- 2026年10月20日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 肩こり
腰痛など、肩こりとは別の症状で来院された方を施術している時のことです。
肩や首の状態も確認するために触ってみると、
「これは相当硬いな……」
と驚くことがあります。
そこで、
「肩こりはありますか?」
と聞いてみると、
「いや、肩こりは全然ないんですよ」
という答えが返ってくる。
不思議ですよね。
普通なら、これだけ筋肉が硬くなっていれば、
「肩が重い」
「肩が張って辛い」
「押されると痛い」
といった感覚があってもおかしくありません。
ところが、ご本人には肩こりの自覚がない。
しかも、硬くなっている場所を押してみても、
「痛いです」
ではなく、
「押されているのは分かります」
という程度なのです。
約30年間施術をしていると、時々こういう方に出会います。
「昔、肩こりが辛い時期はありませんでした?」
そんな時、私は一つ質問をします。
「以前、肩こりがかなり辛かった時期はありませんでしたか?」
すると、
「そういえば昔はひどかったですね」
「若い頃はいつも肩が凝っていました」
と答える方もいらっしゃいます。
つまり、最初から肩こりを感じなかったわけではありません。
以前は肩こりを感じていた。
それでも仕事や生活の中で同じ筋肉への負担が長期間続き、肩や首の深部にコリが形成され、さらに蓄積していった。
そして長い年月が経つうちに、非常に硬い状態になっているにもかかわらず、いつの間にか肩こりそのものを感じなくなっている。
私は、そういう方を施術することがあります。
肩こりを感じなくても、別の症状が出ることがあります
ここで大切なのは、
「肩こりを感じない=何の症状もない」
とは限らないことです。
本人は、
「私は肩こりではありません」
と言っている。
ところが、頭痛があったり、腕や手にしびれを感じていたりすることがあります。
私が実際に体を触ってみると、首から肩にかけて非常に強く固まっている。
そして、その首や肩の筋肉を施術していくことで、頭痛や手のしびれなどの症状にも変化がみられることがあります。
もちろん、頭痛や手のしびれにはさまざまな原因があります。
すべてが肩や首のコリから起こるわけではありません。
ただ、約30年間の施術経験では、本人には肩こりの自覚がなくても、長年蓄積した首や肩の深いコリが、頭痛や手のしびれなどの症状に関係していると考えられるケースがあります。
本人が感じている「肩こり感」だけでは、筋肉の状態は判断できないのです。
「肩こりを感じない=肩が凝っていない」ではありません
肩こりというと、
「辛いから肩が凝っている」
「辛くないから肩は凝っていない」
と考えがちです。
でも、実際に筋肉を触っていると、それほど単純ではないと感じます。
かなり硬くなっているのに、本人にはほとんど肩こりの自覚がない。
さらに押してみても、普通なら痛みを感じるような硬さなのに、
「押されている感じはします」
というだけ。
もちろん、肩こりがひどくなれば誰でも感覚がなくなるということではありません。
こういう状態まで固まっている方自体、それほど多いわけではありません。
ただ、長年施術をしていると、確かにこういう方がいらっしゃるのです。
なぜ、これほど硬いのに痛くないのでしょう?
これを単純に、
「筋肉が硬くなりすぎたから感覚がなくなった」
と医学的に断定することはできません。
ただ、私が施術をしていて感じるのは、長い間あまりにも硬い状態が続いたことで、その状態が本人にとって当たり前になってしまっているのではないかということです。
私は以前から、筋肉には「形状記憶のような性質」があると考えています。
長年硬い状態で使い続けてきた筋肉は、一度緩めても、最初のうちは元の硬い状態へ戻ろうとします。
そして今回のような方を施術していると、筋肉だけでなく、感覚の面でも硬い状態に慣れてしまっているように感じるのです。
このタイプの肩こりは、まず「感覚を戻す」ところから
ここが、一般的な肩こりの施術とは少し違うところです。
普通の肩こりであれば、硬くなったところを押すと、
「そこ痛いです」
「そこが凝っています」
とすぐに反応があります。
ところが、このタイプの方は違います。
かなり硬いところを施術しても、最初はただ、
「押されています」
という感覚しかありません。
こういう場合、私はまず感覚を戻すところから始めます。
表面の筋肉から少しずつ緩めていく。
すると施術を重ねるうちに、面白い変化が起こります。
今まで押しても何ともなかったところが、
「そこ、痛いですね」
と感じるようになってくるのです。
「痛くなった」のに、悪くなったわけではありません
普通に考えれば、
「今まで痛くなかったのに、押されると痛くなった」
と聞けば、状態が悪くなったように思うかもしれません。
でも、このタイプの方の場合、私はそうは考えていません。
むしろ、
「やっと感覚が戻ってきたな」
と考えます。
押されていることしか分からなかった筋肉に、刺激に対する感覚が戻ってくる。
そして、そこからようやく深部に長年蓄積してきたコリを少しずつ取っていく段階に入ります。
このタイプの肩こりでは、
最初から深部のコリをどんどん取ろうとするのではなく、まず感覚を取り戻すところから始める。
私はこれが大切だと考えています。
「昔は肩こりがひどかった。でも今は平気」という人へ
もちろん、昔あった肩こりが改善して、現在は肩の状態が良くなっている方もたくさんいます。
ですから、
「昔は肩こりだったけれど、今は感じない」
というだけで、肩が固まっているとは言えません。
ただ、
「昔はあんなに肩こりが辛かったのに、いつの間にか全く感じなくなった」
という方の中には、実際に触ってみると驚くほど肩や首が硬くなっている方もいらっしゃいます。
そして肩こりそのものは感じていなくても、頭痛や手のしびれなど、別の形で症状が現れていることもあります。
肩こりを感じているかどうかと、筋肉が実際にどのくらい硬くなっているかは、必ずしも一致しない。
これは、私が約30年間、多くの方を施術してきて感じていることの一つです。
「肩こりを感じないから、肩は凝っていない」
必ずしも、そうとは限らないのです。
そして、長い年月をかけて感覚が鈍くなるほど固まってしまった方の場合は、
まず感覚を取り戻すところから。
そこから、長年深部に蓄積してきたコリを少しずつ取り除いていく。
肩こりには、こういう状態もあるのです。

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