- 2024年01月22日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 整体の考え方
今回は酸素の効果について書いていきます。
前回の続きになりますので、前回の分を読んでいらっしゃらない方はまずそちらからお読み下さい。
https://kusunoki-chiro.com/seitai/酸素の話の前に、僕の施術を受けると免疫力が向
「すべての病気の根源は酸素不足にある」
この言葉は野口英世博士が生前おっしゃっていた言葉です。
またドイツの研究者オットー・ワールブルクは「がんの原因は酸素の不足による」という事を突き止めノーベル賞を受賞しています。
これらの事はいつしか忘れ去られ酸素が病気の原因、ましてがんが酸素不足から増殖するとは一般的には言われなくなりました。
しかし近年これらの研究が見直され酸素の重要性が取り上げられる機会が増えて来たのです。
僕自身は健康な状態を維持するには血流と酸素は切っても切り離せないものだと思っています。
少し長くなるかもしれませんが、酸素について書いて行きます。
前回の血流と免疫の分と合わせてお読み下さい。
《現代人は酸素不足?》
大気中の酸素は何%くらいあるかご存知ですか?
現在大気中の酸素の割合は21%あります。
「現在は」と書いたのは、100年前には24%あったからです。
僅か100年で3%も大気中の酸素は減少したのです。
ちなみに酸素欠乏と言うのは18%を下回った状態です。
あと100年もしたら酸素欠乏状態が慢性化する可能性もあるのです。
よく、低気圧が近づくと頭痛がしたり身体がだるくなったりしますが、あれは気圧が下がることにより酸素濃度が下がり酸素欠乏の状態に近づくため起こる症状です。
また世代間によっても酸素の吸入量が変わる事もわかっています。
20代を100とした場合、60代には50しか酸素を吸入出来ていないのです。
つまり60代には20代の半分しか酸素を吸えていないのです。
そして近年はマスクの着用によっての酸素不足も指摘されています。
マスクをする事で酸素吸入が3割減少することがわかっています。
高齢者の方が今でもマスクをする率が高いようですが、元々酸素吸入量が減っているのにさらに3割も低下し隠れ酸欠状態になっているとも言えます。
《何より大切な栄養素は酸素》
現代人は酸素が不足している状態にある事はなんとなくご理解頂けたかと思います。
そうは言っても酸素がそこまで重要なものなのかをまだご理解頂けない方も多いのではないでしょうか。
病院で造影剤を入れて検査した事がある方はお分かりだと思いますが、血液は体内を目まぐるしい勢いで巡っています。
一瞬で体内をまわると言っても過言ではありません。
そこで何を運んでいるのかと言えば栄養素ですが、その中でも特に酸素です。
もちろん、食事から栄養を取らなければ人は死んでしまいます。
しかし、食事を取らないからと言ってすぐに死ぬわけではありません。
食物で数週間、水分で数日取らなくても生きられるでしょう。
しかし、酸素は数分取り入れないだけで死に至ります。
血液があれだけ目まぐるしく体内を巡っているのは酸素がなければ生物は生きていけないからです。
《酸素カプセルと高濃度酸素の違い》
斎藤佑樹君が甲子園で活躍した際に話題になったのが酸素カプセルです。
酸素カプセルに入る事で疲労を除去し連投出来たと言う事でした。
当時の酸素カプセルは気圧を高める事で酸素濃度を上げ、酸素の吸収を良くするというものでした。
しかし、近年は高濃度酸素発生器が開発され酸素の吸入がより効果的になっています。
京都大学大学院の石原昭彦教授の研究レポートによると酸素カプセルだけだと筋肉の疲労回復は限定的だが、そこに高濃度酸素を一緒に吸入する事で筋疲労の回復がさらに増進されるという研究結果が出ています。
それはなぜかというと、疲労物質である乳酸を分解するには大量の酸素が必要になるからです。
ここでも酸素です!
疲れた時に寝ても疲れが取れず、少し運動をした方が疲れが取れるのは運動する事で血流が良くなりさらに通常以上の酸素を吸入できるからです。
酸素カプセルが悪いとは言いませんが、酸素カプセルと高濃度酸素を組み合わせなければあまり意味は無いように思います。
それよりも僕の施術のように直接的に血流を良くした状態で高濃度酸素を取り入れた方がよほど効果が高いと考えられます。
《高濃度酸素の有効性》
ここまで色々と書いて来ましたが、そもそも高濃度酸素にはどのような効果があるのでしょう?
一般的に言われるのは次の通りです。
・疲労回復
・集中力アップ
・意欲、活力の向上
・睡眠不足解消
・冷え性改善
・ケガの回復の促進
・美肌、アンチエイジング
・ダイエット効果
・二日酔いの予防、回復
・免疫の向上
身体が熱を発するには酸素が必要です。
運動した時に息が上がる、風邪などで発熱した時に息が荒くなるのは体内で熱を発する場合、酸素を必要としているからです。
免疫を上げるには体温を上げましょうと言われます。
つまり体温を上げるには血流を良くするだけではなく酸素も必要だという事です。
そして近年ではがん治療に温熱療法、高濃度酸素が使用されています。
《がん治療と高気圧、高濃度酸素》
がん細胞が低体温、低酸素、高糖質を好むという事は前回書きました。
それらを利用した電磁温熱療法と高気圧酸素療法を組み合わせた治療を行っている病院が複数あります。
その根拠となるのが2019年のノーベル医学生理学賞を受賞した米国のジョンズホプキンス大学のグレック・セメンザ先生らが受賞した内容に則しています。
どういう内容かというと身体が低酸素状態になると体内で「HIF」と呼ばれる特別なタンパク質が大量に作られ、身体が低酸素状態に適応するようになるということです。
がん腫瘍内では正常な細胞よりも酸素分圧がはるかに低い数値である事がわかっています。
つまり腫瘍内で「HIF」が発生し活性化し結果として血管の生成や転移など腫瘍にとって生き残るために都合がよい状態になるという事です。
「HIF」が発生する事で、腫瘍の周りに堀のようなガードが出来て抗がん剤等が腫瘍に届きにくくなるのです。
腫瘍に直接酸素を送り込む事で腫瘍も縮小に転じる報告も数多く報告されています。
つまり、低酸素の状態が常態化する事がいかに悪かという事です。
もっと詳しく知りたい方は下記の動画をご覧下さい。↓
https://www.youtube.com/watch?v=2kcAxHRL8Co&list=LL&index=7
「成田記念病院 2023がん治療市民公開講座」
(今回、当院で行う酸素療法はがん治療などを行う目的ではありません。ただ、酸素が身体に如何に有用なものかという事をご理解頂きたくここに書かせて頂きました。)
《まとめ》
前回と今回にわたって血流と酸素の重要性について書いて来ました。
僕自身、25年以上に渡って様々な患者さんを診させて頂いて、体の痛みの9割以上が筋肉のこりで説明出来るのではないかと考えています。
また深部から硬直したこりを取り除く事で自律神経の正常化も期待出来ます。
そこに高濃度酸素を取り入れたら…….
これらを通して、酸素が私たちの健康にどれほど影響を与えているか、そして血流と高濃度酸素がそのサポートにどれほど有益かが伝わると嬉しいです。