目からうろこの整体コラム

私の施術を受けて整体師になった方がいました ~腱鞘炎・ばね指と前腕の筋肉~

先日、知り合いの方から、

「先生のことが、ある整体師さんのブログに書かれていますよ」

と教えていただきました。

読んでみると、その方は10年以上前に私の施術を受けたことをきっかけに整体の道へ進み、現在は整体師として患者さんと向き合っているとのことでした。

正直、驚きました。

自分ではいつものように施術をしていただけなのですが、知らないところで誰かの人生に影響を与えていたのですね。

長くこの仕事をしていると、こういうこともあるのだと、少しうれしくなりました。

以前はその方のブログへのリンクも載せていましたが、現在は記事が削除されているようです。

そこで今回は、その方が当時悩んでいた症状に関連して、腱鞘炎やばね指と前腕の筋肉について、現在の私の考えを書いてみたいと思います。

 

腱鞘炎は、痛い場所だけ見ても分からないことがあります

腱鞘炎では、手首や親指の付け根などに痛みが出ます。

仕事や家事、育児、パソコン作業などで手をよく使う方に起こることも少なくありません。

もちろん、腱や腱鞘そのものに問題が起きている場合もあります。

ただ、私が約30年間患者さんを見てきた中では、痛みが出ている手首周辺だけでなく、指や手首を動かしている前腕の筋肉に強いコリが蓄積している方を数多く見てきました。

手首や指は、そこだけで動いているわけではありません。

前腕には指や手首を動かす筋肉があり、その先が腱となって手首を通り、指へつながっています。

つまり、仕事や家事で手や指を使い続ければ、前腕の筋肉にも負担がかかり続けます。

その状態が長期間続くことで、前腕の筋肉にも深部までコリが形成され、蓄積していきます。

筋肉の柔軟性が失われれば、その先につながる腱や手首周辺にも負担がかかりやすくなります。

ですから私は、

「手首が痛いから、手首だけを見ればいい」

とは考えていません。

痛みが出ている場所だけではなく、その手首や指を動かしている筋肉まで確認することが大切だと考えています。

安静にしても、また痛くなる方がいます

手首を使い過ぎて痛みが出ている時には、無理に使わず休ませることも大切です。

負担を減らせば、痛みが落ち着くこともあります。

ただ、

「しばらく休んでいたら良くなったのに、仕事を再開したらまた痛くなった」

という方もいます。

私はこうした場合、前腕の深部に蓄積したコリが残っていることにも目を向けます。

安静にすることで、その時に加わっている負担は減らせます。

しかし、長期間かけて前腕の深部に蓄積したコリまで、休むだけでなくなるわけではありません。

そのため、再び手や指を使い始めると、柔軟性を失った筋肉へ負担がかかり、その先の腱や手首にも負担が加わります。

当院では、痛みが出ている腱の周辺をむやみに強く刺激するのではなく、前腕の筋肉を確認し、手首や指へかかっている負担を減らすことを考えます。

腱鞘炎は状態や程度もさまざまですから、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。

ただ、約30年間の施術経験では、手首だけでなく前腕の筋肉まで丁寧に確認することの重要性を強く感じています。

ばね指は、特に得意としている症状の一つです

ばね指では、指を曲げ伸ばしした時に、

  • 引っ掛かる
  • カクンと跳ねる
  • 指の付け根が痛む
  • 朝に指が動かしにくい

といった症状が出ます。

一般的には、指を動かす腱と、その腱が通る腱鞘の部分で動きが悪くなることで起こると説明されています。

ただ、私がばね指の患者さんを見る時は、引っ掛かっている指だけを確認することはありません。

前腕から手のひら、指へとつながる筋肉や腱までたどって見ていきます。

実際に触れてみると、前腕の筋肉がかなり強く固まっている方が多くいらっしゃいます。

指を長期間使い続ければ、その指を動かしている前腕の筋肉にも負担がかかり続けます。

その結果、前腕の深部にコリが蓄積し、筋肉から腱へ伝わる負担も大きくなる。

私は、ばね指を考えるうえでも、この前腕から指までのつながりが非常に重要だと考えています。

ばね指については、これまで良い結果を経験しています

これは、私自身の施術経験として書いておきたいことです。

これまで当院でばね指の施術を最後まで続けていただいた患者さんについては、現在のところ、全員が引っ掛かりや痛みを気にせず生活できる状態まで改善しています。

もちろん、これはこれまで私が診てきた患者さんについての結果です。

今後来院されるすべての方に、同じ結果が出ることを保証するものではありません。

また、症状の程度や状態によっては、医療機関での治療が必要な場合もあります。

それでも、ばね指は約30年間の施術経験の中で、私が特に得意としている症状の一つだと考えています。

考え方はシンプルでも、施術は簡単ではありません

腱鞘炎やばね指を見る時の基本は、

痛む場所だけではなく、その動きを支えている前腕の筋肉まで確認する

ということです。

考え方だけを見れば、それほど複雑ではありません。

ただ、実際の施術では、

  • どの筋肉にコリが蓄積しているのか
  • どこから手首や指へ負担が伝わっているのか
  • どの深さに強いコリがあるのか
  • どの角度から捉えると筋肉が緩むのか

を一人ひとり確認する必要があります。

強く揉めば取れるというものでもありません。

大切なのは、力の強さではなく、固まっている筋肉を正確に見つけ、そのコリを適切な角度から捉えることです。

これは、肩こりや腰痛を施術する時と同じです。

症状の場所は違っても、私が約30年間続けてきた施術の基本的な考え方は変わりません。

施術が、誰かの人生のきっかけになることもあります

10年以上前に私の施術を受けた方が、その経験をきっかけに整体師になっていた。

そのことを知り、施術は目の前の症状を楽にするだけではなく、時にはその人の考え方や人生にまで影響を与えることがあるのだと感じました。

もちろん、いつもそんな大きなことを考えながら施術をしているわけではありません。

私が毎日やっていることは、とても地道です。

目の前の患者さんの体を触りながら、

「痛いのはここだけれど、本当にここだけを見ればいいのだろうか?」

と考える。

そして、痛む場所だけではなく、その動きを支えている筋肉まで丁寧に確認する。

その積み重ねを約30年間続けてきました。

今回、思いがけず昔の患者さんの話を知って、そんな日々の積み重ねが、知らないところで誰かのきっかけになっていたことを少しうれしく思いました。

腱鞘炎やばね指で長く悩んでいる方は、手首や指だけではなく、その指を動かしている前腕の筋肉にも一度目を向けてみてください。

 

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TFCC損傷と診断された手首の痛み。前腕を触って分かったこと

いつも月に一度、体のメンテナンスに来てくださっている患者さんが、先日、手首の痛みを訴えて来院されました。

少し前から小指側の手首に痛みがあり、その日の午前中に整形外科を受診されたそうです。

そこで診断されたのが、TFCC損傷でした。

TFCCとは、手首の小指側にある軟骨や靱帯などからなる組織で、手首を安定させたり、力を受け止めたりする役割があります。

整形外科では、できるだけ手首を使わず、安静にするよう説明を受けたそうです。

もちろん、TFCC損傷と診断されて手首に痛みが出ている以上、まずは医師の指示に従い、傷めている部分へ余計な負担をかけないことが大切です。

ただ、私は患者さんのお話を聞きながら、もう一つ気になることがありました。

その方は、とてもよく書き物をされる方なのです。

手帳を見ると、予定や記録がびっしり。

日常的にかなり手を使っていることが分かります。

そこで私は、痛みのある手首だけではなく、その手首を動かしている前腕の筋肉も確認してみることにしました。

 

手首を動かしている筋肉の多くは前腕にあります

私たちは普段、「手首が痛い」と感じると、どうしても手首そのものに原因があると考えがちです。

しかし、手首や指を動かしている筋肉の多くは、前腕にあります。

前腕にある筋肉から腱が伸び、手首を越えて手や指につながっています。

そのため、書き物やパソコン作業、家事などで手を繰り返し使えば、手首だけではなく前腕の筋肉も働き続けます。

そして、このような負担が長期間続けば、前腕の筋肉の深部にもコリが形成され、蓄積していきます。

今回の患者さんの前腕を確認すると、小指側の手首から肘へつながるあたりの筋肉がかなり強くこわばっていました。

さらに肘に近い部分を押すと、

「そこを押されると、手首の痛いところまで響きます」

という反応がありました。

そこで私は、整形外科で診断されたTFCC損傷とは別に、前腕の筋肉の強い緊張も、現在感じている痛みに関係している可能性があると考えました。

今回は手首を強く触りませんでした

TFCC損傷と診断されたばかりですから、痛みのある手首を直接強く施術することはしませんでした。

今回、私が中心に施術したのは前腕です。

長年の書き物などによって負担が蓄積していると考えられる筋肉を確認しながら、強くこわばっている部分を少しずつ緩めていきました。

すると施術後、

手首の痛みがかなり軽くなりました。

もちろん、これはTFCC損傷そのものが一回の施術で治ったという意味ではありません。

傷めている組織の状態と、周囲の筋肉によって感じている痛みは分けて考える必要があります。

今回、前腕を施術した直後に手首の痛みが軽くなったことからも、この患者さんの場合は、前腕の筋肉の状態も痛みに関係していた可能性が高いのではないかと私は考えています。

長年使ってきた筋肉なら、一回ですべてを変えようとしません

今回の患者さんは、長年にわたって非常によく書き物をされてきました。

つまり、前腕への負担も最近始まったものではありません。

長期間にわたって同じ筋肉へ負担がかかり続ければ、その深部にはコリが蓄積していきます。

私は、そうして何年もかけて蓄積したコリを、一度の施術ですべて取り除こうとは考えていません。

痛みの状態を見ながら、日常生活での負担を減らし、深部に蓄積したコリを少しずつ取り除いていく。

その方が筋肉への余計な刺激も少なく、体の状態を確認しながら進めることができます。

特に今回はTFCC損傷と診断されていますから、手首そのものについては整形外科の指示を守りながら経過を見ることが大切です。

テニス肘でも、痛む場所だけを見ません

これは手首だけの話ではありません。

以前、テニス肘と診断された患者さんが来院されたことがあります。

その方は肘の外側に痛みがありました。

しかし前腕を確認していくと、深い部分にかなり強いコリがありました。

そこで、痛みのある肘だけを施術するのではなく、前腕の筋肉を中心に施術しました。

すると、完全に痛みがなくなったわけではありませんが、施術後にはかなり楽になりました。

テニス肘の場合も、肘の外側に付着する前腕の筋肉や腱が関係しています。

ですから私は、肘が痛いからといって肘だけを見るのではなく、そこにつながっている前腕の筋肉まで確認することを大切にしています。

腱鞘炎やばね指にも共通する考え方です

以前このブログで、腱鞘炎やばね指についても書きました。

これらの症状でも、私は痛みや引っかかりが出ている場所だけではなく、前腕から手につながる筋肉の状態を確認します。

TFCC損傷、テニス肘、腱鞘炎、ばね指は、それぞれ別の状態です。

もちろん、すべてを「前腕のコリが原因」と一括りにすることはできません。

ただ、共通しているのは、手や指、手首を動かすために前腕の筋肉が毎日働いているということです。

そのため私は、手首や肘、指の症状を見る時には、痛みのある場所だけでなく、

「その場所を動かしている筋肉はどうなっているのか」

というところまで見るようにしています。

診断名がついていても、痛む場所だけを見るとは限りません

整形外科で検査を受け、診断をつけてもらうことはとても大切です。

骨折なのか。

靱帯などを傷めているのか。

関節に問題があるのか。

こうしたことを確認するのは医療機関の役割です。

そして私は整体師ですから、その診断を否定する立場ではありません。

むしろ、今回のようにTFCC損傷と診断されていれば、「傷めている手首を無理に触らない」という判断をするためにも重要な情報になります。

そのうえで、私は筋肉を見ます。

手首が痛いなら、手首を動かしている前腕まで。

肘が痛いなら、肘につながっている筋肉まで。

指が痛いなら、指を動かしている筋肉まで。

痛む場所だけではなく、その動きを支えている筋肉までたどっていく。

これは、私が約30年間の施術経験の中で大切にしてきた考え方です。

 

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中指の痛みの原因は、中指ではありませんでした

「中指に違和感があるんです。」

現在、肩こりと首こりの施術で来院されている私と同年代の女性患者さんから、このような相談を受けました。

詳しくお話を伺うと、約半年前から左手の中指に違和感があり、手首を反らすと痛みが出るとのことでした。

すでに3件ほど整形外科を受診し、レントゲン検査やリウマチの検査も受けたそうですが、特に異常は見つからず、湿布を処方され「安静にしてください」と言われただけだったそうです。

肩こりと首こりが改善してきたこともあり、

「先生だったら、この中指の痛みをどう考えますか?」

と相談してくださいました。

半年前に何があったのでしょうか?

私はまず、

「違和感が出る前に、何か普段と違うことをしませんでしたか?」

とお聞きしました。

すると、

娘さんの引っ越しを手伝い、荷造りの際に、中指と親指を使って大量の荷物を結んでいたとのことでした。

このお話を聞いた時点で、私は原因がおおよそ見えてきました。

原因は前腕の筋肉でした

私の臨床では、指や手首の痛みは、痛い場所そのものではなく、前腕の筋肉のコリが関係しているケースを数多く経験しています。

実は、指を動かしている筋肉は指にはありません。

その多くは前腕にあり、そこから伸びる腱が指を動かしています。

スター・ウォーズを見るとよく分かります

少し話はそれますが、映画**『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』**で、ルーク・スカイウォーカーが義手を装着する場面があります。

指を動かすたびに、前腕部分の機械が連動して動いている描写があります。

あのシーンを見ると、

「指を動かす仕組みは前腕にある」

ということが、とてもイメージしやすいと思います。

もちろん人体と機械は同じではありませんが、前腕の筋肉が指の動きに大きく関わっていることを理解する一つの例として、私はよく思い出します。

前腕を施術すると…

実際に前腕の筋肉を施術したところ、

中指の違和感は軽減し、手首を反らした時の痛みはなくなりました。

ただし、一度の施術で改善したのは表面の筋肉が緩んだ部分です。

深部のコリはまだ残っているため、このままでは再発する可能性があります。

今後、深部のコリまでしっかり改善していけば、さらに安定した状態になると考えています。

痛い場所と原因は違うことがあります

肩こりや腰痛だけではありません。

「指が痛い」

「手首が痛い」

という場合でも、原因が痛い場所とは別の筋肉にあることは少なくありません。

もちろん、指や手首の痛みの中には、骨折や腱の損傷、関節の病気など医療機関での診断が必要なケースもあります。

しかし、検査では大きな異常が見つからないにもかかわらず症状が続いている場合には、筋肉の状態が関係している可能性も考えられます。

痛みがなかなか改善しない時は、「痛い場所」だけでなく、「原因がある場所」にも目を向けてみることが大切です。

肩こりや腰痛以外の症状でも、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

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