雑談コラム

ChatGPTと歌舞伎談義。本気で語ったら止まらなくなった(笑)

先日、何気なくChatGPTに、

「市川ぼたんのファンクラブってあるの?」

と聞いてみました。

市川ぼたんの舞踊を観て、少し追いかけてみたいと思ったからです。

私は松竹歌舞伎会には入っていますが、歌舞伎座の本公演だけでなく、個人の舞踊会や小規模な会があるなら、そちらにも行ってみたい。

そんな話から始まったのですが、気がつくと、市川ぼたん、新之助君、菊之助君、團十郎、八代目菊五郎と、かなり本気の歌舞伎談義になっていました。

 

市川ぼたんを観て、考えが変わった

私はもともと、市川ぼたんが歌舞伎の舞台に上がることに対して、どちらかというと否定的でした。

歌舞伎は男性が演じるものとして受け継がれてきた芸能です。

そこへ團十郎が娘を舞台に上げようとすることに対して、

「そこまでして舞台に立たせる必要があるのかな」

と思っていたのです。

ところが、実際に市川ぼたんの舞踊を観て、考えが変わりました。

とにかく上手い。

ただ振りを間違えずに踊っているということではありません。

姿勢や手の使い方、視線、間の取り方、舞台上での見え方に、明らかに舞踊の才能を感じました。

あれを見たら、團十郎が反対を押し切ってでも舞台に立たせたいと思う気持ちは分かります。

親だから出したいのではなく、芸があるから舞台で見せたい。

少なくとも、私にはそう見えました。

舞台というのは不思議なもので、理屈で否定していたものでも、実際の芸を見せられると考えを変えざるを得ないことがあります。

私も、まさにその一人です。

今では、歌舞伎座の舞台だけでなく、市川ぼたんが個人の舞踊会を開くことがあれば、ぜひ観に行きたいと思っています。

 

市川ぼたんの大曲を観てみたい

ただし、市川ぼたんが舞踊家としてどのくらいのところまで行けるのかは、まだ分かりません。

舞踊が上手いことは間違いありませんが、本当の意味で力量が見えるのは、やはり大曲を踊ったときではないでしょうか。

『京鹿子娘道成寺』

『藤娘』

『鷺娘』

このあたりを、今後どのように踊るのか観てみたい。

『藤娘』は華やかさや可憐さが目につきますが、それだけでは持たない踊りです。

『鷺娘』は、後半へ向かうにつれて女の情念や苦しさが深くなり、踊り手の表現力が問われます。

そして『娘道成寺』は、踊りの技術、体力、品格、役の変化、舞台を一人で持たせる力まで、すべてが必要になる大曲です。

市川ぼたんが、ああした作品をどこまで踊れるのか。

そこを観てみたいと思わせるだけでも、すでに大したものです。

 

菊之助君は、すでに大曲を踊っている

同世代の菊之助君は、すでに『娘道成寺』を踊っているのを観ています。

若いうちに道成寺を踊るというのは、並大抵のことではありません。

振りを覚えれば何とかなるような踊りではありませんし、周囲も誰にでも踊らせるわけではありません。

それだけの期待と稽古があって、初めて舞台に立てる演目です。

しかも菊之助君は、舞踊だけでなく芝居をしていても落ち着きがあります。

子役らしい元気さだけで押すのではなく、役として舞台に立とうとしているのが伝わってくる。

同世代にこれだけの役者がいるのですから、新之助君は大変です。

正直、現時点では、

「新之助君、頑張れ」

としか言えないところもあります。

ただ、歌舞伎役者は子どもの頃の評価ですべてが決まるわけではありません。

むしろ、近くに同世代の優れた役者がいることを、バネにしてほしい。

将来、二人が大きな役を競うようになったときに、

「あの頃はずいぶん差があったのに、新之助もここまで来たか」

と思わせてくれたら、それはそれで非常に面白いと思います。

 

團十郎を再評価した『勧進帳』

若い頃の評価が、そのまま将来の評価になるとは限りません。

その一番分かりやすい例が、私にとっては團十郎です。

海老蔵の頃は、あまり高く評価していませんでした。

発声が鼻に掛かって聞こえ、何を言っているのか分かりづらいことがあった。

存在感はあるのですが、その存在感が舞台全体と調和せず、一人だけ前へ出てしまうように感じることもありました。

数年前に『勧進帳』を観たときもそうでした。

團十郎の弁慶は力が入りすぎ、独りよがりに空回りしているように見えました。

一方、富樫を演じていた当時の菊之助が非常に良かった。

弁慶を見抜きながらも、義経一行を通す富樫の心情がよく伝わり、私は弁慶よりも富樫ばかり観ていました。

『勧進帳』は、弁慶一人が目立てば成立する芝居ではありません。

弁慶、富樫、義経の三者の緊張感がかみ合って、初めて作品全体が立ち上がります。

ところが、昨年の八代目菊五郎襲名興行で、同じ組み合わせの『勧進帳』を観たとき、團十郎の印象が大きく変わりました。

とにかく良かった。

以前のように、自分の弁慶だけを見せようとする感じが薄れ、富樫との呼吸や舞台全体を意識しているように見えました。

力強さはそのままに、余計な力が抜けていた。

弁慶が前に出ることで舞台を壊すのではなく、弁慶が中心にいることで舞台全体が締まっていた。

あの『勧進帳』を観て、私は團十郎を再評価しました。

以前は良くないと思っていた役者でも、良くなれば評価は変わります。

役者を長く観る面白さは、そこにあると思います。

 

『鏡獅子』に見る役者の総合力

團十郎の成長を感じたのは『勧進帳』だけではありません。

『春興鏡獅子』もそうです。

『鏡獅子』は、前半の小姓弥生と、後半の獅子の精を一人で踊らなければなりません。

前半では、女方としての柔らかさ、品、繊細さが必要です。

後半では一転して、獅子の精としての力強さ、躍動感、舞台を圧倒する迫力が求められます。

どちらか一方だけできても駄目です。

まったく異なる二つの芸を、一つの作品の中で成立させなければならない。

その分、踊り手の総合力が問われます。

以前の團十郎は、後半の獅子には迫力があっても、前半の弥生に課題があると感じていました。

しかし、その弥生もずいぶん良くなりました。

本人も課題を分かって稽古を重ねたのだと思います。

ただ、それでも総合力という点では、立役と女方の両方を高い水準でこなし、舞踊にも優れる八代目菊五郎や勘九郎の方が上だと私は思っています。

もちろん、何を重視するかによって評価は変わります。

荒事の大きさや華を最も重視する人なら、團十郎を一番に挙げるかもしれません。

私は役柄の幅、舞踊、芝居の細やかさを含めた総合力を重視しているので、見方が違うのでしょう。

 

やはり八代目菊五郎が一番

現在の役者で誰が一番かと聞かれたら、私はやはり八代目菊五郎を挙げます。

立役もいい。

女方もいい。

舞踊もいい。

役によって見せ方を変えられ、どの分野でも高い水準にある。

何か一つだけが突出している役者ではなく、歌舞伎役者として必要な芸を、総合的に備えているように思います。

ただ一つだけ欲を言えば、父親である七代目菊五郎のようなユーモアや洒脱さが、もう少しあれば言うことがありません。

七代目には、舞台で力まずに観客を笑わせる軽さがありました。

芝居の中に少し遊びがあって、それが江戸歌舞伎らしい味になっていた。

八代目は技術的には申し分ありませんが、やや真面目で端正すぎるところがあります。

もっとも、あのユーモアや余裕は、年齢を重ねてから出てくるものかもしれません。

これからどのように芸が変わっていくのかも楽しみです。

 

AIと話したことで、自分の見方が整理された

ChatGPTと歌舞伎の話をして面白かったのは、AIが歌舞伎について何でも知っているからではありません。

むしろ、ときどき私の方が、

「それは少し違う」

「そこはそういう見方ではない」

と訂正することもありました。

ただ、相手がいることで、

「なぜ市川ぼたんを評価したのか」

「なぜ以前の團十郎を良く思わなかったのか」

「なぜ八代目菊五郎が一番だと思うのか」

という、自分の中にあった感覚を言葉にすることができました。

役者の評価は、人気や家柄だけで決まるものではありません。

また、一度決めた評価が一生変わらないものでもありません。

実際の舞台を観て、以前より良くなれば評価を改める。

期待していた役者が物足りなければ、厳しく見ることもある。

そして、若い役者がこれからどう伸びていくのかを見守る。

私は、そういう見方で歌舞伎を楽しんでいるのだと思います。

市川ぼたんが、いつか『娘道成寺』や『鷺娘』を踊る日が来るのか。

菊之助君と新之助君が、これからどんな役者になっていくのか。

八代目菊五郎に、父親のようなユーモアと余裕が加わるのか。

そして團十郎が、さらにどこまで芸を深めていくのか。

役者の成長を何年もかけて観られる。

それが、歌舞伎を長く観続ける一番の面白さなのかもしれません。

 

あと20年は歌舞伎を観続けたい。

いや、30年かな。

……。

その頃には、車椅子で歌舞伎座へ行っているかもしれません。

その時は、どなたか押してください(笑)。

 

 

歌舞伎をド直球に解説してみた【第2回】〜知らなきゃ謎すぎる「5つのルール」〜

前回は歌舞伎の正体が「化け物(なんでも飲み込むエンタメ)」だというお話をしました。

今回は、歌舞伎を観るにあたって**「絶対に知っておいた方がいいお約束(ルール)」**をいくつかご紹介します。

これらを知らずに観ると、劇場で「えっ、何これ?」「なんじゃこりゃ…」とポカンとしてしまうのですが、ルールが分かると一気に面白くなりますよ!

スポーツも、ルールを知らないで観たら何が凄いのかサッパリ分からないのと同じですね。

 

① 顔のグラフィックで「一発でネタバレ」している

歌舞伎のメイク(化粧)は、ただ目立つために白塗りをしているわけではありません。実は、顔を見ただけでそのキャラクターの役割が大体分かるようになっています。

 ベースの肌色: 「白塗り」は善人(いい人)。「茶色い化粧」は悪人。

 隈取り(くまどり): 血管や筋肉を強調したあのド派手なライン。「赤い隈取り」は正義のヒーローで、**「青い隈取り」は冷酷なダークヒーロー(大悪人)**です。

分かりやすく映画『スター・ウォーズ』に例えるなら、赤い隈取りは「ジェダイ」で、青い隈取りは「シス」ってことですね(笑)。(余計にややこしくなったらごめんなさい!大体合ってます!笑)

https://youtu.be/_AetkKrnV2g?si=2IXjkUQIARtZ9Gbg

 

② 花道の穴「すっぽん」から出るのは、人間じゃない!?

歌舞伎といえば、客席を縦断するステージ「花道(はなみち)」が有名ですよね。これが劇空間を立体的に見せる最高の演出効果を発揮しています。

この花道の、舞台寄りの場所(七三の位置)に、床下から役者がせり上がってくる正方形の小さな穴があるのをご存知ですか?

あれを**「すっぽん」と呼ぶのですが、実は歌舞伎界には「すっぽんから登場する役は、人間ではない」**という超重要ルールがあります。

妖怪、化け物、幽霊、あるいは何かの妖精や精霊……。

映画『国宝』の中でも、吉沢亮と横浜流星が演じた「二人道成寺(ににんどうじょうじ)」の場面で、ここから上がっていったのを覚えているでしょうか?

あの瞬間、観客には**「いま上がってきた白拍子花子は、ただの可愛い女の子じゃない(=人間ではない何かだぞ…)」**という裏設定が1秒で伝わっているんです。だからこそ、物語のラストで激しい執念から「蛇(大蛇)」に変身して鐘に登る、あの鳥肌もののクライマックスに繋がっていくわけです。シブいですよね……!

https://youtu.be/GPDeY3nNmSM?si=mWFInBLmKkmdJJ17

 

③ 「ドンドンドンドン…」という太鼓は、実は「風」

お芝居の途中で、舞台がちょっと薄暗くなった時などに、裏方から「ドンドンドンドンドンドン……」と低く響く太鼓の音が聞こえてくることがあります。

これは**「風の音」**を表しています。

あの音が鳴り響いたら、観客は頭の中で「あぁ、今は風がビュービュー吹き荒れる、不気味な夜なんだな」と脳内変換すればOKです。歌舞伎は、音ひとつで大自然の景色まで表現しちゃうんです。

 

④ 急にスローモーションになる「だんまり」

歌舞伎には**「だんまり」**という独特の表現方法があります。

それまで普通に動いていた役者さんたちが、突然めちゃくちゃゆっくりな動き(スローモーション)になり、お互いに手で「お、お前は誰だ…?」と探り合うような不思議なポーズを取り始めます。

これ、実は**「舞台の上は、街灯ひとつない真っ暗闇」**という設定なんです。

本当は照明が当たって明るいのですが、「客席からは見えているけど、登場人物たちには1ミリも周りが見えていないリアルな暗闇」を、あえて様式美としてゆっくり動くことで表現しています。

これを知らないと、「え、みんな急にどうしたの?😂」って話になっちゃいますよね。

 

⑤ 時間と空間の支配者になれる

歌舞伎の世界では、時間の流れもアインシュタインの相対性理論ばりに自由自在です。

 ・花道を一歩歩くだけで、実際には「数キロメートル」進んでいる。

 ・花道をトボトボ歩いている数秒の間に、作中では「何日も」経過している。

 ・役者が「見得(みえ)」を切ってビシッと止まっている間は、世界の「時間がストップ」している。

観客もそのルールを分かって観ているので、誰も「いや、そんなのおかしいだろ!」なんて野暮なツッコミは入れません(合意の上のファンタジーです!笑)。

 

どうでしょう。最低限このあたりの「お約束」を頭に入れておくだけでも、次に歌舞伎を観るときの見え方が180度変わる気がしませんか?

ルールを知れば知るほど、歌舞伎って決して堅苦しい高尚なものではなく、むしろ観客のイマジネーションを刺激してくれる、すごく親しみやすいエンタメなんです😊

次回はいよいよ、歌舞伎の最大の特徴であり、映画『国宝』の核でもある**「女方(おんながた)の成り立ちと存在意義」**について、ド直球に解説したいと思います。男が女性を演じる、その本当の凄さとは……?

どうぞお楽しみに!

歌舞伎をド直球に解説してみた【第1回】

映画『国宝』を観て、「歌舞伎にちょっと興味が出てきた!」という人も少なくないんじゃないでしょうか。

でも、正直歌舞伎ってよく分からないですよね。 綺麗な踊りがあったり、シリアスなお芝居があったり、かと思えば顔を真っ白に塗った役者が「ミエ」をしたり、ド派手に髪の毛をグルグル振り回したり……。要素が多すぎて頭が混乱します(笑)。

もし、人から「歌舞伎を一言でいうと何?」って聞かれたら、僕ならこう答えます。 「怪物」、もしくは「化け物」です!

なぜかというと、歌舞伎は「面白い流行り物なら何でも飲み込んでしまう」化け物のような演劇だからです。 江戸時代、あちこちにあった芝居小屋は、お客さんの奪い合いで熾烈なバトルを繰り広げていました。だから「今、これが流行ってるらしいぞ!」となれば、何でもかんでもすぐ取り入れて歌舞伎にしちゃっていたわけです。

生前、18代目中村勘三郎が「歌舞伎役者がやれば、何でも歌舞伎だよ」と言っていたけど、まさにその通り。側から見て捉えどころがないのは当然なんです。

とはいえ、ある程度ジャンルが分かっていないと観る時に迷子になってしまうので、今回は僕なりの分かりやすい「ジャンル分け」を解説します!

① 時代物(じだいもの)

一言でいうと、当時の「時代劇」。主に武家社会のドロドロした事件などを扱います。 ただ、ここで面白いのが、当時の武士のリアルなスキャンダルをそのまま舞台に上げると、幕府から一発で怒られて打ち切りになっちゃう。だから、劇中では舞台設定をわざと「鎌倉時代」とかにタイムスリップさせて誤魔化していたんです(笑)。

有名な『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』もそう。実際に起きた赤穂浪士の討ち入り事件をベースにしていますが、幕府の目を欺くために、浅野内匠頭は「塩冶判官(えんやはんがん)」、吉良上野介は「高師直(こうのもろなお)」、大石内蔵助は「大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)」といった風に、全員の名前を変えています。

ちなみに、この時代物の多くは、人形浄瑠璃(文楽)のヒット作を歌舞伎に移植したもの。舞台の右側(上手側)に語り手(太夫)と三味線弾きがいて、ストーリーをゴリゴリに語りながら進行していくのが特徴です。(義太夫狂言と言います)

② 舞踊・舞踊劇(ぶようげき)

いわゆる「踊り」です。主に日本舞踊ですね。ストーリー性を持たせたものが舞踊劇と呼ばれます。 映画『国宝』で吉沢亮や横浜流星が猛特訓して踊っていた「鷺娘」や「藤娘」もこれ。三味線、太鼓、笛、鼓などの生演奏と、美しい唄(長唄など)に乗せて華やかに展開します。ストーリーが分からなくても、視覚的に一番「綺麗だな〜!」と楽しめるジャンルです。

③ 世話物(せわもの)

江戸時代の「現代劇(トレンディドラマ)」です。 登場人物は僕らと同じ「一般庶民」なので、幕府に気を使う必要もなく、リアルな人間模様や恋バナ、時には実際の殺人事件などを生々しく描きました。よりリアルさを追求した「生世話物(きぜわもの)」なんて分類もありますが、そこまで細かく覚える必要はありません(笑)。

④ 松羽目物(まつばめもの)

格式高い「能や狂言」からストーリーを引っ張ってきたもの。 舞台の後ろに「デカデカとした松の木」が描かれているので、幕が上がった瞬間に一発で分かります。 当時、能や狂言は将軍や大名しか観られない高級演劇でした。庶民は観ることができなかったので、「じゃあ俺たちが分かりやすく噛み砕いて、みんなに観せてあげるよ!」と歌舞伎化した、いわば大衆向けリメイク版です。

⑤ 新歌舞伎(しんかぶき)

明治〜大正時代以降に作られたジャンル。 江戸時代の歌舞伎は「いや、いくら何でもそりゃ無理があるだろ!」という荒唐無稽でぶっ飛んだ話が多かったんです。それを見た当時の政府が「これじゃ海外からバカにされる!もっとリアルで歴史に忠実なお芝居を作りなさい!」と奨励して生まれた、ちょっとリアル路線の劇です。

⑥ スーパー歌舞伎

3代目市川猿之助(のちの猿翁)が始めた、エンタメ性を限界まで高めた超ド派手な歌舞伎です。 1人の役者が何役も一瞬で早替わりしたり、ワイヤーアクションで客席の3階席まで飛んでいく「宙乗り」があったりと、とにかくお祭り騒ぎ! ちなみに、来月(7月)から上演される『もののけ姫』の歌舞伎版も、まさにこのスーパー歌舞伎(スーパー歌舞伎II)の流れを汲むものです。ジブリと歌舞伎の融合、めちゃくちゃ気になりますよね。

大雑把に分けると、歌舞伎の引き出しはだいたいこの6つです。

「あ、今日観る演目は、江戸時代のトレンディドラマ(世話物)なんだな」とか、「これはド派手なアクション系(スーパー歌舞伎)か!」と分かるだけでも、グッと観やすくなるんじゃないかと思います。

いや〜、それにしても歌舞伎を説明するのって本当に難しい!😅 普段、難しい事を分かりやすく説明するのは得意な方なんですけど、なんせ相手が「化け物」ですからね(笑)。

次回は、歌舞伎の「見どころ」について、もう一歩踏み込んでお話ししようと思います。お楽しみに!

歌舞伎を観てきました(ちょっと考えさせられました

先日、4月の歌舞伎座昼の部を観てきました。

今回のお目当ては、八代目の尾上菊五郎による「裏表先代萩」。

通し狂言で三役をこなす舞台です。

 

 

昔から菊五郎が好きで、立役も女方も両方できるところに魅力を感じています。

今回も女方の大役・政岡を安定して演じていて、「やっぱりいいな」と安心して観ていられる舞台でした。

 

一方で、その前に上演された「廓三番叟」は少し複雑な気持ちになりました。

 

中村梅玉さんのお大尽役はさすがでしたが、花魁として前に出ていた中村魁春さんと中村福助さんの動きが少し気になりました。

魁春さんはここ最近、年齢の影響なのか動きに重さを感じる場面があり、福助さんは脳梗塞の後遺症もあって、立ち上がるのにも後見の支えが必要な状態です。

舞台に立ち続けることの大変さは理解しているつもりですが、正直なところ「大丈夫なのかな」と感じてしまったのも事実です。

 

その分、若い中村莟玉さんや中村玉太郎さんの動きに自然と目がいきました。

やはり体が自由に動くこと、それ自体が舞台の魅力の一つだと改めて感じます。

 

とはいえ、歌舞伎の世界では「体が動かなくなってからが本物」と言われることもあります。

技術や若さだけではない、長年積み重ねてきた芸の深み。そういうものも確かにあるんだろうなと思います。

 

魁春さんは歌右衛門の芸養子ですし、福助さんも本来は次の歌右衛門を襲名するはずだった方です。

そうした背景を考えると、舞台に立つ意味は単純な良し悪しでは測れないのかもしれません。

 

自分の見方がまだ浅いのかな、とも思いつつ、いろいろ考えさせられる一日でした。

もし歌舞伎がお好きな方がいらっしゃったら、ぜひお話ししましょう。

 

「マハーバーラタ戦記」を観てきました

先日、歌舞伎座の昼の部「マハーバーラタ戦記」を観て来ました。

 

 

すごい面白かった‼︎

もう一回観たいです‼︎

 

 

6年前にすでにインド物を取り入れるのがすごい‼︎

「RRR」がヒットした今の再演はとても意味があると思うし、客席も平日にも関わらず随分埋まってました。

これって映画「バーブバリ」の元になったお話なんだってね。

患者さんが教えてくれました😄

 

本花道だけでは無く上手側に仮花道も作り、より立体的な演出で、歌舞伎座の舞台の大きさを活かす素晴らしい演出でした。

これが出来たら「ファイナルファンタジーX」も歌舞伎座で出来るんじゃないかな🤔

 

最初、神々が居並ぶところに菊五郎さんがいるのが嬉しい☺️

菊五郎さんをずっと観てたんだけど、クッと目に力を入れた時の目力が凄いんよね。

眼力というか、座ってるだけなんだけど存在感が凄すぎる😱

 

菊之助君はもちろんなんだけど、隼人君がとても存在感を出している。

 

猿之助君に抜擢されてから主役を務める事が多くなり自信を付けて来てると思う。

菊之助君と並んで思っても、菊之助君の舞踊は軸が全く振れず腰の角度や手の動きに至るまで素晴らしいけど、隼人君は舞踊にダイナミックさがあるように思う。

身長もあって手足も長いからね。

2月、3月にはスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の主役を務めるので頑張ってもらいたいです。

 

インド物という事以上にウクライナ戦争、ガザ地区での紛争が現実に起こっている今「マハーバーラタ戦記」を再演した意味は大きいと思う。

 

もっと上手く宣伝して2ヶ月くらいのロングランにはしてもいいと思うくらい素晴らしかったです‼︎



秀山祭を観て来ました

僕の中で9月の歌舞伎座と言えば秀山祭ですが、そう思う人は案外多いんじゃないでしょうか。

それくらい定着しましたね。

それも二代目吉右衛門の努力のお陰だと思います。

(秀山とは初代吉右衛門の俳名で2年前に亡くなった2代目吉右衛門が初代の芸を今に伝えるために秀山祭を始めました)

 

今回は吉右衛門さんの三回忌の追善興行です。

 

 

早速夜の部を観て来ました。

 

最初は「菅原伝授手習鑑」から「車引き」。

ちょっと前に文楽で菅原伝授手習鑑の前半部を観たんでなんか続きを観ている感じ😊

播磨屋さん総出演という感じで、歌六さん又五郎さん兄弟に歌昇君、種之助君兄弟の出演でした。

 

 

歌昇君の梅王丸にびっくり‼︎

しばらく歌昇君は観ていなかったんですが、荒事をしっかりこなせるようになってました。

言い過ぎかもしれないけど十分主役を務められるんじゃないかな。

 

次は「連獅子」。

今日のお目当てです🙆‍♂️

 

 

吉右衛門さんは孫の丑之助君と連獅子を踊りたかっただろうなぁと思います。

菊之助の舞踊は安定ですね。

本当に上手い‼︎

前にも書きましたが、勘九郎との「二人道成寺」を観た時もその差を感じたんですよね。

 

 

丑之助君も頑張ってましたよ。

なかなかピタッと静止できないんだけど、それは仕方ないですよね。

毛振りの時はちゃんと毛が振れていました。

若い人で毛に振られちゃう人って意外と多いんだけどそんな事はありませんでした。

きっと今月末の千穐楽近くになったらもっと良くなっていると思います。

 

丑之助君で一つ気になるのが、首が左に傾ぐところかな。

今まで観て来た舞台でも首が左に傾いでるんだけど、今回の舞踊でも左に傾いでました。

だんだんその癖もなおって行くだろうけどね。

 

最後は「一本刀土俵入」。

新歌舞伎を代表するような有名な作品だけど初めて観ました。

昔、お正月の「新春かくし芸大会」でやってるのを観たくらいかな😄

凄く面白かったです‼︎

幸四郎は上手いね。

やっぱ、歌舞伎役者はなんでもこなせるんだよね。

雀右衛門もとても可愛く演じてました。

 

松緑も出ていたんだけど、日中は国立劇場で演ってて夜は歌舞伎座だからね。

ご苦労様です🙇‍♂️

 

 

今日はたい焼きお休みでした。

あの兄弟もずいぶん歳とっちゃったからなぁ🤔

 



 

吉右衛門さんのこれらの演目、ほぼ全部観てます😄

新作歌舞伎「ファイナルファンジーⅩ」を観てきました

ずっと楽しみにしていた舞台に来ました。

新作歌舞伎ファイナルファンタジーⅩ。

TVやネットで制作の過程を見れば見るほど舞台を観たくなったんですよね。

 

 

僕の一番のご贔屓である菊之助君を応援する意味もありますが😁

 

 

交通の便が悪いのとチケットの値段設定を見てどうなんだろう?って思ってたんですが、平日にも関わらずそこそこ埋まっていました。

 

やはり若い人が多いなぁという印象。

 

歌舞伎を初めて観る人は半分くらいとやはりゲームファンが多いようです。

 

内容は事前に予習したんですけど、僕自身はファミコン時代のファイナルファンタジーはやった事はありましたがそれ以降はやってないのでこんな複雑なストーリーになってたのかってビックリでした😳

 

これは歌舞伎になりますねというか、舞台として成り立ちますね。

 

展開が早くて無駄なところがない。

サクサクとストーリーが展開し、舞台に引き込まれて行き、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

 

もう前半お終いなの?って感じでした。

 

そして松也演じるシーモアとの立ち回りは圧巻でしたよ👍

 

僕は一気に観ることは無理なのでこの続きは3週間後なんです😭

楽しみに待ってます。

 

 

それにしても米吉君はとにかく可愛い😍❤️💕

(写真は米吉君のインスタから)



花の御所始末凄く面白かったんです

今月も歌舞伎座で一部と二部を鑑賞。

新歌舞伎、義太夫物、松葉目物とバラエティにとんだ演目となっていました。

 

 

一部の「花の御所始末」がメチャクチャ面白かったんです‼︎

新歌舞伎でどうなのかな?って思ったんですがオープニングの太鼓のドドドドって音から惹きつけられました。

義教は自分が将軍になる為にまあ殺す殺す😅

そして因果が回ってくるんだけど、その後半なんてシェークスピア劇そのもの‼︎

こういう自分がのし上がる為に国を壊す事を国崩しって言うんだけど、この国崩しって役は高麗屋の家の芸らしい😱

そんな家の芸あるのか?😅😅😅

でもホントよかったです。

いい物を観せてもらいました。

 

次の「仮名手本忠臣蔵」十段目。

あんまり掛からない演目で僕も十段目って形で観たことはないんだけど、澤瀉屋さんの「四谷怪談忠臣蔵」でこの天川屋義平のくだりは観たことがあります。

 

 

だから「天川屋義平は男でござる〜」ってセリフは聞いた事があるんです。

ちなみに歌舞伎をあまり観ない方はご存知ないかもしれないんですが、忠臣蔵と四谷怪談は表と裏の関係にあるんですよね。

江戸時代はそれぞれ交互に舞台に掛かっていました。

今日が忠臣蔵なら明日は四谷怪談って具合に。

30年位前に深作欣二監督も「四谷怪談忠臣蔵」って映画撮ってましたね。

高岡早紀さんがお岩で幽霊になって赤穂浪士の討ち入りを陰ながら助けてました。

当時、歌舞伎を観ていなかった僕は「なんのこっちゃ」と思ってましたが、あれが正しい見方だったんですね。

 

今回十段目をちゃんと観て思ったのは飛ばされてもしょうがないなという事でしょうか😅

でも芝翫は良かったですよ。

だんだん貫禄がついてきましたね。

 

あとは人気演目の「身替座禅」。

本当は菊五郎さんで観たかったけど、1月で観た舞台の足の状態を見ると降板は仕方ないかな。

代わりの松緑は安定でした。

 

初めて歌舞伎を観る人は絶対に松緑の舞台を観るべきだと思います。

発声は良いし、発音はいいし。

誰かさんみたいに何言ってるかわからないって事は絶対にないので。

 

玉の井の鴈治郎さんも良かったですが、僕の中での最強の玉の井は弥十郎さんなんですよね♪



鷹之資君を観て泣きそー

歌舞伎座の2部と3部を観て来ました。

 

お目当ては2部の鷹之資君の「船弁慶」と3部の仁左衛門さんの「霊言亀山鉾」。

 

 

「船弁慶」自体は以前、勘三郎さんで観たことがありますが、今回は鷹之資君が演じるということで涙ものです😭

 

鷹之資君を初めて観たのが歌舞伎座のさよなら公演で富十郎さんと一緒に「石橋」を演じた時でした。

 

まだ小さかったのにお父さんによく鍛えられてるなぁというのが当時の感想で、あの時の舞踊は今でもよく覚えています。

 

富十郎さんが亡くなって鷹之資君どうなっちゃうんだろうと思っていたら、吉右衛門さんのところで面倒を見てもらっていて、その後吉右衛門さんと一緒に演じた「連獅子」もよく覚えています。

 

 

そして今回、富十郎さんの十三回忌追善で大曲の「船弁慶」をやると聞いてびっくりしました。

前半の静御前の静の舞と後半の知盛の亡霊の動の舞を演じ分けないといけないんですから。

 

結論から言うと素晴らしかったです‼︎

 

静御前の舞では指先まで神経の行き届いた清楚な踊り、知盛は本当に荒々しい踊りをしっかり演じ分けていました。

こんなに成長した姿を見られておじさんうれしい🥹🥹🥹

 

 

そして第三部の仁左衛門さんの「霊言亀山鉾」は数年前に国立劇場で掛かった時に見逃してしまったんですよ‼︎

凄く観たかったんですけどね。

 

今回は一世一代という事で絶対に見なければというところでした。

 

いやー、魅せますねえ。

ホント悪いやつなんですよ。

 

仇討ちの相手を汚い手を使ってどんどん返り討ちにしちゃって😱

 

でもそれがカッコいいんですよね。

仁左衛門さんってこういう役ホント似合うんですよねぇ。

 

カミナリが光り雨が降る、本水の中での立ち回りっていうか殺し合いは凄い緊張感があって瞬きするのすら忘れてしまいました。

 

やっぱりこういう演出を普通にやっちゃう歌舞伎って凄いなぁと改めて思いましたね😁

 

歌舞伎版「風の谷のナウシカ」観て来ました

歌舞伎とは、何でも飲み込んでしまう怪物のような演劇だと僕は思っていますが、今回は宮崎駿氏の名作「風の谷のナウシカ」を歌舞伎化した舞台です。

 

ナウシカが歌舞伎になるの?とお思いの方も多いかと思いますが、歌舞伎の約束事を盛り込んでちゃんと歌舞伎になっていましたよ。

 

ワンピースが歌舞伎化出来るんですから、何でも歌舞伎化出来るんです?

 

3年前に新橋演舞場で昼夜通しでナウシカの壮大な世界を描きましたが、今回は映画で描かれた前半部プラス、女性騎士クシャナの物語にスポットライトを当てた構成となっています。

 

この舞台、何が凄いって米吉君のナウシカがとにかく可愛い?

 

もうこの写真見てくださいよ‼︎

 

 

普通の歌舞伎でも米吉君は可愛いですが、このナウシカの扮装をした米吉君はホントに美少女です(^^)

 

そしてこの幕を見てもお分かりのように舞台美術が素晴らしい‼︎

 

 

衣装もセットもお金かかってるなぁという感想ですが、それがただお金を掛けているわけではなく、大切なところにしっかりと素晴らしいセットを作っているという印象です。

 

構成もとてもスピード感のある無駄の無い演出になっていましたね。

 

そして貫禄の菊之助の演技‼︎

 

 

もう大歌舞伎の夜の部のトリを堂々と務められるようになりましたね(^^)

 

ナウシカは本で全7巻の大作で映画で描かれたのは確か前半部分の2巻までだったと記憶しています。

 

前回演舞場では昼夜通して全7巻の舞台化でしたが、今回は3部構成のうちの夜の部だけなので映画部分+αではありますが、後半はずいぶんと駆け足でしたが、それでも十分楽しめました♪

 

 

 

 

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