- 2023年12月21日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 整体の考え方
年明け2月頃から施術に高濃度酸素を取り入れたいと思っています。
こう言うと「高濃度酸素ってなに?」「どういう効果があるの?」という質問を必ず受けます。
それだけまだ酸素に対する認識は一般的ではありません。
僕が高濃度酸素を取り入れようと思った理由は、酸素と僕の行う施術と組み合わせる事によって大きな健康効果が期待出来ると考えたからです。
酸素によって疲れが取れる、疲れにくい、美肌効果があるなどとよく言われていますが、僕が本当にやりたいのはそこではなく、免疫の関係なんです。
酸素を説明する前に免疫についてわかっていないと、僕の施術と組み合わせる意味がわからないと思いますので最初に免疫について書いていきます。
僕なりに簡潔にわかりやすく書くつもりなので最後までお付き合い下さい。
🔳ストレスとは何か
近年、多くの病気の原因はストレスだと言われます。
それはわかっていてもなぜストレスが病気の原因になるのか正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。
僕に言わせると「ストレス=緊張=集中」と言えると思います。
ストレスを感じるというのは外から攻撃を受けているのと同じことです。
人類の祖先が生活をしている中で、夜道を歩いている時暗闇で猛獣が襲って来る恐怖は必ずあったでしょう。
そういう時、暗闇に目を凝らし、どこから何が出てくるかわからない状態で緊張していたとします。
この状態がストレスを感じ、緊張し、集中している状態です。
それと同じ事が現代でもストレスを感じているあなたの身体で起こっているのです。
身構えている状態ですね。
その時は身体に力が入り、血流は悪くなります。
なぜか?
襲われた時の痛みを軽減し、少しでも出血を抑える為の防御反応なんです。
それが短時間なら問題はありませんが、長時間そして長期間に及ぶと筋肉の硬直が取れなくなり、常に緊張状態になってしまいます。
これが深部からの筋肉のコリです。
🔳ストレスと自律神経の関係性
ストレスや緊張状態が続くと筋肉だけではなく自律神経にも影響を与えます。
自律神経は交感神経と副交感神経に分けられますが、前者は興奮状態、後者はリラックス状態を作ります。
ストレスや緊張を感じると交感神経が優位になり、筋肉が緊張し、血管が収縮し、脈も早くなります。
ストレスを感じた時に起こるこれらの症状は交感神経の影響なんです。
長時間パソコンをしていて、肩をすくめて肩こりが出てくるのもこれが原因です。
そして筋肉が深部から凝り固まり慢性のコリの症状が取れなくなった場合、これらの交感神経優位の状態が慢性化します。
近年、ヤクルト1000が睡眠の質向上を謳って爆発的に売り上げを伸ばしました。
その事実からも筋肉が深部から凝り固まり、交感神経優位な状態が慢性化し、睡眠の質が落ちた人がとても多い事が伺えます。
疲れていても眠れない、寝ても疲れが取れない、常にダルいなどはその典型的な症状です。
🔳自律神経の白血球支配
体温が高い方が免疫は強いと言われます。
それはなぜでしょう?
筋肉が凝り固まり血流が悪くなると手足など末端は特に冷えやすくなります。
それは体幹も同じで背中や腰、臀部や大腿部等が固まると全体的に体温が低下します。
体内温度は37度が適正とされていますが、それよりも下がってしまう可能性も高くなります。
僕の施術を受けているうちに身体がポカポカ温かくなって来たと仰る方は少なくありません。
血流が悪くなるという事はその事自体が体温を下げる事につながるのです。
血流だけが体温低下の全ての原因だとは思いませんが、原因の大部分を占めているとは思います。
また血液には栄養や酸素を運ぶ赤血球と免疫をつかさどる白血球があります。
それらが滞るわけです。
ここでは白血球に焦点を当てます。
現在わかっている事実として自律神経の白血球支配があります。
自律神経の白血球支配?
どういう事でしょう?
白血球には大きく分けて3種類あります。
マクロファージと顆粒球、そしてリンパ球です。
簡単に働き方を表すと以下の通りです。
・マクロファージ・・・体内のパトロール役
・顆粒球・・・:細菌を駆逐する役割
・リンパ球・・・ウイルスやがん細胞を駆逐する役割
自律神経の状態によってそれぞれの白血球の割合が変化するのがわかっています。
交感神経が優位な場合、リンパ球の割合が減るのです。
交感神経優位が常態化するとウイルスに感染しやすくなったり、がんになりやすくなるという事が言われます。
つまり交感神経優位な状態が続くとウイルスやがんに対する免疫が下がるという事です。
がん細胞は体内で1日に5000〜10000個発生していると言われます。
また、ウイルスに感染するには体内に入った時のウイルスの数が重要です。
少量のウイルスでは感染は起きません!
しかし、リンパ球の割合が減ればがん細胞を取り逃す可能性も高まりますし、体内に少量のウイルスが侵入した場合にもインフルエンザや風邪に感染し発症してしまいます。
体温が1%上がればリンパ球の働きが40%向上するという調査結果もあります。
体温、血流と免疫は密接に関連し合っているのです。
(がんの発病には諸説あり、いまだに正確なところはわかっていませんが、がん細胞が低酸素、低体温、高糖質を好むというのはわかっています)
🔳まとめ
ストレスや仕事による緊張が長時間、長期間続くとなぜ病気になりやすくなるのかなんとなくわかって頂けましたか?
つまりこういう事です。
長期間のストレスや緊張
↓
身体の防御反応が働き筋肉の硬直化と血流悪化
↓
交感神経優位の常態化
↓
白血球の内リンパ球の減少
↓
ウイルスやがんに対する免疫が下がる
ここまで読んで頂いたらご理解頂けると思いますが、僕の筋肉の深部からコリを取り除くという施術は直接的に肩こりや腰痛を取り除くだけではなく、自律神経のバランスを整え、免疫機能の改善にも大きな効果を発揮するという事です。
定期的に僕の施術を受けて下さっている多くの方々が「風邪をひきにくくなった」と言って下さいますがその理由はこういう事です。
血液の流れには免疫だけではなく体内の細胞に栄養を届けるという役割もあります。
ここまでのことを踏まえて次回は酸素について書いていきたいと思います。
<参考文献、参考資料>
「免疫革命」 安保徹著 講談社α文庫
「笑いと治癒力」 ノーマン・カズンズ著 岩波現代文庫
「50歳の分岐点」 和田秀樹著 大和書房
「なぜ人は病気になるのか?」 寺田武史著 クロスメデイア・パブリッシング
「ガンが消えていく生き方」 船戸宗史著 ユサブル
「ヨーガ呼吸による白血球の変動〜神経・内分泌・免疫系の相互関係」 坂本佳壽美
テルモHP