- 2019年09月04日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 腕・手指の症状
先日、知り合いの方から、
「先生のことが、ある整体師さんのブログに書かれていますよ」
と教えていただきました。
読んでみると、その方は10年以上前に私の施術を受けたことをきっかけに整体の道へ進み、現在は整体師として患者さんと向き合っているとのことでした。
正直、驚きました。
自分ではいつものように施術をしていただけなのですが、知らないところで誰かの人生に影響を与えていたのですね。
長くこの仕事をしていると、こういうこともあるのだと、少しうれしくなりました。
以前はその方のブログへのリンクも載せていましたが、現在は記事が削除されているようです。
そこで今回は、その方が当時悩んでいた症状に関連して、腱鞘炎やばね指と前腕の筋肉について、現在の私の考えを書いてみたいと思います。
腱鞘炎は、痛い場所だけ見ても分からないことがあります
腱鞘炎では、手首や親指の付け根などに痛みが出ます。
仕事や家事、育児、パソコン作業などで手をよく使う方に起こることも少なくありません。
もちろん、腱や腱鞘そのものに問題が起きている場合もあります。
ただ、私が約30年間患者さんを見てきた中では、痛みが出ている手首周辺だけでなく、指や手首を動かしている前腕の筋肉に強いコリが蓄積している方を数多く見てきました。
手首や指は、そこだけで動いているわけではありません。
前腕には指や手首を動かす筋肉があり、その先が腱となって手首を通り、指へつながっています。
つまり、仕事や家事で手や指を使い続ければ、前腕の筋肉にも負担がかかり続けます。
その状態が長期間続くことで、前腕の筋肉にも深部までコリが形成され、蓄積していきます。
筋肉の柔軟性が失われれば、その先につながる腱や手首周辺にも負担がかかりやすくなります。
ですから私は、
「手首が痛いから、手首だけを見ればいい」
とは考えていません。
痛みが出ている場所だけではなく、その手首や指を動かしている筋肉まで確認することが大切だと考えています。
安静にしても、また痛くなる方がいます
手首を使い過ぎて痛みが出ている時には、無理に使わず休ませることも大切です。
負担を減らせば、痛みが落ち着くこともあります。
ただ、
「しばらく休んでいたら良くなったのに、仕事を再開したらまた痛くなった」
という方もいます。
私はこうした場合、前腕の深部に蓄積したコリが残っていることにも目を向けます。
安静にすることで、その時に加わっている負担は減らせます。
しかし、長期間かけて前腕の深部に蓄積したコリまで、休むだけでなくなるわけではありません。
そのため、再び手や指を使い始めると、柔軟性を失った筋肉へ負担がかかり、その先の腱や手首にも負担が加わります。
当院では、痛みが出ている腱の周辺をむやみに強く刺激するのではなく、前腕の筋肉を確認し、手首や指へかかっている負担を減らすことを考えます。
腱鞘炎は状態や程度もさまざまですから、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。
ただ、約30年間の施術経験では、手首だけでなく前腕の筋肉まで丁寧に確認することの重要性を強く感じています。
ばね指は、特に得意としている症状の一つです
ばね指では、指を曲げ伸ばしした時に、
- 引っ掛かる
- カクンと跳ねる
- 指の付け根が痛む
- 朝に指が動かしにくい
といった症状が出ます。
一般的には、指を動かす腱と、その腱が通る腱鞘の部分で動きが悪くなることで起こると説明されています。
ただ、私がばね指の患者さんを見る時は、引っ掛かっている指だけを確認することはありません。
前腕から手のひら、指へとつながる筋肉や腱までたどって見ていきます。
実際に触れてみると、前腕の筋肉がかなり強く固まっている方が多くいらっしゃいます。
指を長期間使い続ければ、その指を動かしている前腕の筋肉にも負担がかかり続けます。
その結果、前腕の深部にコリが蓄積し、筋肉から腱へ伝わる負担も大きくなる。
私は、ばね指を考えるうえでも、この前腕から指までのつながりが非常に重要だと考えています。
ばね指については、これまで良い結果を経験しています
これは、私自身の施術経験として書いておきたいことです。
これまで当院でばね指の施術を最後まで続けていただいた患者さんについては、現在のところ、全員が引っ掛かりや痛みを気にせず生活できる状態まで改善しています。
もちろん、これはこれまで私が診てきた患者さんについての結果です。
今後来院されるすべての方に、同じ結果が出ることを保証するものではありません。
また、症状の程度や状態によっては、医療機関での治療が必要な場合もあります。
それでも、ばね指は約30年間の施術経験の中で、私が特に得意としている症状の一つだと考えています。
考え方はシンプルでも、施術は簡単ではありません
腱鞘炎やばね指を見る時の基本は、
痛む場所だけではなく、その動きを支えている前腕の筋肉まで確認する
ということです。
考え方だけを見れば、それほど複雑ではありません。
ただ、実際の施術では、
- どの筋肉にコリが蓄積しているのか
- どこから手首や指へ負担が伝わっているのか
- どの深さに強いコリがあるのか
- どの角度から捉えると筋肉が緩むのか
を一人ひとり確認する必要があります。
強く揉めば取れるというものでもありません。
大切なのは、力の強さではなく、固まっている筋肉を正確に見つけ、そのコリを適切な角度から捉えることです。
これは、肩こりや腰痛を施術する時と同じです。
症状の場所は違っても、私が約30年間続けてきた施術の基本的な考え方は変わりません。
施術が、誰かの人生のきっかけになることもあります
10年以上前に私の施術を受けた方が、その経験をきっかけに整体師になっていた。
そのことを知り、施術は目の前の症状を楽にするだけではなく、時にはその人の考え方や人生にまで影響を与えることがあるのだと感じました。
もちろん、いつもそんな大きなことを考えながら施術をしているわけではありません。
私が毎日やっていることは、とても地道です。
目の前の患者さんの体を触りながら、
「痛いのはここだけれど、本当にここだけを見ればいいのだろうか?」
と考える。
そして、痛む場所だけではなく、その動きを支えている筋肉まで丁寧に確認する。
その積み重ねを約30年間続けてきました。
今回、思いがけず昔の患者さんの話を知って、そんな日々の積み重ねが、知らないところで誰かのきっかけになっていたことを少しうれしく思いました。
腱鞘炎やばね指で長く悩んでいる方は、手首や指だけではなく、その指を動かしている前腕の筋肉にも一度目を向けてみてください。

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