- 2018年09月19日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
歌舞伎座で毎年9月に行われている秀山祭に行って来ました。
最近は毎月のように歌舞伎に行くことはなくなったんですがこの秀山祭は毎年必ず行っています。これは初代吉右衛門を偲んで彼にゆかりの演目を2代目吉右衛門さんを中心に演じるというものです。吉右衛門さんは大好きですし、見応えのある演目が多いのでどうしても足が向いてしまうんですよね?
で、今回は吉右衛門さんだけではなく福助さんの復帰公演という事でも話題になっていますね。もう、舞台から離れて5年ですか。僕も楽しみにしていた歌右衛門襲名の直前に脳出血で倒れたんです。それから5年。懸命のリハビリの結果舞台復帰を果たすまでになりました。今回は「金閣寺」の慶寿院という役で座っての演技ですが、セリフはしっかりとしていました。これはさすがですね。ただ、右半身に麻痺が残っているのか右手は全く使っていませんでした。それでもこうやって舞台に戻ってこられただけで今はいいんです。いつの日か必ず歌右衛門を襲名してくれると信じています。
今回の「金閣寺」もう一つ楽しみにしていた事があったんです。それが福助さんの長男の児太郎君が雪姫を演じる事。成長著しい児太郎君が難解な役の雪姫を演じきれるのか見ものだったんです。雪姫の何が難解か。後半はずっと縄で縛られた状態で手を使っての演技が出来ないんです。それを身のこなしと表情でしっかりと演じなければならない。女方でも難しい役です。正直数年前に見た七之助の雪姫はあまり良くなかったですね。それ以前に観た福助さんや亀治郎(現猿之助) の雪姫と比べてしまうんですよね。
で、今回の児太郎君は………..素晴らしかったです。まさかここまで演じきれるとは思ってなかったんで本当にビックリしました。冗談じゃなく児太郎君のファンになっちゃいましたよ(笑)
舞台はまとまりがあってとても良かったです。ただ、梅玉さんの声が小さくて聞き取り難かったんですよ。松緑がハッキリとした発音だけにその差が………..。
次の演目は「鬼揃紅葉狩」。舞踊劇です。歌舞伎によくある最後に鬼になって出てくるというやつですね。染五郎が現幸四郎になって僕は初めて観る舞台となります。安定の幸四郎ですね。初めて歌舞伎を観る人はこういう演目を選んだ方がいいですね。やっぱり派手な方が面白いですよ。
最後の演目は「河内山」。世話物の代表的な演目です。これは何度も観ている演目ですが吉右衛門さんでは初めてですね。今までは実兄の前幸四郎、現白鸚で観て来てます。白鸚はこれと勧進帳の弁慶しか出来ないのか?って思えるくらいこの演目は多く演じています。実際に見較べてみて…….吉右衛門さんの方が最後の有名なセリフ「悪に強きは善にもと・・・・・・」 の台詞まわしがキップが良くてとてもいい。これは白鸚と全然違いました。小悪党が大名をやり込めるその小気味よさが最後に花開くんです、吉右衛門さんは。それが最後の「馬鹿め〜」というセリフに集約されて行く。本当にいい舞台を観させてもらいました。昨年、吉右衛門をさんを観たときに身体が動いていないのとセリフが微妙に遅れる感じがあったんですが今回はそんな事ありませんでした。きっとその時は体調が悪かったんでしょうね。
吉右衛門さん、12月は国立劇場で宙乗りのつづら抜けをやるそうです。もちろん僕も観に行く予定にしています。12月も楽しみです?
余談ですが、テレ朝の松尾アナも観劇に訪れていました。(やじうまワイドの松尾アナです)歌舞伎座正面、しかも僕の隣で写真を撮ったりしていました。ホントすっごい綺麗な方でしたよ。「写真一緒に撮ってください」って言おうと思ったけどいう勇気がなかった???