- 2015年07月15日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 背中・腰の症状腰痛
以前、テレビで「慢性腰痛は脳の影響が大きい」という内容の特集が放送されました。
腰痛で悩んでいる方の中には、ご覧になった方もいるかもしれません。
実は私は、その番組を見ながら少し違和感を覚えました。
もちろん、番組の内容を否定したいわけではありません。
痛みは筋肉や関節だけではなく、脳の働きや心理的な要因が影響することも現在ではよく知られています。
私自身も、その考え方は決して否定していません。
しかし、30年間施術を続けてきた経験からすると、慢性腰痛のすべてを「脳の錯覚」だけで説明するのは少し難しいのではないかと感じています。
私が大切にしているのは「筋肉」という視点です
私の施術はトリガーポイントの考え方をベースにしています。
例えば足のしびれがある方でも、お尻の筋肉を押すことで脚に痛みが広がり、その筋肉が緩んでくると、普段感じていたしびれまで軽くなることがあります。
このような現象は、30年間の臨床の中で何度も経験してきました。
神経だけでは説明しきれない痛みがあることは、私自身も実感しています。
そのため、脳が痛みに関わるという考え方にも一定の理解があります。
ただ、それだけでは説明できない患者さんも多くいます
一方で、私が施術してきた患者さんの中には、ぎっくり腰を経験したことがないにもかかわらず慢性腰痛になった方も数多くいます。
逆に、ぎっくり腰を経験しても慢性化せずに改善する方もいます。
このような方々を見ていると、
慢性腰痛には一つではなく、いくつもの原因が重なっている
ように感じます。
私が臨床でよく感じること
長時間のデスクワークや同じ姿勢などによって、腰の筋肉に負担がかかり続ける。
その状態が長期間続けば、腰の筋肉の深部にはコリが形成され、それが少しずつ蓄積していきます。
私は約30年間の施術経験から、こうして長年蓄積した筋肉のコリが、慢性腰痛に大きく関係している方を数多く診てきました。
もちろん画像検査だけでは分からないこともありますし、逆に画像で異常があっても痛みがない方もいます。
だからこそ私は、
筋肉の状態も重要な判断材料の一つ
だと考えています。
運動は誰にでも同じではありません
最近は運動療法が推奨されることも多くなっています。
私も運動そのものを否定しているわけではありません。
ただし、長年の負担によって腰の深部にコリが蓄積し、筋肉に余裕がなくなっている状態で無理に運動を始めると、かえって症状が悪化してしまう方も実際にいらっしゃいます。
そのため、運動を始めるタイミングや内容は、一人ひとり違ってよいと私は考えています。
大切なのは、単純に「運動をするか、しないか」ではなく、今の筋肉がどのような状態なのかを見ながら、どのタイミングで運動を始めるのかを考えることです。
手術だけが選択肢ではない時代になったことは良い変化です
テレビでは、
「ヘルニアでも自然に改善することがある」
という内容も紹介されていました。
これは私も患者さんへ以前からお伝えしてきたことです。
必要以上に不安にならず、まず保存療法を検討するという流れが広がってきたことは、とても良い変化だと思っています。
まとめ
痛みには、脳の影響もあります。
心理的な要因もあります。
もちろん筋肉もあります。
私は30年間、多くの患者さんを施術してきた中で、
慢性腰痛は一つの理論だけでは説明できない
と感じています。
そして筋肉について考える時には、その時だけの硬さを見るのではなく、長期間の負担によって深部に形成され、少しずつ蓄積してきたコリにも目を向けることが大切だと考えています。
だから私は、
「脳か筋肉か」
ではなく、
どちらの可能性も考えながら、その方に合った施術を行うこと
を大切にしています。

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