目からうろこの整体コラム

ストレートネックには「先天的」と「仮性」があると私は考えています

最近、「ストレートネックを改善しましょう」という言葉を、テレビやインターネットでよく見かけるようになりました。

以前は、ストレートネックは治らないものとして説明されることが多かったように思います。

それなのに、最近は「改善できる」と言われる。

これは、どういうことなのでしょうか。

私は約30年間患者さんの首や肩を見てきた経験から、ストレートネックと呼ばれている状態を、次の二つに分けて考えています。

  • 先天的なストレートネック
  • 仮性ストレートネック

これは医学的な正式名称ではなく、患者さんへ分かりやすく説明するために、私が使っている言葉です。

本来、背骨には緩やかなカーブがあります

人間の背骨は、横から見ると緩やかなS字を描いています。

これを生理的湾曲と呼びます。

首、背中、腰にそれぞれカーブがあることで、頭や上半身の重さを分散し、体への負担を和らげています。

ただし、背骨のカーブには個人差があります。

首の骨である頚椎のカーブがもともと緩く、横から見た時にまっすぐに近い方もいます。

私は、このように生まれつき、あるいは体の構造として首のカーブが少ないタイプを、先天的なストレートネックと呼んでいます。

この場合、首の形そのものを無理に変えようとする必要はないと考えています。

首のカーブが少ないからといって、必ず肩こりや首の痛みが出るわけでもありません。

大切なのは、首の形だけを見るのではなく、実際に症状があるか、頭をどの位置で支えているか、周囲の筋肉がどの程度固まっているかを見ることです。

仮性ストレートネックとは?

一方、もともとの骨格ではなく、日常生活の姿勢や筋肉のコリによって、頭が前へ出ている方もいます。

私はこの状態を、仮性ストレートネックと呼んでいます。

現代は、

  • スマートフォンを見る
  • ノートパソコンを使う
  • デスクトップの画面をのぞき込む
  • 長時間うつむいて作業する

といった生活が増えています。

下を向いたり、顎を前へ突き出した姿勢を長時間続けたりすると、首だけでなく、肩や背中の筋肉まで丸まった状態で固まりやすくなります。

筋肉は骨に付着しています。

その筋肉が強くこわばり、縮んだ状態が続けば、頭や首、背中の位置にも影響します。

その結果、

  • 頭が前へ出る
  • 顎が突き出る
  • 背中が丸くなる
  • 肩が前へ入る
  • 首のカーブが少なく見える

という状態になることがあります。

これが、私の考える仮性ストレートネックです。

頭を前へ出した姿勢が固定されていきます

最初のうちは、仕事やスマートフォンを見ている時だけ頭が前へ出ていたのかもしれません。

しかし、その姿勢を毎日何時間も続けていると、首・肩・背中の筋肉が、その丸まった状態で固まっていきます。

そして、パソコンやスマートフォンを使っていない時でも、頭が前へ出た姿勢が残るようになります。

本人は自然に立っているつもりでも、横から見ると、肩よりもかなり前に頭が出ていることがあります。

頭は重いため、その位置が前へ出るほど、首や肩の筋肉は強い力で支え続けなければなりません。

その結果、

  • 首こり
  • 肩こり
  • 背中の張り
  • 頭痛
  • 眼精疲労
  • 首の動かしにくさ

などにつながることがあります。

姿勢を意識するだけでは戻ってしまいます

頭が前へ出ていることに気づくと、多くの方は、

「姿勢を良くしよう」

「胸を張ろう」

「顎を引こう」

と努力します。

もちろん、姿勢を意識することは大切です。

ただし、すでに首・肩・背中の筋肉が丸まった状態で深部まで固まっていると、意識だけで正しい姿勢を保つのは難しくなります。

無理に胸を張っても、すぐに疲れてしまい、また元の姿勢へ戻ってしまいます。

これは、本人の意識が足りないからではありません。

固まった筋肉が、長年慣れた姿勢へ体を引き戻していると、私は考えています。

姿勢を直してもすぐに戻る方は、先に筋肉の状態を整える必要があります。

改善できるのは「仮性」の部分です

先天的なストレートネックは、もともとの骨格的な特徴です。

一方、仮性ストレートネックは、姿勢や筋肉のコリによって頭が前へ出ている状態です。

そのため、固まっている首・肩・背中の筋肉を深部から少しずつ緩め、姿勢を取りやすくしていけば、頭の位置が変わる可能性があります。

頭が自然に肩の上へ戻りやすくなれば、首や肩へかかる負担も軽くなります。

私は、「ストレートネックを改善する」という言葉は、首の骨を無理に曲げることではなく、

頭が前へ出た状態を整え、首・肩・背中の筋肉が自然な姿勢を保ちやすくすること

だと考えています。

背骨の形だけに振り回されないでください

ストレートネックと言われると、

「首の骨が変形してしまった」

「もう元には戻らない」

「将来もっと悪くなるのではないか」

と不安になる方もいます。

しかし、首のカーブが少ないことだけで、症状のすべてが決まるわけではありません。

私が重要だと考えているのは、

  • 頭がどの位置にあるか
  • 首・肩・背中の筋肉がどの程度固まっているか
  • 自然に姿勢を保てるか
  • 首や肩に実際の症状があるか

という点です。

先天的なストレートネックそのものを治そうとするのではなく、仮性ストレートネックにつながっている筋肉のコリや日常姿勢を整えていく。

その方が、現実的で体への負担も少ないと私は考えています。

知らないうちに、肩よりも頭が前へ出ていないでしょうか。

鏡を横から見たり、ご家族に姿勢を確認してもらったりして、一度ご自身の頭の位置を確認してみてください。

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