目からうろこの整体コラム

首こりの原因はスマホだけではありません〜ノートパソコンと首こりの関係〜

整体の仕事を始めてから30年近くになりますが、時代とともに患者さんの体のこり方も変わってきたように感じます。

最近、施術をしていて特に気になるのが、首の深い部分に強いコリが蓄積している方が増えていることです。

首こりの原因として、スマートフォンの使い過ぎはよく知られています。

画面を見るためにうつむく時間が長くなり、首から肩にかけての筋肉へ負担がかかり続けるからです。

ただ、私が約30年間患者さんの体を見てきて、もう一つ大きく変わったと感じているものがあります。

それが、ノートパソコンを長時間使うようになったことです。

 

ノートパソコンは目線が下がりやすい

ノートパソコンは、画面とキーボードが一体になっています。

そのため、机の上にそのまま置いて使うと、どうしても画面の位置が低くなり、自然と目線も下がります。

目線が下がれば、頭も前へ出やすくなります。

すると、首から肩、背中にかけての筋肉は、前へ出た頭を支えるために働き続けることになります。

短時間であれば、それほど問題を感じないかもしれません。

しかし、仕事で毎日何時間もこの姿勢を続け、それが何年も積み重なれば、首や肩の筋肉には長期間にわたって負担がかかり続けます。

その結果、首や肩の筋肉の深部にはコリが形成され、少しずつ蓄積していきます。

しかも、仕事に集中している時は、自分の頭が前へ出ていることや、肩に力が入っていることになかなか気づきません。

最初のうちは、仕事が終わった時に、

「首がちょっと重いな」

「肩が張っているな」

という程度だったものが、さらに負担を重ねることで慢性的な首こりへ変わっていきます。

人によっては、頭痛や眼精疲労などの症状につながることもあります。

画面を高くすれば解決するのでしょうか?

それなら、

「ノートパソコンを台の上に置いて、画面を高くすればいいのでは?」

と思いますよね。

確かに、画面の位置が上がれば、目線は下がりにくくなります。

ところが、ノートパソコンには一つ問題があります。

画面とキーボードが一体になっていることです。

画面を高くすると、キーボードまで高くなります。

すると今度は、腕を持ち上げた状態で入力することになり、肩や腕の付け根に力が入り続けます。

首への負担を減らそうとして画面を上げたのに、今度は肩へ負担をかけてしまう。

これでは十分な解決にはなりません。

おすすめは外付けキーボードとマウスです

ノートパソコンを長時間使って仕事をする方には、パソコンスタンド+外付けキーボード+外付けマウスという使い方がおすすめです。

パソコン本体をスタンドなどで持ち上げ、画面を見やすい高さにします。

そしてキーボードとマウスは別にして、肩を上げず、腕を自然に下ろした位置で操作します。

これなら、

目線の高さと、腕を楽に使える高さを別々に調整できます。

ここが、ノートパソコンを長時間使う時の大きなポイントです。

その際は画面の高さだけでなく、首が前へ出ていないか、肩をすくめていないか、肘が浮いていないか、腕に力が入り続けていないかも確認してみてください。

「正しい姿勢の形」に無理やり自分を合わせるのではなく、余計な力を入れずに仕事ができる環境を作ることが大切です。

タブレットはさらに目線が下がりやすくなります

近年では、タブレットを仕事に使う方も増えました。

これも便利なのですが、机の上に平置きした状態で長時間使うと、ノートパソコン以上に目線が下がります。

画面をのぞき込むような姿勢になるため、首から肩、背中の筋肉へ負担がかかり続けます。

タブレットを長時間使う場合も、スタンドなどで画面を上げ、必要に応じて外付けキーボードを利用するとよいでしょう。

スマートフォンも同じです。

大切なのは、画面を見るために何時間も頭を下げ続けないことです。

デスクトップなら大丈夫というわけでもありません

では、画面の高さを自由に調整できるデスクトップ型のパソコンなら首こりにならないのでしょうか。

もちろん、そんなことはありません。

画面の高さを適切に調整できるという点では有利ですが、長時間同じ姿勢を続ければ、首や肩の筋肉には負担がかかります。

仕事に集中するにつれて、いつの間にか頭が画面へ近づいていたり、肩をすくめていたりすることもあります。

つまり問題なのは、ノートパソコンという機械そのものだけではありません。

同じ筋肉へ、どのような負担を、どれくらい長くかけ続けているか。

私はここが一番大切だと考えています。

「良い姿勢」を続けるより、姿勢を固定しないこと

どれほど良い机や椅子を使っていても、同じ姿勢のまま何時間も動かなければ、同じ筋肉が働き続けます。

反対に、

「姿勢を良くしなければ」

と意識し過ぎて、背筋を伸ばした姿勢をずっと維持しようとするのもおすすめしません。

良い姿勢であっても、それを長時間固定すれば、姿勢を維持している筋肉は疲れます。

ですから私は、30分から1時間に一度くらいは、一度その姿勢をやめることをおすすめしています。

椅子から立つ。

数分歩く。

肩の力を抜く。

首を無理のない範囲で動かす。

画面から目を離す。

大げさなストレッチをする必要はありません。

「良い姿勢をずっと続ける」のではなく、「同じ姿勢を長時間続けない」。

こちらの方が大切です。

一度できた深部のコリは、環境を変えるだけではなくなりません

ここも大切なところです。

パソコンスタンドを使ったり、外付けキーボードを導入したりすることで、これから首や肩へ加わる負担を減らすことはできます。

しかし、すでに何年ものパソコン作業によって首の深部までコリが蓄積している場合、作業環境を変えただけで、それまで蓄積したコリがなくなるわけではありません。

例えば、

「朝から首が重い」

「仕事を始める前から肩がこっている」

「休みの日でも首が固い」

という状態になっている方では、すでに首や肩の筋肉にかなりの負担が蓄積している可能性があります。

そうした場合は、

これ以上コリを増やさないために作業環境を見直すこと。

そして、

すでに深部まで蓄積したコリを少しずつ取り除いていくこと。

この両方を考える必要があります。

パソコンを使わないという選択はできません

今の時代、仕事の効率を考えれば、パソコンやタブレットを使わないという選択は現実的ではありません。

だからこそ、

「パソコンが悪い」

「スマートフォンが悪い」

で終わらせても意味がありません。

大切なのは、便利な道具を、できるだけ体へ負担をかけずに使うことです。

整体の仕事を30年近く続けてきて、患者さんの体に現れるコリの場所や強さも、時代とともに変化してきたように感じます。

最近増えている首の深いコリも、スマートフォンだけではなく、ノートパソコンを長時間使うようになった現代の働き方と無関係ではないと私は考えています。

画面の高さ。

腕の位置。

肩に力が入っていないか。

そして、同じ姿勢を何時間続けているか。

毎日の小さな負担でも、それが何年も続けば、首の深部にはコリが蓄積していきます。

首こりが気になっている方は、まず一度、普段パソコンを使っている時の自分の姿勢と作業環境を横から見てみてください。

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