- 2015年07月10日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 肩の症状
僕の好きな戯曲に井上ひさし氏の「頭痛肩こり樋口一葉」という戯曲があります。
僕は中学生の頃この舞台を教育テレビの「芸術劇場」で観て舞台好きになったという思い出の舞台であり井上ひさし氏の最高傑作だと今でも思っています。
一葉女史は若くして樋口家の家督を継ぐわけですが何分女手一人で家を守らなければならないため朝から晩まで働きづめ。
お裁縫や内職、その他にも本を読んだりそして机に向かって文章を書いたり・・・・・。
しかも一葉女史は肩こり症の頭痛持ち。軟膏塗って頑張るわけです。
当時僕は、「肩こりや頭痛もちの人って大変だなあ」くらいにしか思っていませんでしたが、今この仕事をしてみるとなんと一葉女史は肩のこることばかりしているかとびっくりしてしまいます。
そもそも、肩こりの原因は何なのかということです。
それは常に力を入れ肩が上がっている状態を長時間続けているということです。緊張状態にあるという言い方もできるかもしれません。
どういうことかというと、何かストレスや細かい作業などを行った時など無意識のうちに肩をすくめてしまいます。
それは誰にでも起こることで仕方がないことでもあるのですが、それを自覚できるかできないかによって肩こり症になるかどうかが決まってくると言っても過言ではありません。
針仕事などを一日していて、針先をじっと見て目が疲れた状態になり、それに集中するために肩をすくめた状態が長時間続いてしまうとそれは頭痛や肩こりになります。
現在みなさんの仕事のアイテムとして欠かせないパソコンですが、これも全く同じことが言えます。
キーボードとマウスがありますが、キーボードは両肩をすくめる状態になり、マウスは右肩を上げる状態を作ります。
嘘だと思ったらパソコンを使用している時ちょっと肩を見てみてください。肩は上がっているはずですよ。
では、予防はどうすればいいの?という話になりますが、それは肩を下げることです。と、いうのは簡単ですが今まで自覚できていないものをどのように自覚するのでしょう?
それは肩を一度思いっきり上にすくめてみることです。そして、瞬間脱力。
上にあげてストンと落とす、上にあげてストンと落とす。これを繰り返すことによって肩の正常の位置が自覚できるようになります。
そして、それをキープすることです。
ただ、やはり時間が経過すると肩はまた上がってきてしまいますので1,2時間に一度は肩を落とす動作を入れた方がいいと思います。
今回はパソコン使用時の事を例に取ってお話しましたが、肩をすくめる行為すべてに対して脱力するということが重要になってきます。
また、姿勢の問題や筋力の強弱、あとコリの蓄積度合いによっても変わってきますのでそれは別の機会にお話できればと思います。
それにしても一葉女史はそんな辛い状態で頑張って一家を支え、しかも後世にまで残る作品を書いたのですから本当にすごい事です。
あれだけお金に苦労した彼女が現在紙幣になっているというのも何とも皮肉な感じがしますが。