- 2021年10月13日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 坐骨神経痛整体の考え方
「いつも片側のお尻だけが張る。」
「腰痛がいつも同じ側に出る。」
「坐骨神経痛のような症状が片側ばかりに出る。」
このような方を施術していると、私は筋肉の硬さだけでなく、普段どちらの足に体重をかけているのかも確認するようにしています。
なぜなら約30年間、多くの患者さんを施術してきた中で、昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、片側のお尻や腰への負担がより強くなり、症状につながりやすい傾向があると感じているからです。
ただし、軸足が変われば必ず症状が出るという意味ではありません。
まずは、そもそも人の体が左右均等ではないというところからお話ししたいと思います。
人の体は、もともと左右同じではありません
私たちの体には、
- 利き手
- 利き足
- 軸足
があり、左右で役割が違います。
そのため私は、左右の筋肉がまったく同じ状態であることが理想だとは考えていません。
例えば、右足でボールを蹴る方を考えてみましょう。
ボールを蹴るのは右足。
その時、体を支えているのは左足です。
この場合、
右足=動作をする利き足
左足=体を支える軸足
という役割になります。
普段何気なく立っている時にも、左足へ体重を乗せることが多ければ、当然、左のお尻や太ももの筋肉には右側よりも負担がかかります。
実際に施術をしていても、右足が利き足で左足が軸足の方では、左のお尻の筋肉の方が右より固くなっているケースを非常によく見ます。
これは必ずしも異常なことではありません。
左右の筋肉が同じように使われているわけではない以上、コリの蓄積にも左右差があるのは自然なことだと私は考えています。
軸足側が固いからといって、必ず症状が出るわけではありません
体を支える軸足側には、毎日の生活の中で負担がかかり続けます。
その負担が長期間続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。
そのため、軸足側のお尻を触るとかなり固くなっている方は珍しくありません。
しかし、固いからといって必ず痛みやしびれが出るわけではありません。
かなりコリが蓄積していても、本人にはほとんど自覚症状がない方もいらっしゃいます。
もちろん反対に、通常の軸足側に腰痛やお尻の痛み、坐骨神経痛のような症状が出る方もいらっしゃいます。
つまり、
「軸足だから症状が出る」
あるいは、
「軸足だから症状が出ない」
と単純に決められるものではありません。
ただ私は、長年施術をしてきた中で、少し気になる傾向を感じるようになりました。
それが、昔のケガなどによって軸足が変わっている方です。
昔のケガをきっかけに軸足が変わることがあります
例えば、本来左足が軸足だった方が、左足首を強く捻挫したとします。
痛みがある間は、当然その足へ体重をかけたくありません。
そこで無意識に右足へ体重を逃がして生活するようになります。
これは傷めた場所を守るための自然な反応です。
やがて捻挫そのものが治り、普通に歩けるようになります。
ところが、ケガをしていた時に身についた体重のかけ方だけが、その後も残ってしまう方がいらっしゃいます。
すると、本来左足が担っていた「体を支える役割」を、右足が担うようになります。
私は、このような状態を施術の中で何度も見てきました。
利き足が軸足の仕事までするようになります
ここが、私が重要だと考えているところです。
もともと右足が利き足だったとします。
右足は本来、歩いたり、蹴ったり、さまざまな動作をする側です。
ところが左足のケガなどをきっかけに軸足が右へ移ると、
利き足として動く役割
に加えて、
軸足として体を支える役割
まで右足が担うようになります。
すると右側のお尻や太もも、腰の筋肉には、それまで以上の負担がかかるようになります。
そして、その状態が何年も続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで強く固まっていきます。
私は、こうして本来とは違う体の使い方が長期間続いている方では、通常の軸足の状態よりも筋肉への負担が大きくなり、症状につながりやすい傾向があると考えています。
腰痛や坐骨神経痛のような症状につながることもあります
私の施術経験では、軸足が変わっている方に、
- 片側のお尻の強い張り
- 腰痛
- お尻から脚にかけての痛み
- 坐骨神経痛のような症状
が見られることがあります。
もちろん、軸足が変わった人すべてに、このような症状が出るわけではありません。
また、軸足が変わっていなくても、通常の軸足側に症状が出る方もいらっしゃいます。
坐骨神経痛にも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、さまざまな原因があります。
ですから私は、
「坐骨神経痛の原因は軸足です」
と考えているわけではありません。
ただ、約30年間多くの患者さんを施術してきた中で、昔のケガなどによって軸足が変わり、片側の筋肉へ通常以上の負担が長期間かかっていることが、症状を出しやすくする要因の一つになっているケースがあると考えています。
だから私は「昔のケガ」を聞きます
腰痛や坐骨神経痛で来院された方に、
「昔、足首を捻挫したことはありませんか?」
「膝の靱帯を傷めたことはありませんか?」
「足を骨折したことはありませんか?」
と、一見すると現在の症状とは関係なさそうなことまでお聞きすることがあります。
それは、今痛い場所だけを見ていては、なぜその側の筋肉にこれほど負担がかかっているのか分からないことがあるからです。
昔のケガをかばう。
↓
体重のかけ方が変わる。
↓
軸足が変わる。
↓
片側の筋肉への負担が増える。
↓
その状態が何年も続き、深部までコリが蓄積する。
私は、このような流れが隠れていないかを確認しています。
体重のかけ方だけを無理に直せばいいわけではありません
では、
「右に体重をかけているなら、今日から左にかければいい。」
ということなのでしょうか。
私は、そんなに単純ではないと考えています。
何年、何十年と同じ体の使い方を続けていれば、それに合わせて筋肉にもコリが蓄積し、深部まで固まっています。
その状態のまま、
「反対側に体重をかけましょう。」
と意識だけで変えようとしても、体にとってはかえって不自然で疲れることがあります。
だから私はまず、長年負担を受け続けてきた筋肉の深部のコリを少しずつ取り除き、自然に体重移動をしやすい状態へ戻していくことを大切にしています。
そのうえで、必要に応じて普段の立ち方や体の使い方にも目を向けていきます。
まずはご自身の立ち方を確認してみてください
一度、何も意識せずに立ってみてください。
どちらの足に体重が多く乗っているでしょうか?
そして、
「利き足はどちらか?」
「昔、大きなケガをした足はどちらか?」
「いつも痛くなるのはどちら側か?」
も思い出してみてください。
昔のケガと現在の体重のかけ方を比べてみると、意外なつながりが見つかるかもしれません。
まとめ
人の体は、もともと左右均等に使われているわけではありません。
利き足と軸足にはそれぞれ役割があり、通常でも軸足側の筋肉には負担がかかり、反対側よりコリが蓄積していることが多くあります。
それ自体を私は異常だとは考えていません。
もちろん、その通常の軸足側に腰痛や坐骨神経痛のような症状が出る方もいらっしゃいます。
ただ私は約30年間の施術経験から、昔のケガなどをきっかけに軸足が反対側へ変わった方では、その側の筋肉への負担がさらに大きくなり、症状につながりやすい傾向があると感じています。
だから私は、現在痛い場所だけではなく、
昔のケガ、利き足と軸足、普段の重心のかけ方、そして左右の筋肉の状態
まで確認しながら施術を行っています。
「なぜか、いつも同じ側だけ痛くなる。」
そんな方は、今痛い場所だけでなく、昔のケガをきっかけに体の使い方が変わっていないかという視点から、一度ご自身の体を見てみてください。

関連記事
腰痛や体の使い方についてもっと知りたい方はこちら
📌「整体やマッサージに行っても、すぐに元へ戻ってしまうのはなぜ?」
腰痛が慢性化する仕組みや、当院の施術についてさらに詳しく知りたい方は、ホームページの「腰痛」ページもぜひご覧ください。
