- 2016年06月02日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
＜にこにこ日記セレクション3＞
春の日差しが差し込み清々しい日、娘が熱を出し朝から寝込んでいる。
熱といっても子供の熱で元気は元気なのだが、どうも薬が効いているらしく先程から眠り込んでいる。
妻は、買い物に出かけかれこれ二時間が過ぎようとしている。
今日は祝日なので、僕も家の仕事のノルマをこなした。
共働きの宿命としてこれはどうしてもついてまわる。
部屋の片付けをし、ハンカチ６枚、妻の仕事用ブラウス３枚のアイロンがけと、いうところだ。
今日の僕の仕事は夕食の支度を残すだけである。
ガチャガチャ
ドアが開く。妻が帰ってきた。
「今日、良いもの買ってきちゃった。あたしがやるからあなたテレビ見てていいわよ。」
その時僕は勘三郎さんの襲名披露公演を見ており、その言葉に甘えることにした。
妻は何かを持って洗面台に行った。
それから３０分くらい経っただろうか。
洗面台から、カタン、カタンという音がし、
「また、落ちた」
「もう、やになっちゃう！」
という、声が聞こえてくる。
行って様子を見ようかとも思ってが、巻き込まれる可能性が高いので、知らないふりをしていた。
「ねえ、ちょっと手伝って！」
そら来た！必ずこうなるのである。
「なにやってるの？」
「花模様のタイルが売っていたから洗面台の周りをこれで飾ろうと思って。」
「？」
「接着剤つけてもすぐに落ちちゃうの！」
先程からのカタン、カタンというのはこのタイルの落ちる音だったのである。
「この接着剤速効性あるの？」
カタン！
「そう書いてあるよ」
カタン！
「つけた先から落ちてるよ」
カタン！
「そうなのよ。全然着かないの。やって！」
カタン！！
つ、ついに恐れていた一言が妻の口から発せられた。
カタン・・・・カタン。
次から次へと落ちてくる。
「これテープで仮止めしたら？」
「じゃあ、やって！」
いつも最後はこうなのである。
１時間半後僕はやっと自由の身になれた。
夕食の支度を除いては・・・。
この投稿は2005年5月僕の書いたブログ「にこにこ日記」で投稿したものを再録したものです。
