- 2021年09月10日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 肩こり肩の症状頭・首の症状
最近、「ストレートネックを改善しましょう」という言葉を、テレビやインターネットでよく見かけるようになりました。
以前は、ストレートネックは治らないものとして説明されることが多かったように思います。
それなのに、最近は「改善できる」と言われる。
これは、どういうことなのでしょうか。
私は約30年間、患者さんの首や肩を見てきた経験から、ストレートネックと呼ばれている状態を、次の二つに分けて考えています。
- 先天的なストレートネック
- 仮性ストレートネック
これは医学的な正式名称ではなく、患者さんへ分かりやすく説明するために、私が使っている言葉です。
本来、背骨には緩やかなカーブがあります
人間の背骨は、横から見ると緩やかなS字を描いています。
これを生理的湾曲と呼びます。
首、背中、腰にそれぞれカーブがあることで、頭や上半身の重さを分散し、体への負担を和らげています。
ただし、背骨のカーブには個人差があります。
首の骨である頚椎のカーブがもともと緩く、横から見た時にまっすぐに近い方もいます。
私は、このように生まれつき、あるいは体の構造として首のカーブが少ないタイプを、先天的なストレートネックと呼んでいます。
この場合、首の形そのものを無理に変えようとする必要はないと考えています。
首のカーブが少ないからといって、必ず肩こりや首の痛みが出るわけでもありません。
大切なのは首の形だけを見るのではなく、実際に症状があるか、頭をどの位置で支えているか、周囲の筋肉がどの程度固まっているかを見ることです。
仮性ストレートネックとは?
一方、もともとの骨格ではなく、日常生活での姿勢や筋肉のコリによって、頭が前へ出ている方もいます。
私はこの状態を、仮性ストレートネックと呼んでいます。
現代は、
- スマートフォンを見る
- ノートパソコンを使う
- デスクトップの画面をのぞき込む
- 長時間うつむいて作業する
といった生活が増えています。
下を向いたり、顎を前へ突き出した姿勢を毎日何時間も続け、それを何年も繰り返していると、首だけでなく肩や背中の筋肉にも負担がかかり続けます。
そして、長期間にわたって同じ負担が続くことで、首・肩・背中の筋肉には深部までコリが形成され、蓄積していきます。
筋肉は骨に付着しています。
その筋肉が強くこわばり、縮んだ状態が続けば、頭や首、背中の位置にも影響します。
その結果、
- 頭が前へ出る
- 顎が突き出る
- 背中が丸くなる
- 肩が前へ入る
- 首のカーブが少なく見える
という状態になっていきます。
これが、私の考える仮性ストレートネックです。
頭を前へ出した姿勢が固定されていきます
最初のうちは、仕事やスマートフォンを見ている時だけ頭が前へ出ていたのかもしれません。
しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なることで、首・肩・背中の筋肉には深部までコリが蓄積していきます。
すると、パソコンやスマートフォンを使っていない時でも、頭が前へ出た姿勢が残るようになります。
本人は自然に立っているつもりでも、横から見ると肩よりもかなり前に頭が出ていることがあります。
頭は重いため、その位置が前へ出るほど、首や肩の筋肉は強い力で支え続けなければなりません。
その結果、
- 首こり
- 肩こり
- 背中の張り
- 頭痛
- 眼精疲労
- 首の動かしにくさ
などにつながることがあります。
姿勢を意識するだけでは戻ってしまいます
頭が前へ出ていることに気づくと、多くの方は、
「姿勢を良くしよう」
「胸を張ろう」
「顎を引こう」
と努力します。
もちろん、姿勢を意識することは大切です。
ただし、すでに首・肩・背中の筋肉に深部までコリが蓄積していると、意識だけで良い姿勢を保つのは難しくなります。
無理に胸を張ったり顎を引いたりしても、すぐに疲れて元の姿勢へ戻ってしまいます。
私はこれは、固まった筋肉が骨格を引っ張り、長年続けてきた姿勢へ体を戻そうとするためだと考えています。
ですから、姿勢を直してもすぐに戻ってしまう方ほど、姿勢だけを意識するのではなく、まず筋肉の状態を整えることが大切です。
改善できるのは「仮性」の部分です
先天的なストレートネックは、もともとの骨格的な特徴です。
一方、仮性ストレートネックは、長年の姿勢による負担と、それによって蓄積した筋肉のコリが大きく関係していると私は考えています。
そのため、首・肩・背中の深部に蓄積したコリを少しずつ取り除いていくことで、筋肉が骨格を引っ張る力も弱くなっていきます。
すると、無理に胸を張ったり顎を引いたりしなくても、自然に頭を肩の上へ戻しやすい状態になっていきます。
私は、「ストレートネックを改善する」ということは、首の骨を無理に曲げることではなく、
頭が前へ出た状態をつくっている筋肉のコリを減らし、自然な姿勢を取りやすい体へ戻していくこと
だと考えています。
背骨の形だけに振り回されないでください
ストレートネックと言われると、
「首の骨が変形してしまった」
「もう元には戻らない」
「将来もっと悪くなるのではないか」
と不安になる方もいます。
しかし、首のカーブが少ないことだけで、症状のすべてが決まるわけではありません。
私が重要だと考えているのは、
- 頭がどの位置にあるか
- 首・肩・背中の筋肉がどの程度固まっているか
- 自然に姿勢を保てるか
- 首や肩に実際の症状があるか
という点です。
先天的なストレートネックそのものを無理に変えようとするのではなく、長年の負担によって深部に蓄積したコリを減らし、自然な姿勢を取りやすい状態へ戻していく。
私はその方が大切だと考えています。
知らないうちに、肩よりも頭が前へ出ていないでしょうか。
鏡を横から見たり、ご家族に姿勢を確認してもらったりして、一度ご自身の頭の位置を確認してみてください。

肩こりについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
関連記事
首こり・肩こりや姿勢についてもっと知りたい方はこちら
📌「肩こりがなかなか改善しない理由。コリは少しずつ蓄積します」
首こりや肩こりが慢性化する仕組みや、当院の施術についてさらに詳しく知りたい方は、ホームページの「肩こり」ページもぜひご覧ください。
