ、無理に胸を張ることよりも、

肩甲骨を楽に下げられる状態を作ること

が大切です。

もし巻き肩が気になっているのであれば、姿勢だけではなく、その姿勢を邪魔している筋肉の状態にも目を向けてみてください。

 

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昔のケガは、本当に治っているのでしょうか? ~筋肉が代わりに働き続けるという考え方~

「昔ケガをしたところが、最近また痛くなってきたんです。」

患者さんから、このようなお話を伺うことがあります。

足首の捻挫。

肩の腱板損傷。

膝の靱帯損傷。

当時は痛みがありましたが、しばらくすると日常生活に支障がなくなり、「もう治った」と思われる方がほとんどです。

しかし私は、約30年間の施術経験から、そうではないケースを数多く見てきました。

今回は、私が施術の中で大切にしている考え方についてお話しします。

 

痛みがなくなれば「治った」のでしょうか?

もちろん、ケガをすると体は修復しようと働きます。

炎症がおさまり、痛みがなくなれば、日常生活も送れるようになります。

しかし私は、「痛みがなくなること」と「元どおりに働いていること」は、必ずしも同じではないと考えています。

ここが、私の施術の出発点です。

足りない働きを筋肉が補う

人の体には、靱帯や腱など、それぞれ役割を持った組織があります。

その働きが十分ではなくなると、体はそのままにはしておきません。

周囲の筋肉が代わりに働き、動きを補おうとします。

最初のうちは問題ありません。

だから、多くの方は「治った」と感じます。

しかし、その筋肉は本来以上の仕事を続けることになります。

その負担は何年も積み重なります

筋肉は頑張り屋です。

一日や一週間では音を上げません。

しかし、何年、何十年と代わりに働き続ければ、その負担は少しずつ蓄積していきます。

そして、負担を受け続けた筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

そうして筋肉が柔軟性を失ってくると、

  • 動かしにくい
  • 疲れやすい
  • コリが取れない
  • 痛みが出る

といった症状につながっていきます。

さらに、深部まで固まったコリは、その場所だけではなく、離れた場所へ関連痛を起こすこともあります。

つまり、昔のケガそのものが突然再発したように感じても、実際にはそのケガを何年も補い続けてきた筋肉が症状を出している場合もあると私は考えています。

足首も肩も膝も、私は同じように考えています

例えば足首の捻挫では、靱帯の働きを補うために、前脛骨筋へ負担がかかるケースがあります。

その状態が長く続けば、前脛骨筋にもコリが蓄積し、つまずきやすくなったり、足の甲に関連痛が出たりすることがあります。

また、肩の腱板を傷めた方では、周囲の筋肉が代わりに腕を動かそうとすることで負担が続き、肩や腕の筋肉にコリが蓄積していきます。

膝でも同じです。

靱帯や半月板などが十分に働けなくなると、その不足を筋肉が補い続けます。

私は、このような**「代わりに働き続けている筋肉」**を探しながら施術を行っています。

私自身も経験しています

実は私自身も、若い頃に前十字靱帯を損傷しています。

その後も普通に生活し、仕事も続けてきました。

しかし数十年という年月の中で、膝には少しずつ変化が現れてきました。

この経験もあり、私は「傷んだ組織を筋肉が補い続けることで、長い年月をかけて筋肉へ負担が蓄積していく」と考えるようになりました。

だから私は筋肉を重視しています

「なぜ筋肉ばかり施術するのですか?」

そう聞かれることがあります。

その答えは、とてもシンプルです。

私は、痛みが出ている場所だけを見るのではなく、

どこの筋肉が何年も代わりに働き続けているのか。

そこを考えながら施術しているからです。

そして、長年の負担によって深部まで固まったコリを一つひとつ取り除いていく。

筋肉への負担が減り、柔軟性を取り戻していけば、体も本来の動きを取り戻しやすくなります。

それが、私が約30年間変わらず大切にしてきた考え方です。

まとめ

昔のケガは、痛みがなくなれば終わりとは限りません。

傷んだ組織の働きを周囲の筋肉が補い続ければ、その筋肉には長い年月をかけてコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

そして、それが何年、何十年後に痛みや関連痛、動きの悪さなどにつながることがあります。

だから私は、今痛い場所だけではなく、

「どの筋肉が長年頑張り続けてきたのか」

を見ることを大切にしています。

それが、約30年間の施術経験の中で私がたどり着いた、体を見る一つの考え方です。

 

 

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肩を回すと「ゴリゴリ」「パキパキ」鳴る…これって大丈夫?

患者さんから、

「先生、肩を回すとゴリゴリ鳴るんです。」

というご相談をよくいただきます。

また、中には、

「パキパキ鳴るんですが、大丈夫でしょうか?」

と心配される方もいらっしゃいます。

実は、この**「ゴリゴリ」と「パキパキ」は少し意味が違う**と私は考えています。

今回は約30年間の施術経験から、その違いについてお話ししたいと思います。

 

「パキパキ」は関節の音であることが多い

まず「パキパキ」という乾いた音です。

これは以前のブログでもお話ししましたが、関節の中にある関節液が変化することで音が鳴る現象や、関節周囲の組織が動く際に生じる音と考えられています。

痛みがなく、一瞬だけ鳴る程度であれば、過度に心配する必要はないケースがほとんどです。

もちろん、痛みや腫れを伴う場合は別ですので、その場合は整形外科などで診てもらうことをおすすめします。

「ゴリゴリ」は筋肉が関係していることが多いと考えています

一方、「ゴリゴリ」という擦れるような音や感覚。

私はこちらの方が、肩こりとの関係が深いと考えています。

肩を動かすときには、多くの筋肉が同時に働いています。

長時間のデスクワークや同じ姿勢などによる負担が何年も続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

すると筋肉は柔軟性を失い、常に少し縮んだような状態になります。

私は約30年間の施術経験から、このように固まった筋肉が肩関節や肩甲骨の動きを妨げることで、肩を滑らかに動かしにくくなり、「ゴリゴリ」という音や感覚が出やすくなると考えています。

音だけを見るのではなく、肩の状態を見ることが大切です

肩を回して音が鳴ることだけを気にされる方は多いのですが、私が施術で重視しているのは音ではなく筋肉の状態です。

肩が軽く動く人もいれば、肩こりが強く、肩甲骨がほとんど動かない人もいます。

同じ「ゴリゴリ」でも、肩の状態は人によってまったく違うのです。

深部のコリが減ると動きも変わってきます

実際に施術を続け、肩周りや肩甲骨周りに蓄積した深部のコリを取り除いていくと、

「肩が回しやすくなった」

「ゴリゴリが気にならなくなった」

とおっしゃる患者さんも多くいらっしゃいます。

もちろん、すべての音がなくなるわけではありません。

しかし、深部に蓄積したコリを減らしていくことで、肩本来の滑らかな動きを取り戻していく方は多くいらっしゃいます。

あなたの肩は大丈夫?簡単セルフチェック

鏡の前で、左右の肩をゆっくり10回ずつ回してみてください。

次のようなことはありませんか?

  • 片方だけ「ゴリゴリ」と音がする
  • 左右で肩の回しやすさが違う
  • 回す途中で引っ掛かるような感じがする
  • 肩を回すとすぐに疲れてしまう

このような場合は、肩周りの筋肉にコリが蓄積して深部まで固まり、肩の動きを妨げている可能性があります。

もちろん、音がするだけで必ず異常があるとは限りません。

しかし、肩こりや動かしにくさもある場合は、一度肩周りの筋肉の状態を確認してみることをおすすめします。

まとめ

肩を回したときの、

「パキパキ」

と、

「ゴリゴリ」

は、同じように聞こえても意味が違うことがあります。

音だけで判断する必要はありませんが、長年肩こりが続いている方では、肩周りや肩甲骨周りにコリが蓄積し、深部まで固まることで肩の動きを妨げていると私は考えています。

当院では音を止めることではなく、

肩の動きを妨げている深部のコリを取り除いていくこと

を大切にしています。

その結果として肩が動かしやすくなり、「ゴリゴリが気にならなくなった」とおっしゃる患者さんも多くいらっしゃいます。

 

 

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慢性肩こりほど肩の前まで固まっています

肩こりでお悩みの方に質問です。

「肩の前側」を押してもらったことはありますか?

おそらく、多くの方が「ありません」と答えるのではないでしょうか。

肩こりというと、誰もが肩の後ろや首の付け根を思い浮かべます。

実際に肩を揉んでもらう場所も、ほとんどが後ろ側です。

しかし、約30年間施術を続けてきた私が感じていることがあります。

それは、慢性的な肩こりでは、肩の後ろだけではなく、鎖骨の周りから胸骨の脇にかけてまでコリが蓄積しているということです。

 

軽い肩こりと慢性的な肩こりは違います

肩こりが軽いうちは、肩の後ろや首の付け根を中心に張りを感じることが多くあります。

この段階では、疲れても休んだり眠ったりすることで回復しやすく、筋肉にもまだ余裕があります。

ところが、同じような負担が何年も続けば、コリは少しずつ蓄積していきます。

そして慢性的な肩こりになると、肩の後ろだけではなく、鎖骨の周りから胸骨の脇にかけての筋肉にもコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

ところが、ご本人はそのことに気付いていないことがほとんどです。

施術中に前側を押すと、

「そんなところまで硬くなっていたんですね。」

「そこを押されたのは初めてです。」

と言われることが本当に多いのです。

なぜ肩の前まで硬くなるのでしょうか?

私は、大きく2つの原因があると考えています。

一つは、長時間のパソコン作業やマウス操作です。

マウスを使う時は、無意識に肩を少しすくめた状態が続きます。

1日だけなら大きな問題にはなりません。

しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なれば、筋肉への負担も積み重なります。

その結果、肩の後ろだけではなく前側にもコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

もう一つは、ストレスです。

人はストレスを感じると、無意識に体を緊張させます。

肩に力が入り、呼吸も浅くなります。

これも一時的であれば体は回復します。

しかし、仕事や人間関係などで緊張した状態が毎日続けば、筋肉は長時間緊張した状態になります。

そして、その負担が積み重なることでコリが蓄積していきます。

つまり、姿勢もストレスも、

「一度だから悪い」のではなく、「長期間続くこと」が問題なのです。

肩こりだけでは終わりません

肩の前側まで深部のコリが蓄積してくると、

  • 腕がだるい
  • 腕がしびれる
  • 肘が重い
  • 手に違和感がある

といった症状が現れることもあります。

もちろん、腕のしびれなどには神経の病気をはじめ、ほかの原因が隠れている場合もあります。

しかし、約30年間施術をしてきた中で、肩の前側に蓄積したコリを取り除いていくことで、腕の症状まで軽くなる患者さんを数多く経験してきました。

肩だけをほぐしても戻ってしまう理由

肩の後ろだけをほぐすと、その場では楽になることがあります。

しかし、慢性的な肩こりでは、肩の前側を含めて深部に蓄積したコリが残っています。

その状態では、肩周りの筋肉が本来の柔軟性を十分に取り戻していません。

だから私は、慢性的な肩こりでは肩の後ろだけを見るのではなく、鎖骨周辺から胸骨の脇、肩甲骨周りなども含めて筋肉の状態を確認しています。

そして、長年かけて深部まで蓄積したコリを一つひとつ取り除いていくことを大切にしています。

まとめ

慢性的な肩こりは、肩の後ろだけの問題ではありません。

長期間にわたって負担が続けば、肩周りの筋肉にはコリが蓄積し、鎖骨の周りから胸骨の脇にかけても深部まで固まっていきます。

ところが、そのことに気付いている方はほとんどおらず、肩の前側を施術された経験がある方も非常に少ないようです。

約30年間、多くの肩こりの患者さんを施術してきた中で、私はこの状態を何度も見てきました。

もし長年肩こりが改善しない、あるいは腕のだるさやしびれまで感じるという方は、肩の後ろだけではなく、前側の筋肉の状態にも目を向けてみてください。

船橋で慢性的な肩こりや首こりでお悩みの方は、くすのきカイロプラクティックまでお気軽にご相談ください。

 

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肩こりに効くストレッチはある?慢性的な肩こりには限界があります

患者さんから本当によくいただく質問があります。

「先生、肩こりに効果のあるストレッチや体操はありますか?」

テレビやインターネットでは、肩こり解消ストレッチが数多く紹介されています。

そのため、毎日ストレッチを頑張っているという方も多いのではないでしょうか。

しかし、約30年間肩こりの施術を続けてきた私自身は、慢性的な肩こりに対しては、ストレッチだけでは限界があると考えています。

その理由を2つお話しします。

 

理由① 筋肉は「ゴム」と似た性質があります

慢性的な肩こりでは、長年の負担によってコリが蓄積し、筋肉の深部まで固まっています。

そこでイメージしていただきたいのが、古くなった輪ゴムです。

劣化して硬くなった輪ゴムを引っ張ると、本当に硬くなっている部分はほとんど伸びず、まだ柔らかさが残っている部分だけが伸びます。

筋肉も、それとよく似ています。

ストレッチをすると、周囲の伸びやすい筋肉は動きます。

しかし、本当にほぐしたい深部まで固まったコリはほとんど動きません。

私は約30年間、多くの肩こりを施術してきましたが、長年蓄積した深部のコリをストレッチだけで取り除くことは難しいと考えています。

理由② 肩こりの場所は構造的に伸ばしにくい

肩こりというと、多くの方が首の付け根や肩の上を思い浮かべます。

では、その場所をストレッチで伸ばそうとすると、どんな動きになるでしょうか。

実際には、首を横へ倒したり回したりするくらいしか方法がありません。

なぜなら、一般的に肩こりを感じる首の付け根や肩の上には、大きく動かして伸ばせる関節がほとんどないからです。

一方、私たちが「肩関節」と呼んでいるものは、本来、腕を動かすための関節です。

つまり、多くの方が肩こりを感じる場所とは少し違います。

そのため、深部まで固まったコリをストレッチだけで十分に柔らかくすることは難しいと私は考えています。

だから私は施術の際、そのような深部のコリへ直接アプローチすることを大切にしています。

肩こりは何年も前から始まっています

患者さんから、

「肩こりは1年前くらいからです。」

と聞くことがあります。

しかし私は、慢性的な肩こりでは、症状を自覚する何年も前から少しずつコリが蓄積していると考えています。

筋肉にはある程度の余裕があります。

仕事や家事、パソコン、スマートフォンなどで負担がかかっても、最初のうちは休むことで回復できます。

しかし、その負担が何年も続くと、少しずつ戻りきらないコリが残ります。

そして、そのコリがさらに蓄積し、深部まで固まっていきます。

やがて筋肉の許容範囲を超えた時に、

「肩が重い」

「痛い」

という症状として現れます。

つまり、肩こりを自覚した時には、コリはすでに長い年月をかけて蓄積しているのです。

ご自身でできることもあります

「では、自分では何もできないのでしょうか?」

もちろん、そんなことはありません。

私が患者さんによくお伝えしているのは、

「これ以上コリを蓄積させないこと」

です。

日常生活では、次の3つを意識してみてください。

① 肩をすくめたまま作業を続けない

肩に力が入っていることに気付いたら、一度肩を大きくすくめてから、ストンと力を抜いてみましょう。

それだけでも肩の余計な力が抜けやすくなります。

② スマートフォンやパソコンを長時間続けない

長時間同じ姿勢を続けるほど、首や肩への負担は大きくなります。

1〜2時間に一度は姿勢を変えたり、軽く体を動かしたりして、筋肉を休ませる時間を作りましょう。

③ 顎を前へ突き出さない

スマートフォンやパソコンの画面をのぞき込む姿勢は、首や肩への負担を大きくします。

頭が前へ出る姿勢が続くほど、コリは蓄積しやすくなります。

まとめ

慢性的な肩こりに、ストレッチだけでは限界があると私は考えています。

その理由は、何年もかけて蓄積し、深部まで固まったコリは、ストレッチだけでは十分な柔軟性を取り戻せないからです。

そして、長年蓄積したコリほど、改善にも時間がかかります。

だからこそ、深部のコリを段階的に取り除く施術と、日常生活でこれ以上コリを蓄積させない工夫、その両方が大切になります。

肩こりは一日でできるものではありません。

何年もかけて蓄積し、深部まで固まったコリだからこそ、一つひとつ段階的に取り除いていく。

私は、それが慢性的な肩こりを改善していくために大切なことだと考えています。

長年肩こりでお悩みの方は、一人でセルフケアを続けるだけではなく、一度ご自身の筋肉の状態を確認してみてください。

 

 

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