- 2017年02月16日
- くすのきカイロプラクティックオフィス
- 坐骨神経痛整体の考え方膝・足の症状
整体院などで、
「骨盤が歪んでいますね」
「左右の足の長さが違いますね」
と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
私の整体院に通われている方はご存じだと思いますが、私は骨盤の位置だけを見て、それを無理に左右対称にするような施術は行っていません。
それよりも大切にしているのが、骨盤を支えている筋肉がどのような状態になっているのかを見ることです。
そして、もう一つ確認していることがあります。
それが、
「普段、どちらの足で体を支えているのか」
です。
人間には「利き足」と「軸足」があります
右利き、左利きというように、人間には利き手があります。
足にも左右で役割の違いがあります。
例えば、ボールを蹴る時には、一方の足で体を支え、反対側の足を動かします。
この時、
動かす側が利き足、体を支える側が軸足
と考えると分かりやすいでしょう。
何気なく立っている時にも、左右均等に体重をかけているとは限りません。
片方の足へ体重を乗せ、反対側の足を楽にしていることがあります。
つまり、私たちの体は普段から左右をまったく同じように使っているわけではありません。
左右それぞれに違った役割があるのです。
左右の筋肉の硬さが違うのは不思議ではありません
軸足は、立っている時や動作をする時に体を支える役割を担います。
そのため私は、施術をしていると、軸足側の臀部の筋肉が反対側より硬くなっている方をよく見ます。
これはそれほど不思議なことではありません。
左右で役割が違えば、使われ方も違います。
使われ方が違えば、筋肉への負担も左右で同じにはなりません。
そして同じ筋肉へ負担が長期間かかり続ければ、その深部にはコリが形成され、蓄積していきます。
ですから私は、
「左右の筋肉の硬さが違う=体が異常に歪んでいる」
とは考えていません。
左右差があること自体は、人間の体にとって自然なことです。
私が「骨盤の歪み」だけを見ない理由
骨盤の左右差を見ると、
「骨盤が歪んでいるから筋肉がおかしくなった」
と考えたくなるかもしれません。
しかし私は、逆の見方も必要だと考えています。
骨盤の周囲には、臀部をはじめ多くの筋肉があります。
そうした筋肉の緊張に左右差があれば、骨盤の位置や姿勢にも影響します。
つまり、
骨盤の位置が違う
↓
だから骨盤だけを元に戻す
という単純な話ではありません。
なぜその位置になっているのか。
左右の筋肉はどうなっているのか。
普段どちらの足へ体重をかけているのか。
私は、こちらを見ることの方が大切だと考えています。
左右の足の長さが違って見える場合も同じです。
それだけを見て「骨盤が歪んでいる」と判断するのではなく、筋肉の緊張や姿勢、体重のかけ方なども含めて考える必要があります。
私が特に気にしているのは「軸足が変わっている人」です
ここからが、私が約30年間患者さんを見てきて興味深いと感じているところです。
例えば、もともと左足を軸足として使っていた人が、左足首をひどく捻挫したとします。
痛みがあるため、無意識に左足をかばいます。
すると、それまで右足が「動かす足」、左足が「支える足」だったものが、右足でも体を支えるようになります。
ケガそのものが治った後も、この体の使い方が残る方がいます。
すると右足は、
「動かす」という本来の役割に加えて、「支える」という役割まで担う
ことになります。
私は、このように昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、新しく軸足になった側の臀部や腰へ、通常以上の負担が集中していることがあると感じています。
普通の軸足のコリと何が違うのでしょう?
ここは少し分かりにくいところなので、分けて考えてみましょう。
もともとの軸足でも、体を支えているのですから臀部の筋肉には負担がかかります。
ですから、
軸足側の臀部が硬いこと自体は珍しいことではありません。
もちろん、その通常の軸足側に腰痛や臀部痛などの症状が出る方もいます。
一方、昔のケガなどをきっかけに軸足が反対側へ変わると、それまでとは違った負担のかかり方になります。
本来よく動かしていた側が、今度は体を支える仕事まで担う。
その状態が長期間続けば、臀部や腰の筋肉にはさらに強い負担が蓄積していきます。
私が問題だと考えているのは、単純に**「左右差があること」ではなく、「本来の役割分担が変わり、一方へ通常以上の負担が集中していること」**なのです。
昔のケガと、現在の腰痛や臀部痛がつながっていることもあります
患者さんに、
「昔、足首や膝を大きくケガしたことはありませんか?」
と聞くと、
「そういえば20年前に右足首をひどく捻挫しました」
「学生時代に左膝の靱帯を傷めました」
といった話が出てくることがあります。
患者さん自身は、
「そんな昔のケガが今と関係あるんですか?」
と驚かれることがあります。
ケガそのものは、とっくに治っているかもしれません。
しかし、ケガをかばったことで体重のかけ方が変わり、その後も同じ使い方を何年、何十年と続けていれば、筋肉への負担は積み重なっていきます。
その結果、片側の臀部や腰の深部に強いコリが蓄積している方がいます。
そして、そこにできたトリガーポイントなどが、臀部痛や脚への関連痛を出しているケースもあります。
私は約30年間の施術経験から、昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、片側の臀部や腰への負担がより強くなり、腰痛や坐骨神経痛のような症状につながりやすい傾向があると感じています。
もちろん、坐骨神経痛には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などを含め、さまざまな原因があります。
ですから、すべての坐骨神経痛を軸足だけで説明することはできません。
骨盤だけを見るのではなく、「なぜそうなったのか」を見る
私は骨盤の左右差そのものを否定しているわけではありません。
大切なのは、左右差を見つけて、
「歪んでいるから戻しましょう」
で終わらせないことです。
なぜ左右差があるのか。
どちらが軸足なのか。
左右の臀部の筋肉はどう違うのか。
昔、足首や膝をケガしていないか。
立っている時、どちらへ体重をかけているのか。
そして、その状態が何年続いているのか。
こうしたことを一つずつ見ていくと、現在の腰痛や臀部のコリにつながる理由が見えてくることがあります。
人間の体は、もともと完全な左右対称ではありません。
だから私は、左右差を無理にゼロにすることを目標にはしていません。
それよりも、
「なぜ今、この筋肉にこれほど負担がかかっているのか」
を考え、深部に蓄積したコリを少しずつ取り除いていく。
それが、骨盤周辺を見る時にも私が大切にしている考え方です。

関連記事
坐骨神経痛やお尻の筋肉についてもっと知りたい方はこちら
📌「いつも同じ側が痛い…その原因は「軸足」が変わっているからかもしれません」
坐骨神経痛が起こる仕組みや、当院の施術についてさらに詳しく知りたい方は、ホームページの「坐骨神経痛」ページもぜひご覧ください。
