- 2026年09月29日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 肩こり肩の症状
「最近、肩がこるようになったんです。」
初めて来院された患者さんから、よく聞く言葉です。
「いつ頃からですか?」
と聞くと、
「半年くらい前からです」
「去年くらいからかな」
という答えが返ってくることがあります。
でも、実際に肩や首を触ってみると、
「これは半年でできた硬さではないな」
と感じることが少なくありません。
私は約30年間、多くの肩こりの患者さんを施術してきましたが、慢性的な肩こりは、肩こりを自覚した時に突然始まったものではないと考えています。
症状を感じるずっと前から、筋肉への負担は始まっているのです。
若い頃は、同じことをしても平気だった
40代、50代の患者さんから、
「昔からデスクワークなのに、若い頃は肩なんてこらなかったんですよ」
と言われることがあります。
確かに仕事は同じです。
同じようにパソコンを使い、同じように机に向かっている。
それなのに、なぜ若い頃は平気だったのでしょうか?
私はここに、コリの蓄積が大きく関係していると考えています。
若い頃も肩の筋肉には負担がかかっています。
ただ、その頃はまだ筋肉に余裕があるため、一日の仕事で疲れても、休んだり一晩眠ったりすることで楽になる。
ところが、その生活が何年、何十年と続けば話は変わってきます。
コリはある日突然できるものではありません
パソコン作業。
スマートフォン。
家事。
車の運転。
細かい手作業。
仕事中の緊張。
こうしたことで同じ筋肉に負担がかかり続け、その状態が長期間続けば、首や肩の筋肉の深部には少しずつコリが形成され、それが年単位で蓄積していきます。
最初のうちは、それでも日常生活に支障はありません。
本人も、
「自分は肩こりではない」
と思っているかもしれません。
ところが、筋肉の深部では少しずつコリが蓄積し、以前ほど余裕がなくなっていきます。
私はこれを、筋肉の許容範囲が少しずつ小さくなっていく状態だと考えています。
「肩こりを感じた日」は、始まった日ではありません
例えば、コップに少しずつ水を入れていくところを想像してみてください。
最初のうちは、まだまだ入ります。
半分になっても、外から見れば何も起こりません。
でも、水を入れ続ければ、いつか縁までいっぱいになります。
そして最後の一滴で、水があふれます。
肩こりも、私はこれに近いと考えています。
何年もかけて筋肉の深部にコリが蓄積していても、まだ筋肉に余裕がある間は、それほど症状を感じない。
しかし、さらに負担が重なって筋肉の許容範囲を超えると、
「最近、肩が重いな」
「朝起きても肩がこっている」
「以前より疲れが取れなくなった」
と感じるようになります。
つまり、症状を自覚したのは最近でも、肩への負担はずっと前から続いていたということです。
「何もしていないのに肩がこる」わけではありません
患者さんから、
「最近は何もしていないのに肩がこるんです」
と言われることもあります。
でも、これも不思議なことではありません。
若い頃は筋肉に余裕があったので、多少負担をかけても症状が出なかった。
ところが、長年かけて深部にコリが蓄積すると、筋肉に残された余裕が少なくなります。
すると以前なら何ともなかった程度のパソコン作業や家事でも、肩こりを感じやすくなります。
負担が急に大きくなったのではなく、負担を受け止める筋肉の余裕が少なくなっている。
私は慢性的な肩こりを見る時、この考え方をとても大切にしています。
一度楽になっても、なぜまた肩がこるのでしょう?
何年、何十年とかけて深部に蓄積したコリは、一度の施術ですべて取り除けるものではありません。
最初の施術では、まず表面の筋肉が緩みます。
そのため、
「肩が軽くなった」
「こんなに楽になった」
と感じても、深部にはまだ長年蓄積したコリが残っています。
そして、また肩はこってきます。
私は、長期間硬くなっていた筋肉には、形状記憶のような性質があると考えています。
何年も硬い状態が続いていると、筋肉にとってはその硬さが「いつもの状態」のようになっているため、一度緩んでも再び硬い状態へ戻ろうとします。
だから、最初から「一度施術を受ければ、ずっと楽な状態が続く」と考えるのではなく、どのくらい楽な状態が続いたのかを見ることが大切です。
最初は2〜3日でもいい状態が続けば、それでも十分だと私は考えています。
大切なのは「何年前から痛いか」だけではありません
ここでもう一つ、とても大切なことがあります。
それは、
「筋肉が硬くなってから、どれくらいの年月が経っているのか」
ということです。
約30年間施術をしていると、同じように肩が硬い方でも、20代や30代前半の方は比較的コリが取れやすく、一度緩んだ筋肉も戻りにくい傾向を感じます。
一方、長い年月にわたって筋肉が硬い状態で過ごしてきた方ほど、深部のコリは取れづらく、一度緩んでも元の硬い状態へ戻りやすくなります。
つまり私は、単純に、
「年齢が高いから改善しにくい」
と考えているわけではありません。
重要なのは、
「その筋肉を硬い状態のまま、何年間使い続けてきたのか」
ということです。
肩こりを感じ始めたのは2年前でも、その肩の筋肉が硬くなり始めたのは、もっとずっと前かもしれません。
だから私は、現在の肩の硬さだけでなく、そこまでに積み重なった年月も大切だと考えています。
楽な状態が続く期間が少しずつ延びていく
最初は施術をしても、2〜3日するとまた肩がこってくる。
でも、施術を重ねながら表面から少しずつ緩め、さらに深部に蓄積したコリを取り除いていくと、楽な状態が続く期間も少しずつ長くなっていきます。
2〜3日だったものが1週間になり、さらに2週間、3週間と延びていく。
私は、この**「楽な状態がどれくらい続くようになったか」**も、筋肉の状態を見るうえで大切にしています。
一度施術を受けたあと、
「また少しこってきたから、元に戻ってしまった」
ではなく、
「以前より楽な状態が長く続いたか」
を見るということです。
長い年月をかけて硬くなった筋肉だからこそ、少しずつ深部のコリを取り除きながら、楽な状態を体に覚えさせていく。
私はそれが、慢性的な肩こりを改善していくうえで大切だと考えています。
肩こりは「今日できたコリ」ではありません
肩こりは、肩が痛くなった日から始まったわけではありません。
「最近、急に肩がこるようになった」
そう感じている方も、そのずっと前から筋肉への負担は続いていたのかもしれません。
そして、長い時間をかけて作られたコリほど、改善にも時間が必要になります。
約30年間、多くの肩こりの患者さんを施術してきて、私は今感じている症状だけではなく、
「その筋肉に何年間負担をかけ、何年間硬い状態で過ごしてきたのか」
を見ることが、とても大切だと考えています。

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