- 2026年08月25日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 肩こり肩の症状
「姿勢が悪いから肩がこるんですよ。」
「猫背にならないように、胸を張りましょう。」
このような話を聞いたことがある方は多いと思います。
もちろん、悪い姿勢が首や肩、背中の筋肉へ負担をかけることは間違いありません。
しかし私は、約30年間多くの患者さんを施術してきた中で、もう一つ大切なことがあると考えるようになりました。
それは、
「姿勢が悪いから筋肉がこる」だけではなく、「筋肉が固まっているから良い姿勢を作りにくくなっている」
ということです。
今回は、猫背を例にお話ししてみたいと思います。
まず、良い姿勢を作ってみてください
今、少し背筋を伸ばして、頭を起こし、肩の力を抜いてみてください。
おそらく、多くの方が良い姿勢を作れると思います。
では、その姿勢をずっと続けられるでしょうか?
肩こりや背中のコリが強い方ほど、
「最初はできるけれど、だんだん疲れてくる」
「気付くとまた元の姿勢に戻っている」
ということが多いのではないでしょうか。
ここが大切なところです。
良い姿勢を知らないわけでも、作れないわけでもありません。
作れても、楽に維持できないのです。
私は、その原因の一つが、首や肩、背中上部に蓄積したコリではないかと考えています。
猫背の始まりは日常生活の中にあります
現在は、スマートフォンやパソコンを使う時間が非常に長くなりました。
スマートフォンを見る時には下を向きます。
ノートパソコンでは、低い位置にある画面を見るために頭が前へ出やすくなります。
デスクトップパソコンでも、仕事に集中しているうちに、いつの間にか画面をのぞき込むような姿勢になっている方は少なくありません。
頭には数kgの重さがあります。
頭が体の上に自然に乗っていれば、その重さを骨格で支えやすくなります。
ところが、頭が前へ出るほど、首や肩、背中上部の筋肉には大きな負担がかかります。
最初は、それでも問題ありません。
筋肉にも余裕があるからです。
しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なると、筋肉には少しずつ疲労が蓄積していきます。
そして、コリが深部まで固まっていきます。
ここから「姿勢とコリの悪循環」が始まります
私は猫背が慢性化していく過程を、次のように考えています。
スマホやパソコンなどで頭が前へ出る
↓
首・肩・背中上部の筋肉へ負担がかかる
↓
コリが蓄積する
↓
筋肉が固まり、良い姿勢を作りにくくなる
↓
さらに頭が前へ出やすくなる
↓
筋肉への負担がさらに増える
つまり、
「悪い姿勢だからコリができる」のは確かですが、そのコリによってさらに悪い姿勢から抜け出しにくくなる
のです。
私はこれが、長年猫背で悩んでいる方に起きている悪循環の一つではないかと考えています。
肩が上がることも猫背に関係しています
もう一つ、私が重要だと考えているのが肩の位置です。
パソコン作業などに集中していると、無意識に肩へ力が入り、肩をすくめた状態になりやすくなります。
肩が上がると、肩関節も前へ入りやすくなります。
さらに頭が前へ出れば、背中全体が丸く見えるようになります。
これが、いわゆる猫背の姿勢です。
ですから私は、猫背だからといって背中だけを見ればよいとは考えていません。
首、肩、肩甲骨周り、背中上部。
こうした筋肉の状態を一緒に見ることが大切だと考えています。
「胸を張りましょう」だけでは難しい理由
猫背を気にしている方に、
「もっと胸を張ってください。」
「背筋を伸ばしてください。」
とアドバイスすることがあります。
もちろん、普段から姿勢を意識することは大切です。
しかし、私はそれだけでは難しい方も多いと思っています。
なぜなら、何年もかけて筋肉が固まっているからです。
固まった筋肉に逆らって良い姿勢を作ろうとすれば、それ自体が疲れる作業になってしまいます。
だから最初は頑張れても、しばらくすると疲れて、また楽な姿勢へ戻ってしまいます。
これは本人の意識が足りないからではありません。
良い姿勢を維持しにくい筋肉の状態になっている可能性があるのです。
施術後に「姿勢が楽」と言われる理由
実際、首や肩、肩甲骨周り、背中上部の深部のコリを取り除いていくと、
「姿勢を作るのが楽になりました。」
「背筋を伸ばすのが楽です。」
と感じる患者さんは多くいらっしゃいます。
私は、無理に骨格を動かして姿勢を作っているわけではありません。
筋肉の緊張を取り除いているだけです。
それでも姿勢が作りやすくなる。
私はこの変化を、長年の施術の中で何度も見てきました。
だからこそ、私は筋肉の状態は姿勢にも大きく関係していると考えています。
良い姿勢は「頑張って作る」ものではないと思っています
もちろん、普段の姿勢を意識することは大切です。
スマートフォンを見る時間を減らしたり、パソコン作業の途中で体を動かしたり、肩に力が入っていないか確認したりすることも、コリをこれ以上蓄積させないためには役立ちます。
しかし、すでに首や肩、背中の筋肉が深部まで固まっている場合、
「今日から姿勢を良くしよう」
と意識するだけでは難しいこともあります。
私は、
良い姿勢を頑張って作るのではなく、良い姿勢を楽に作れる体にしていくこと
が大切だと考えています。
まとめ
「猫背だから肩がこる」
これは間違いではありません。
しかし私は、その前に、
スマートフォンやパソコンなどによる姿勢が長時間続く
↓
筋肉に疲労とコリが蓄積する
↓
良い姿勢を作りにくくなる
↓
さらに猫背になりやすくなる
↓
その姿勢がさらにコリを増やす
という悪循環があると考えています。
だから、姿勢を正してもすぐ疲れてしまう方は、「もっと姿勢を意識しなければ」と考えるだけではなく、一度、首や肩、背中上部の筋肉の状態にも目を向けてみてください。
姿勢を無理に矯正するのではなく、自然に良い姿勢を作りやすい状態へ戻していく。
私は、それが慢性的な猫背や肩こりを考えるうえで、とても大切なことだと思っています。

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