- 2026年11月04日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
この10月、私の右膝に2度にわたって急性の痛みが起こり、数日間、まともに歩けない状態になりました。
約30年間施術をしてきた私ですが、今回のような経験は初めてです。
しかも、2度目の痛みは、1度目とは少し違う形で現れました。
いったい何が起こったのか?
今回は、自分自身の体に起きたことを振り返りながら、その原因について考えてみたいと思います。
1度目は、寝ている時に突然起こりました
最初の異変は、10月上旬の夜でした。
寝ている時に右脚を動かしたところ、膝に「ピキッ」と筋違いのような感覚が走りました。
その直後から、膝が伸びなくなってしまったのです。
膝はおよそ100度くらいまでしか伸ばせず、そこでロックがかかるような状態でした。
その後、徐々に周囲の筋肉が硬直し始め、足首を少し動かしただけでも臀部まで痛みが走るほどになりました。
もちろん、まともに歩くこともできません。
急性の炎症を思わせる症状が強く出ていたため、まずはそれを落ち着かせることを最優先にしました。
なぜ、悪い左膝ではなく右膝だったのか?
以前のブログでも書いていますが、私の左膝は学生時代に柔道で繰り返したケガの影響で変形しています。
そのため、普段から左膝や周囲の筋肉については、かなり意識してケアを続けてきました。
もちろん右脚もケアしていたのですが、左脚ほどではありませんでした。
今になって考えると、ここに問題があったのだと思います。
左膝を無意識にかばうことで、右脚の筋肉に長年余計な負担がかかっていたのではないか。
体は、どこかの働きが悪くなると、別の場所がその働きを補おうとします。
そして、同じ筋肉に長期間負担がかかり続ければ、筋肉の深部にはコリが形成され、少しずつ蓄積していきます。
今回の右膝の急性症状にも、そうした長年の負担が関係していたと考えています。
1度目は、痛みの場所を特定できませんでした
この時は膝全体に痛みが広がっていたため、どこで炎症が起きているのか、はっきり特定できませんでした。
そこで、膝の痛みが出ている膝関節部分全体は無理に触らず、冷却を続けました。
一方、臀部、太もも、ふくらはぎなど、強く緊張している筋肉については、できる範囲で丁寧にコリを取り除いていきました。
翌日には何とか歩けるようになり、強い炎症を思わせる症状も数日で落ち着きました。
しかし、筋肉の硬直はかなり強く残っていました。
長年かけて蓄積してきた深部のコリが関係しているのであれば、短期間ですべてを取り除くことはできません。
これは時間をかけてケアしていかなければならないな、と考えていました。
ところが、その矢先です。
3週間後、再び右膝に激痛が!
10月下旬、今度は施術中に異変が起こりました。
私は施術の際、立ち膝の姿勢を取ることがあります。
その日も立ち膝の状態で、グッと力を加えた時のことです。
右膝に、何とも言えないおかしな反応が出ました。
1度目のように、いきなり膝がロックされたわけではありません。
時間とともに徐々に膝が伸びなくなり、やがて足をつこうとすると激痛が走るようになってしまったのです。
「えっ? またなの?」
しかも今回は、まったく予想していなかった状況で起こったのです。
今回、私が注目したのは「ホッファ脂肪体」
ここからは、今回の症状についての私なりの仮説です。
2度目の急性症状では、1度目とは明らかに違う点がありました。
それは、痛みの場所がかなり限定されていたことです。
今回は、膝のお皿の下部、特に外側に強い痛みが集中していました。
腫れやむくみも膝全体ではなく、膝蓋骨の下部に限られていました。
そこで私が注目したのが、**膝蓋下脂肪体(ホッファ脂肪体)**という組織です。
これは膝のお皿の下、膝蓋腱の奥にある脂肪組織で、膝の動きに合わせて形を変えながら、関節の動きを助ける働きをしています。
この組織は神経が豊富で、刺激や圧迫によって強い痛みを生じることがあります。
では、なぜここに問題が起きたと考えたのでしょうか?
筋肉の硬直と、立ち膝の圧力が重なった?
3週間前の急性症状から、右脚の筋肉はまだ十分に回復していませんでした。
ハムストリングスをはじめ、周囲の筋肉には強い緊張が残っていたのです。
筋肉が強く収縮した状態では、関節の動きが制限され、膝周囲に加わる力のバランスも変化します。
私は、こうした状態が膝の内部にも余計な負担をかけていたと考えています。
そこに、立ち膝の姿勢で体重をかけながら、さらに力を加えました。
つまり、
周囲の筋肉が強く緊張している状態に、立ち膝による圧迫と負荷が重なった。
その結果、膝蓋下脂肪体が刺激され、強い痛みや炎症を起こしたのではないか。
これが今回、私が考えているメカニズムです。
もちろん、画像検査などで確認したわけではありませんから、ホッファ脂肪体が原因だったと断定することはできません。
ただ、痛みの場所や腫れの出方、発症した時の姿勢を考えると、今回はこの組織が関係している可能性が高いのではないかと考えています。
なお、1度目の急性症状についても同じ組織が関係していたのかは分かりません。
急性の痛みが落ち着くと、今度は膝の裏に痛みが
その後、急激な痛みや炎症を思わせる症状は、だいぶ落ち着いてきました。
ところが今度は、膝の裏側に強く鋭い痛みが出るようになりました。
これがまた、かなり鋭い痛みなのです。
私は、この痛みには筋肉の防御的な緊張が関係していると考えています。
人間の体は、痛みやケガが起きた時、その場所を守ろうとして周囲の筋肉を強く緊張させることがあります。
今回も、膝を守るためにハムストリングスなどの防御反応が過剰に働き、膝の裏側に鋭い痛みを出しているのではないか。
実際、周囲の筋肉の張りを丁寧に取り除いていくと、痛みが出なくなります。
ただし、急性の痛みが落ち着いたからといって、筋肉の深部に残っているコリまでなくなったわけではありません。
ここからは、時間をかけたケアが必要だと考えています。
30年施術していても、初めて経験することがある
1度目の急性膝痛については、左膝をかばってきた右脚への長年の負担が関係しているのだろうと、自分なりに納得できる部分がありました。
しかし、2度目は違います。
まさか、筋肉の硬直が残っている状態で立ち膝になり、力を加えたことが、これほど強い症状につながるとは考えてもみませんでした。
約30年間施術をしてきましたが、まだまだ知らないことがあるものです。
今回の経験から改めて感じたのは、急性の痛みが落ち着いても、その背景にある筋肉の問題までは解消していないということです。
これはぎっくり腰(急性腰痛)、寝違いにも全く同じことが言えます。
そして、問題のある場所だけでなく、それをかばって働き続けている筋肉にも、もっと目を向けなければならないということです。
今後は左脚だけでなく、右脚についても同じように時間をかけてケアを続けていくつもりです。
それにしても、3週間で2度の急性膝痛とは……。
今回は本当にいい勉強になりました。
