目からうろこの整体コラム

昔のケガは、本当に治っているのでしょうか? ~筋肉が代わりに働き続けるという考え方~

「昔ケガをしたところが、最近また痛くなってきたんです。」

患者さんから、このようなお話を伺うことがあります。

足首の捻挫。

肩の腱板損傷。

膝の靱帯損傷。

当時は痛みがありましたが、しばらくすると日常生活に支障がなくなり、「もう治った」と思われる方がほとんどです。

しかし私は、約30年間の施術経験から、そうではないケースを数多く見てきました。

今回は、私が施術の中で大切にしている考え方についてお話しします。

 


痛みがなくなれば「治った」のでしょうか?

もちろん、ケガをすると体は修復しようと働きます。

炎症がおさまり、痛みがなくなれば、日常生活も送れるようになります。

しかし私は、「痛みがなくなること」と「元どおりに働いていること」は、必ずしも同じではないと考えています。

ここが、私の施術の出発点です。

 


足りない働きを筋肉が補う

人の体には、靱帯や腱など、それぞれ役割を持った組織があります。

その働きが十分ではなくなると、体はそのままにはしておきません。

周囲の筋肉が代わりに働き、動きを補おうとします。

最初のうちは問題ありません。

だから、多くの方は「治った」と感じます。

しかし、その筋肉は本来以上の仕事を続けることになります。

 


その負担は何年も積み重なります

筋肉は頑張り屋です。

一日や一週間では音を上げません。

しかし、何年、何十年と代わりに働き続けると、少しずつ疲労が蓄積していきます。

筋肉が硬くなり、柔軟性を失うことで、

  • 動かしにくい
  • 疲れやすい
  • コリが取れない
  • 痛みが出る

といった症状につながることがあります。

 


足首も肩も膝も、私は同じように考えています

例えば足首の捻挫では、靱帯の働きを補うために、前脛骨筋へ負担がかかるケースがあります。

その状態が長く続くと、

つまずきやすくなったり、足の甲に関連痛が出たりすることがあります。

また、肩の腱板を傷めた方では、周囲の筋肉が代わりに腕を動かそうとすることで、肩や腕の筋肉が硬くなり、痛みにつながることがあります。

膝でも同じです。

靱帯や半月板などが十分に働けなくなると、その不足を筋肉が補い続けます。

私は、このような「代わりに働き続けている筋肉」を探しながら施術を行っています。

 


私自身も経験しています

実は私自身も、若い頃に前十字靱帯を損傷しています。

その後も普通に生活し、仕事も続けてきました。

しかし数十年という年月の中で、膝には少しずつ変化が現れてきました。

この経験もあり、私は「傷んだ組織を筋肉が補い続けることで、長い年月をかけて体に負担が積み重なることがある」と考えるようになりました。

 


だから私は筋肉を重視しています

「なぜ筋肉ばかり施術するのですか?」

そう聞かれることがあります。

その答えは、とてもシンプルです。

私は、痛みが出ている場所だけを見るのではなく、

どこの筋肉が何年も代わりに働き続けているのか。

そこを考えながら施術しているからです。

筋肉への負担が減れば、体は本来の動きを取り戻しやすくなります。

それが、私が約30年間変わらず大切にしてきた考え方です。

 


まとめ

昔のケガは、痛みがなくなれば終わりとは限りません。

傷んだ組織の働きを筋肉が補い続けることで、その負担が何年、何十年後に症状として現れることがあります。

だから私は、今痛い場所だけではなく、「長年頑張り続けている筋肉」を見つけることを大切にしています。

それが、約30年間の施術経験の中で私がたどり着いた、体を見る一つの考え方です。

 

 

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