目からうろこの整体コラム

運動不足が続くと、体はどう変わるのでしょうか?

「最近、階段を上るのがつらくなった…」

「少し歩いただけで疲れてしまう。」

「以前より肩こりや腰痛がひどくなった気がする。」

このような変化を感じている方はいませんか?

「年齢のせいだから仕方ない。」

と思ってしまいがちですが、その背景には筋肉量や筋力の低下が関係していることがあります。

今回は「サルコペニア」についてお話しします。

 

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、加齢などに伴って筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態です。

筋力が落ちてくると、

  • 歩くのがつらくなる
  • 階段の上り下りが大変になる
  • 転びやすくなる
  • 日常生活で疲れやすくなる

といった変化が現れます。

そして体を動かすことがつらくなると、さらに活動量が減り、筋力が低下するという悪循環にもつながります。

40代、50代から運動習慣を意識することが大切です

サルコペニアというと、高齢者の問題というイメージが強いと思います。

実際にサルコペニアそのものは、主に高齢者で問題になるものです。

しかし、その年代になってから突然筋力が低下するわけではありません。

リモートワークが増えた。

車で移動することが多い。

デスクワーク中心で歩く機会が少ない。

こうした生活を続けている40代、50代の方も、今のうちから筋肉を使う習慣を持つことが大切です。

そして私は、運動不足そのものだけではなく、長時間同じ姿勢を続けることによる筋肉への負担にも注意してほしいと思っています。

デスクワークなどで同じ筋肉へ負担がかかる状態が毎日続き、それが何年も積み重なることで、筋肉にはコリが蓄積し、やがて深部まで固まっていきます。

これが慢性的な肩こりや腰痛につながっていくと、私は考えています。

筋肉は使わなければ衰えます

私自身、Apple Watchで活動量を確認していますが、仕事の日と休日では消費カロリーにかなり差があります。

整体師という仕事は体を動かす機会が多いので特に感じますが、普段の通勤や買い物なども意外と大切な運動になっています。

「少し歩く。」

「エスカレーターではなく階段を使う。」

そんな日常生活の積み重ねも、筋力を維持するためには大切です。

特別な運動をすることだけが運動ではありません。

普段から体を動かすことそのものが大切なのです。

急に頑張りすぎるのは逆効果です

「運動不足だから今日から頑張ろう!」

その気持ちはとても大切です。

しかし、長い間運動をしていなかった方が、突然激しい運動を始めることはおすすめしません。

筋力が落ちているところへ急激に大きな負荷をかければ、筋肉や関節を痛める原因にもなります。

まずは無理のない範囲で、

  • 少し長めに歩く
  • 軽いスクワットをする
  • ストレッチをする

などから始め、少しずつ体を慣らしていくことが大切です。

中高年は「鍛えること」と「ケア」の両方が大切です

私は約30年間、多くの患者さんの筋肉を触ってきて、中高年では筋肉を鍛えることと同じくらい、柔軟性を保つことが大切だと考えています。

運動をすれば筋肉には負荷がかかります。

適度な負荷であれば筋力を維持するために必要ですが、疲労をためたまま運動を繰り返せば、筋肉にはコリが蓄積していきます。

特に長年の負担によって深部まで固まったコリは、運動をするだけで取り除けるものではありません。

だからこそ、

筋肉を使う。

そして、

疲労やコリをため込まないようにケアする。

この両方が大切だと考えています。

まとめ

サルコペニアは、主に高齢者で問題になる筋肉量・筋力・身体機能の低下です。

しかし、筋肉はある日突然衰えるわけではありません。

40代、50代のうちから体を動かす習慣を持ち、筋力を維持していくことが大切です。

そして中高年では、ただ筋肉を鍛えればよいというわけでもありません。

筋力を維持すること。

そして、

筋肉の柔軟性を保ち、深部にコリをため込まないこと。

私は、この二つをセットで考えることが、年齢を重ねても元気に動き続けるために大切だと思っています。

筋肉は年齢を重ねても、適切に使うことで変化していきます。

今日少し歩くことからでも構いません。

今から体を動かす習慣を作ることが、10年後も自分の足で元気に動くための準備になります。

 

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朝起きたら首が動かない…寝違えはなぜ起こるのでしょうか?

朝目が覚めると、

「首が痛くて動かせない…」

そんな経験をされたことはありませんか?

いわゆる「寝違え」です。

当院でも、寝違えで来院される方は珍しくありません。

患者さんからは、

「変な格好で寝てしまったからでしょうか?」

と聞かれることがあります。

もちろん、寝ている時の姿勢がきっかけになることはあると思います。

しかし私は約30年間施術をしてきて、寝違えは一晩の寝相だけで起こるものではないと考えています。

その前から続いている、首や肩、背中の筋肉の状態が大きく関係しているからです。

 

寝違えは突然起きたように見えますが…

寝違えは、前の日まで何ともなかったのに、朝起きたら突然首が痛くなります。

そのため、

「寝ている間に首を傷めた」

と思われる方がほとんどです。

しかし実際に寝違えを起こした方の筋肉を確認すると、首や肩、背中の筋肉がかなり硬くなっていることが少なくありません。

私は、ここが重要だと考えています。

デスクワークやスマートフォン、車の運転、仕事のストレスなどによって同じ筋肉への負担が長期間続くと、筋肉にはコリが蓄積し、やがて深部まで固まっていきます。

それでも筋肉にまだ余裕があるうちは、普通に生活することができます。

ところが、コリの蓄積が増えて筋肉の余裕が少なくなった状態で、寝ている間に首へ負担がかかったり、寝返りや起き上がる際に急に動かしたりする。

それが最後のきっかけとなって強い痛みが出る。

私は寝違えを、このように考えています。

実は「首」だけが原因ではありません

「首が痛いから、首を傷めた。」

そう思われる方が多いのですが、私が施術で確認するのは首だけではありません。

特に重要なのが、

  • 背中の上部
  • 肩甲骨の内側
  • 肩周り

の筋肉です。

首を動かす時には、首だけが単独で動いているわけではありません。

首から肩、肩甲骨周辺、背中の上部まで、多くの筋肉が連動して動いています。

そのため、背中や肩甲骨周辺の筋肉が深部まで固まっていると、首を動かした時に強い痛みを感じることがあります。

実際、首そのものよりも、肩甲骨の内側や背中の上部に強いコリが蓄積している方を私は数多く見てきました。

寒い季節は筋肉がさらに緊張しやすくなります

寒い時には、無意識に肩をすくめたり、体に力を入れたりします。

もともと首や肩にコリが蓄積している方では、そこへ寒さによる筋肉の緊張が加わります。

さらに睡眠中は長時間同じ姿勢になることもあります。

こうした条件が重なったところへ寝返りなどの動きが加わることで、寝違えのきっかけになることがあると私は考えています。

つまり、寒さそのものが寝違えを起こすというよりも、もともと余裕の少なくなっている筋肉へ、さらに負担が加わると考えると分かりやすいと思います。

寝違えた時は無理に動かさないでください

寝違えて首に強い痛みがある時は、無理にストレッチをしたり、首をグルグル回したりすることはおすすめしません。

痛みが強い時には、まず無理な動きを避けることが大切です。

炎症を伴っている場合には、冷やすことで痛みが楽になることもあります。

そして急性期の強い痛みが落ち着いてきたら、首だけを見るのではなく、肩や肩甲骨周囲、背中まで含めて筋肉の状態を確認していきます。

※強い痛みが続く場合や、手のしびれ・力が入りにくい・発熱・外傷などを伴う場合は、医療機関を受診してください。

寝違えを繰り返す方には理由があります

患者さんの中には、

「年に何回も寝違えるんです。」

という方がいらっしゃいます。

私は、このような方ほど普段の筋肉の状態を見ることが大切だと考えています。

寝違えるたびに数日休んで痛みがなくなる。

すると、

「治った。」

と思います。

しかし、痛みがなくなったからといって、長年蓄積してきた深部のコリまでなくなったわけではありません。

そのまま以前と同じ生活を続ければ、再び筋肉へ負担が加わり、寝違えを繰り返すことがあります。

だから当院では、寝違えによって痛みが出ている場所だけではなく、

首・肩・肩甲骨周囲・背中の上部まで含めて、長年蓄積してきたコリを確認すること

を大切にしています。

まとめ

寝違えは、朝起きた時に突然起こるため、

「寝相が悪かったから首を傷めた」

と思われがちです。

しかし私は約30年間の施術経験から、その一晩だけが原因ではないことが多いと考えています。

デスクワークやスマートフォン、仕事のストレスなどによる負担が長期間続くことで、首や肩、肩甲骨周囲、背中の筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

そこへ睡眠中の姿勢や寝返りなどの負担が加わり、寝違えが起こる。

つまり、寝違えは突然起きても、その土台となる筋肉の状態は長い時間をかけて作られているということです。

何度も寝違えを繰り返している方は、その時の痛みだけではなく、普段から首や肩、背中にどれくらいコリが蓄積しているのかにも目を向けてみてください。

 

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いつも同じ側が痛い…その原因は「軸足」が変わっているからかもしれません

「いつも片側のお尻だけが張る。」

「腰痛がいつも同じ側に出る。」

「坐骨神経痛のような症状が片側ばかりに出る。」

このような方を施術していると、私は筋肉の硬さだけでなく、普段どちらの足に体重をかけているのかも確認するようにしています。

なぜなら約30年間、多くの患者さんを施術してきた中で、昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、片側のお尻や腰への負担がより強くなり、症状につながりやすい傾向があると感じているからです。

ただし、軸足が変われば必ず症状が出るという意味ではありません。

まずは、そもそも人の体が左右均等ではないというところからお話ししたいと思います。

 

人の体は、もともと左右同じではありません

私たちの体には、

  • 利き手
  • 利き足
  • 軸足

があり、左右で役割が違います。

そのため私は、左右の筋肉がまったく同じ状態であることが理想だとは考えていません。

例えば、右足でボールを蹴る方を考えてみましょう。

ボールを蹴るのは右足。

その時、体を支えているのは左足です。

この場合、

右足=動作をする利き足

左足=体を支える軸足

という役割になります。

普段何気なく立っている時にも、左足へ体重を乗せることが多ければ、当然、左のお尻や太ももの筋肉には右側よりも負担がかかります。

実際に施術をしていても、右足が利き足で左足が軸足の方では、左のお尻の筋肉の方が右より固くなっているケースを非常によく見ます。

これは必ずしも異常なことではありません。

左右の筋肉が同じように使われているわけではない以上、コリの蓄積にも左右差があるのは自然なことだと私は考えています。

軸足側が固いからといって、必ず症状が出るわけではありません

体を支える軸足側には、毎日の生活の中で負担がかかり続けます。

その負担が長期間続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

そのため、軸足側のお尻を触るとかなり固くなっている方は珍しくありません。

しかし、固いからといって必ず痛みやしびれが出るわけではありません。

かなりコリが蓄積していても、本人にはほとんど自覚症状がない方もいらっしゃいます。

もちろん反対に、通常の軸足側に腰痛やお尻の痛み、坐骨神経痛のような症状が出る方もいらっしゃいます。

つまり、

「軸足だから症状が出る」

あるいは、

「軸足だから症状が出ない」

と単純に決められるものではありません。

ただ私は、長年施術をしてきた中で、少し気になる傾向を感じるようになりました。

それが、昔のケガなどによって軸足が変わっている方です。

昔のケガをきっかけに軸足が変わることがあります

例えば、本来左足が軸足だった方が、左足首を強く捻挫したとします。

痛みがある間は、当然その足へ体重をかけたくありません。

そこで無意識に右足へ体重を逃がして生活するようになります。

これは傷めた場所を守るための自然な反応です。

やがて捻挫そのものが治り、普通に歩けるようになります。

ところが、ケガをしていた時に身についた体重のかけ方だけが、その後も残ってしまう方がいらっしゃいます。

すると、本来左足が担っていた「体を支える役割」を、右足が担うようになります。

私は、このような状態を施術の中で何度も見てきました。

利き足が軸足の仕事までするようになります

ここが、私が重要だと考えているところです。

もともと右足が利き足だったとします。

右足は本来、歩いたり、蹴ったり、さまざまな動作をする側です。

ところが左足のケガなどをきっかけに軸足が右へ移ると、

利き足として動く役割

に加えて、

軸足として体を支える役割

まで右足が担うようになります。

すると右側のお尻や太もも、腰の筋肉には、それまで以上の負担がかかるようになります。

そして、その状態が何年も続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで強く固まっていきます。

私は、こうして本来とは違う体の使い方が長期間続いている方では、通常の軸足の状態よりも筋肉への負担が大きくなり、症状につながりやすい傾向があると考えています。

腰痛や坐骨神経痛のような症状につながることもあります

私の施術経験では、軸足が変わっている方に、

  • 片側のお尻の強い張り
  • 腰痛
  • お尻から脚にかけての痛み
  • 坐骨神経痛のような症状

が見られることがあります。

もちろん、軸足が変わった人すべてに、このような症状が出るわけではありません。

また、軸足が変わっていなくても、通常の軸足側に症状が出る方もいらっしゃいます。

坐骨神経痛にも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、さまざまな原因があります。

ですから私は、

「坐骨神経痛の原因は軸足です」

と考えているわけではありません。

ただ、約30年間多くの患者さんを施術してきた中で、昔のケガなどによって軸足が変わり、片側の筋肉へ通常以上の負担が長期間かかっていることが、症状を出しやすくする要因の一つになっているケースがあると考えています。

だから私は「昔のケガ」を聞きます

腰痛や坐骨神経痛で来院された方に、

「昔、足首を捻挫したことはありませんか?」

「膝の靱帯を傷めたことはありませんか?」

「足を骨折したことはありませんか?」

と、一見すると現在の症状とは関係なさそうなことまでお聞きすることがあります。

それは、今痛い場所だけを見ていては、なぜその側の筋肉にこれほど負担がかかっているのか分からないことがあるからです。

昔のケガをかばう。

体重のかけ方が変わる。

軸足が変わる。

片側の筋肉への負担が増える。

その状態が何年も続き、深部までコリが蓄積する。

私は、このような流れが隠れていないかを確認しています。

体重のかけ方だけを無理に直せばいいわけではありません

では、

「右に体重をかけているなら、今日から左にかければいい。」

ということなのでしょうか。

私は、そんなに単純ではないと考えています。

何年、何十年と同じ体の使い方を続けていれば、それに合わせて筋肉にもコリが蓄積し、深部まで固まっています。

その状態のまま、

「反対側に体重をかけましょう。」

と意識だけで変えようとしても、体にとってはかえって不自然で疲れることがあります。

だから私はまず、長年負担を受け続けてきた筋肉の深部のコリを少しずつ取り除き、自然に体重移動をしやすい状態へ戻していくことを大切にしています。

そのうえで、必要に応じて普段の立ち方や体の使い方にも目を向けていきます。

まずはご自身の立ち方を確認してみてください

一度、何も意識せずに立ってみてください。

どちらの足に体重が多く乗っているでしょうか?

そして、

「利き足はどちらか?」

「昔、大きなケガをした足はどちらか?」

「いつも痛くなるのはどちら側か?」

も思い出してみてください。

昔のケガと現在の体重のかけ方を比べてみると、意外なつながりが見つかるかもしれません。

まとめ

人の体は、もともと左右均等に使われているわけではありません。

利き足と軸足にはそれぞれ役割があり、通常でも軸足側の筋肉には負担がかかり、反対側よりコリが蓄積していることが多くあります。

それ自体を私は異常だとは考えていません。

もちろん、その通常の軸足側に腰痛や坐骨神経痛のような症状が出る方もいらっしゃいます。

ただ私は約30年間の施術経験から、昔のケガなどをきっかけに軸足が反対側へ変わった方では、その側の筋肉への負担がさらに大きくなり、症状につながりやすい傾向があると感じています。

だから私は、現在痛い場所だけではなく、

昔のケガ、利き足と軸足、普段の重心のかけ方、そして左右の筋肉の状態

まで確認しながら施術を行っています。

「なぜか、いつも同じ側だけ痛くなる。」

そんな方は、今痛い場所だけでなく、昔のケガをきっかけに体の使い方が変わっていないかという視点から、一度ご自身の体を見てみてください。

 

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自宅で仕事をすると、なぜ肩や腰がつらくなるのでしょうか?

新型コロナをきっかけに広がったリモートワークは、現在では一つの働き方として定着しました。

通勤時間がなくなり、自宅で仕事ができるのは便利なことです。

その一方で、リモートワークを始めてから、

「肩こりがひどくなった」

「首や背中が重い」

「腰が痛くなった」

という方も少なくありません。

私の臨床でも、自宅で仕事をするようになってから、首・肩・背中・腰のコリが強くなったという話をよく聞くようになりました。

原因は、ノートパソコンだけではありません。

自宅の作業環境そのものが、長時間仕事をする姿勢に合っていないことも大きく関係しています。

 

自宅は仕事をするために作られていません

会社では、少なくとも仕事をすることを前提に机や椅子が用意されています。

しかし、自宅では、

  • 食卓で仕事をする
  • 床に座ってローテーブルを使う
  • ソファに座って作業する
  • ベッドの上でパソコンを使う

といった姿勢になりがちです。

食卓の椅子は、食事をする時間には問題がなくても、何時間もパソコン作業を続けることまでは想定されていません。

床やソファでは、骨盤が後ろへ倒れて背中が丸まりやすくなります。

ベッドでは体が安定しにくいため、画面をのぞき込むような姿勢になり、首や腰の筋肉へ負担がかかり続けます。

短時間であれば、それほど問題を感じないかもしれません。

しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なることで、首・肩・背中・腰の筋肉には深部までコリが形成され、蓄積していきます。

これが、リモートワークを始めてから肩こりや腰痛が慢性化した方に、私がまず考えることです。

ノートパソコンも体が丸まりやすい理由の一つです

自宅での仕事には、ノートパソコンを使う方が多いと思います。

ノートパソコンは画面の位置が低いため、机にそのまま置くと目線が下がります。

すると、

  • 頭が前へ出る
  • 背中が丸くなる
  • 肩が前へ入る
  • 腰が丸まりやすくなる

という姿勢になりやすくなります。

ただし、この点については別の記事で詳しく説明しているため、ここでは簡単に触れるだけにします。

ノートパソコンを長時間使う場合は、台などを利用して画面を上げ、外付けのキーボードとマウスを使うことで、首や肩への負担を減らしやすくなります。

高価な机や椅子を買えば解決するのでしょうか?

リモートワークによる体の負担を減らすために、

「仕事用の机と椅子をそろえましょう」

という話をよく聞きます。

もちろん、十分なスペースがあり、自分の体に合った机や椅子を置けるのであれば、それに越したことはありません。

しかし、日本の住宅事情を考えると、仕事専用の部屋や大きなデスクを用意するのが難しい方も多いでしょう。

そして、ここでもう一つ大切なことがあります。

どれほど高価な椅子を使っても、同じ姿勢を何時間も続ければ筋肉への負担は続きます。

大切なのは、完璧な仕事部屋を作ることではありません。

今ある環境の中で筋肉への負担を減らし、同じ姿勢を長時間続けないことです。

食卓で仕事をする場合の工夫

食卓で仕事をする場合は、まず椅子と机の高さを確認してください。

机が高過ぎると、キーボードを打つ時に肩が上がります。

反対に椅子が低過ぎても、腕を持ち上げる形になり、首や肩に力が入りやすくなります。

クッションなどを使って座面の高さを調整し、肩をすくめずにキーボードを操作できる位置を探してみてください。

その際、足が床から浮いてしまう場合は、箱や足台などを置いて足を支えます。

足元が安定すると、腰や背中にも余計な力が入りにくくなります。

大切なのは、「正しい姿勢の形」に無理やり自分を合わせることではありません。

肩や腰へ余計な力を入れずに仕事ができる環境を作ることです。

床やソファでの長時間作業は避けましょう

床に座ってローテーブルで作業すると、画面の位置が非常に低くなります。

背中と腰が丸まり、首を前へ突き出した姿勢になりやすいため、長時間の仕事には向いていません。

ソファも同じです。

柔らかい座面に深く沈み込むと、骨盤が後ろへ倒れ、腰から背中にかけて丸くなりやすくなります。

どうしても床やソファを使う場合は、長時間続けず、こまめに立ち上がることが大切です。

ベッドでのパソコン作業は、できるだけ避けた方がよいでしょう。

「良い姿勢」より、同じ姿勢を続けないことが大切です

机や椅子の高さを調整し、作業環境を整えることは大切です。

しかし私は、それ以上に大切なのが、同じ姿勢を長時間続けないことだと考えています。

「姿勢を良くしなければ」と思って、背筋を伸ばした状態を何時間も頑張って維持する必要はありません。

一見きれいな姿勢でも、それを長時間固定していれば、姿勢を支えている同じ筋肉へ負担がかかり続けます。

人間の体は、本来動くものです。

ですから私は、30分から1時間に一度くらいは、椅子から立ったり、少し歩いたり、肩の力を抜いたりして、一度それまでの姿勢をやめることをおすすめしています。

大げさな体操をする必要はありません。

数分でも構いません。

「良い姿勢をずっと続ける」のではなく、「同じ姿勢を長時間続けない」。

この方が、私は大切だと考えています。

長期間の負担が続けば、深部までコリが蓄積していきます

最初のうちは、

「仕事が終わると肩がこる」

「少し腰が重い」

という程度だったかもしれません。

一晩眠れば、翌朝には楽になっていた方もいるでしょう。

しかし、体に合わない環境で毎日何時間も仕事を続けていると、筋肉が十分に回復しないまま、また次の日の負担が加わります。

それが何年も続くことで、首・肩・背中・腰の筋肉には深部までコリが蓄積していきます。

すると、

「朝から肩がこっている」

「仕事を始めてすぐにつらくなる」

「休みの日でも首や腰が重い」

といった慢性的な状態へ変わっていきます。

人によっては、首や肩のコリが強くなることで頭痛や眼精疲労につながったり、腕の重さやしびれなどを感じたりすることもあります。

こうなると、机や椅子の高さを調整するだけでは、すでに深部に蓄積したコリそのものがなくなるわけではありません。

作業環境を見直してこれ以上の負担を減らすことと、すでに深部まで蓄積したコリを少しずつ取り除いていくこと

慢性的な肩こりや腰痛になっている方では、この両方を考えることが大切です。

リモートワークは、これからも続く働き方です

仕事のために、必ずしも大きなデスクや高価な椅子を用意する必要はありません。

まずは現在の環境で、

  • 画面が低過ぎないか
  • 肩をすくめていないか
  • 足が安定しているか
  • 腰や背中が丸まり過ぎていないか
  • 同じ姿勢を長時間続けていないか

を確認してみてください。

リモートワークそのものが悪いのではありません。

体に合わない環境で、同じ筋肉へ長時間負担をかけ続けることが問題なのです。

そして、その状態が長期間続けば、筋肉の深部にはコリが蓄積していきます。

だからこそ、

「良い姿勢を頑張って続ける」のではなく、「負担の少ない環境を作り、同じ姿勢を続けない」。

これからもリモートワークを長く続けていくために、仕事の効率だけではなく、毎日の作業環境と体の使い方も一度見直してみてください。

 

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花粉症とぎっくり腰。一見関係ないようで実は深い関係があります。

「花粉症とぎっくり腰に関係があるの?」

意外な組み合わせに思われるかもしれません。

花粉症そのものが、ぎっくり腰を起こすわけではありません。

ただ、花粉症の方に多い**「朝のくしゃみ」**は、もともと腰に強いコリを抱えている方にとって、ぎっくり腰を起こす最後のきっかけになることがあります。

今日は、花粉症の季節だからこそ気をつけていただきたい、朝のぎっくり腰についてお話しします。

 

ぎっくり腰は「朝に起こした」という方が多い

約30年間患者さんを施術してきて、私が強く感じていることがあります。

それは、ぎっくり腰になった患者さんに話を聞くと、朝から午前中に痛めたという方が非常に多いことです。

例えば、

「朝、顔を洗おうとして前かがみになった瞬間に痛くなった」

「靴下を履こうとかがんだら動けなくなった」

「床の物を取ろうとしただけなのに痛めた」

といった話をよく聞きます。

なぜ、重い物を持ったわけでもないのに、こんな何気ない動作でぎっくり腰になってしまうのでしょうか。

私は、その動作だけが原因なのではないと考えています。

ぎっくり腰は、その瞬間だけを見ても分かりません

慢性的に腰へ負担がかかっている方では、長期間の負担によって腰や臀部などの筋肉の深部にコリが形成され、蓄積していきます。

深部のコリが増えていけば、筋肉の柔軟性が失われ、少しずつ余裕がなくなっていきます。

そして睡眠中は、日中に比べて体を動かす時間が大きく減ります。

そのため、もともと深部に強いコリを抱えている方では、起床直後に

「腰が固まっている」

と感じることがあります。

実際、慢性的な腰痛のある方から、

「朝が一番腰がつらい」

「起きてしばらく動いていると楽になる」

という話を聞くことも少なくありません。

私は、こうしたもともと腰に余裕がない状態に、睡眠中の長時間の不動が重なった朝は、ぎっくり腰を起こしやすい時間帯の一つだと考えています。

そこへ花粉症の「朝のくしゃみ」が重なります

花粉症の方では、起床後にくしゃみや鼻水などの症状が強く出ることがあります。

いわゆる「モーニングアタック」と呼ばれるものです。

ここで、ぎっくり腰との条件が重なります。

長年の負担によって腰の深部にコリが蓄積している



睡眠中あまり動かない



起床時は腰がさらに固い



花粉症による強いくしゃみ



ぎっくり腰を起こす最後のきっかけになる

という流れです。

つまり、花粉症がぎっくり腰の原因なのではありません。

もともと負担が蓄積して余裕がなくなっている腰へ、くしゃみという急激な動きが加わることが問題なのです。

くしゃみは思っている以上に体を大きく動かします

くしゃみをする瞬間、自分の体を観察してみると分かります。

一瞬ですが、腹部や背中に力が入り、体が大きく動きます。

腰の状態が良ければ、それだけですぐ問題になるわけではありません。

しかし、朝起きたばかりで腰が固く、さらに慢性的な腰痛がある方では、この突然の動きが負担になることがあります。

特に、

前かがみになった瞬間にくしゃみをする

という組み合わせには注意してほしいと思います。

洗面所で顔を洗っている時。

靴下やズボンを履こうとしている時。

床の物を取ろうとしている時。

こうした朝の動作中にくしゃみが出そうになったら、少し気をつけてください。

くしゃみが出そうになったら、手をついてください

私がおすすめしている方法は、とても簡単です。

くしゃみが出そうになったら、壁や机などに手をつくこと。

立っている時なら、近くの壁や机などに手を添えて体を支えます。

座っている時でも、可能なら手をついて体を安定させます。

特に前かがみになっている時は、そのまま勢いよくくしゃみをするのではなく、一度体を安定させてからくしゃみをするようにしてください。

これだけでも、くしゃみをした瞬間に体が大きく動くのを抑えやすくなります。

花粉症で朝から何度もくしゃみが出る方は、ぜひ意識してみてください。

ただし、本当の問題は「くしゃみ」ではありません

ここが一番大切なところです。

ぎっくり腰になった時、

「くしゃみをしたら腰を痛めた」

「顔を洗おうとしたら腰を痛めた」

「床の物を拾ったら腰を痛めた」

というと、その動作が原因だったように思います。

しかし私は、その一回の動作だけで考えないようにしています。

それまで何年も腰へ負担がかかり続け、深部にコリが蓄積していた。

筋肉の柔軟性が失われ、すでに余裕が少なくなっていた。

そこへ最後の一押しとして、くしゃみや前屈動作が加わった。

そのように考えた方が、繰り返しぎっくり腰になる方の状態も理解しやすいと思います。

花粉症の季節こそ、朝の腰に気をつけましょう

花粉症の方に、

「くしゃみをしないでください」

と言っても無理な話です(笑)。

ですから、くしゃみそのものを恐れる必要はありません。

朝起きたばかりの時間は、いきなり大きく前かがみにならない。

くしゃみが出そうになったら、壁や机などに手をついて体を支える。

そして何より、普段から腰へ長時間・長期間の負担をかけ続けないことが大切です。

すでに慢性的な腰痛がある方では、腰や臀部の深部に蓄積したコリを少しずつ減らし、筋肉に余裕を取り戻しておくことも、私は大切だと考えています。

花粉症とぎっくり腰。

一見まったく関係なさそうですが、

「腰が固まりやすい朝」と「くしゃみが出やすい朝」が重なる。

そこに、ちょっとした注意点があります。

花粉症で朝からくしゃみが続く方、そして慢性的な腰痛がある方は、ぜひ覚えておいてください。

 

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人間の体は、本当に左右対称であるべきなのでしょうか?

整体院などで、

「骨盤が歪んでいますね」

「左右の足の長さが違いますね」

と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。

私の整体院に通われている方はご存じだと思いますが、私は骨盤の位置だけを見て、それを無理に左右対称にするような施術は行っていません。

それよりも大切にしているのが、骨盤を支えている筋肉がどのような状態になっているのかを見ることです。

そして、もう一つ確認していることがあります。

それが、

「普段、どちらの足で体を支えているのか」

です。

人間には「利き足」と「軸足」があります

右利き、左利きというように、人間には利き手があります。

足にも左右で役割の違いがあります。

例えば、ボールを蹴る時には、一方の足で体を支え、反対側の足を動かします。

この時、

動かす側が利き足、体を支える側が軸足

と考えると分かりやすいでしょう。

何気なく立っている時にも、左右均等に体重をかけているとは限りません。

片方の足へ体重を乗せ、反対側の足を楽にしていることがあります。

つまり、私たちの体は普段から左右をまったく同じように使っているわけではありません。

左右それぞれに違った役割があるのです。

左右の筋肉の硬さが違うのは不思議ではありません

軸足は、立っている時や動作をする時に体を支える役割を担います。

そのため私は、施術をしていると、軸足側の臀部の筋肉が反対側より硬くなっている方をよく見ます。

これはそれほど不思議なことではありません。

左右で役割が違えば、使われ方も違います。

使われ方が違えば、筋肉への負担も左右で同じにはなりません。

そして同じ筋肉へ負担が長期間かかり続ければ、その深部にはコリが形成され、蓄積していきます。

ですから私は、

「左右の筋肉の硬さが違う=体が異常に歪んでいる」

とは考えていません。

左右差があること自体は、人間の体にとって自然なことです。

私が「骨盤の歪み」だけを見ない理由

骨盤の左右差を見ると、

「骨盤が歪んでいるから筋肉がおかしくなった」

と考えたくなるかもしれません。

しかし私は、逆の見方も必要だと考えています。

骨盤の周囲には、臀部をはじめ多くの筋肉があります。

そうした筋肉の緊張に左右差があれば、骨盤の位置や姿勢にも影響します。

つまり、

骨盤の位置が違う



だから骨盤だけを元に戻す

という単純な話ではありません。

なぜその位置になっているのか。

左右の筋肉はどうなっているのか。

普段どちらの足へ体重をかけているのか。

私は、こちらを見ることの方が大切だと考えています。

左右の足の長さが違って見える場合も同じです。

それだけを見て「骨盤が歪んでいる」と判断するのではなく、筋肉の緊張や姿勢、体重のかけ方なども含めて考える必要があります。

私が特に気にしているのは「軸足が変わっている人」です

ここからが、私が約30年間患者さんを見てきて興味深いと感じているところです。

例えば、もともと左足を軸足として使っていた人が、左足首をひどく捻挫したとします。

痛みがあるため、無意識に左足をかばいます。

すると、それまで右足が「動かす足」、左足が「支える足」だったものが、右足でも体を支えるようになります。

ケガそのものが治った後も、この体の使い方が残る方がいます。

すると右足は、

「動かす」という本来の役割に加えて、「支える」という役割まで担う

ことになります。

私は、このように昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、新しく軸足になった側の臀部や腰へ、通常以上の負担が集中していることがあると感じています。

普通の軸足のコリと何が違うのでしょう?

ここは少し分かりにくいところなので、分けて考えてみましょう。

もともとの軸足でも、体を支えているのですから臀部の筋肉には負担がかかります。

ですから、

軸足側の臀部が硬いこと自体は珍しいことではありません。

もちろん、その通常の軸足側に腰痛や臀部痛などの症状が出る方もいます。

一方、昔のケガなどをきっかけに軸足が反対側へ変わると、それまでとは違った負担のかかり方になります。

本来よく動かしていた側が、今度は体を支える仕事まで担う。

その状態が長期間続けば、臀部や腰の筋肉にはさらに強い負担が蓄積していきます。

私が問題だと考えているのは、単純に**「左右差があること」ではなく、「本来の役割分担が変わり、一方へ通常以上の負担が集中していること」**なのです。

昔のケガと、現在の腰痛や臀部痛がつながっていることもあります

患者さんに、

「昔、足首や膝を大きくケガしたことはありませんか?」

と聞くと、

「そういえば20年前に右足首をひどく捻挫しました」

「学生時代に左膝の靱帯を傷めました」

といった話が出てくることがあります。

患者さん自身は、

「そんな昔のケガが今と関係あるんですか?」

と驚かれることがあります。

ケガそのものは、とっくに治っているかもしれません。

しかし、ケガをかばったことで体重のかけ方が変わり、その後も同じ使い方を何年、何十年と続けていれば、筋肉への負担は積み重なっていきます。

その結果、片側の臀部や腰の深部に強いコリが蓄積している方がいます。

そして、そこにできたトリガーポイントなどが、臀部痛や脚への関連痛を出しているケースもあります。

私は約30年間の施術経験から、昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、片側の臀部や腰への負担がより強くなり、腰痛や坐骨神経痛のような症状につながりやすい傾向があると感じています。

もちろん、坐骨神経痛には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などを含め、さまざまな原因があります。

ですから、すべての坐骨神経痛を軸足だけで説明することはできません。

骨盤だけを見るのではなく、「なぜそうなったのか」を見る

私は骨盤の左右差そのものを否定しているわけではありません。

大切なのは、左右差を見つけて、

「歪んでいるから戻しましょう」

で終わらせないことです。

なぜ左右差があるのか。

どちらが軸足なのか。

左右の臀部の筋肉はどう違うのか。

昔、足首や膝をケガしていないか。

立っている時、どちらへ体重をかけているのか。

そして、その状態が何年続いているのか。

こうしたことを一つずつ見ていくと、現在の腰痛や臀部のコリにつながる理由が見えてくることがあります。

人間の体は、もともと完全な左右対称ではありません。

だから私は、左右差を無理にゼロにすることを目標にはしていません。

それよりも、

「なぜ今、この筋肉にこれほど負担がかかっているのか」

を考え、深部に蓄積したコリを少しずつ取り除いていく。

それが、骨盤周辺を見る時にも私が大切にしている考え方です。

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首を施術しても治らない頭痛。その原因は意外な場所にありました。

昨日は、頭痛と首のコリについてお話ししました。

その記事を書いていたら、昔のことを思い出しました。

今から20年以上前、私が五反田の整体院で雇われ院長をしていた頃のことです。

私が整体師として、

「マニュアル通りに施術するだけではダメなんだ」

と強く感じるようになった、今でも忘れられない患者さんがいました。

宝塚歌劇団の方がよく来院されていました

当時勤めていた整体院には、宝塚歌劇団の方がよく来院されていました。

舞台に立つ仕事ですから、体への負担も相当なものだったのでしょう。

首や肩、腰、脚など、皆さんさまざまな症状を抱えていらっしゃったのを今でもよく覚えています。

ある日、一つの組の準トップスターの方が来院されました。

訴えていたのは、頭痛でした。

「数日前から、ずっと頭痛が続いているんです」

とのことでした。

頭痛なら、まず首を疑いました

その頃には、私もすでにトリガーポイントの考え方を施術に取り入れていました。

頭痛の患者さんでは、首の上部にある筋肉の強いコリが関係していることがよくあります。

そのため、まず首の状態を確認しました。

当時の整体院は施術時間が20分ほどしかなく、さらに院の方針として背骨の矯正も行う必要がありました。

限られた時間の中で首の筋肉を確認し、頭痛に関係していると考えられるところを施術しました。

ところが、

頭痛が変わりません。

ほかに考えられる筋肉も、一つひとつ確認していきました。

それでも変わらない。

「おかしいな……」

と思いました。

「もしかしたら、首ではないのかもしれない」

そこで一度、

「頭痛だから首」

という考えを外してみることにしました。

ほかに何かないだろうか。

そう考えながら確認していき、ふと顎の筋肉である咬筋を押してみました。

すると、

「そこ、頭に響きます」

と言われたのです。

これは私にとって大きなヒントでした。

さらに顔周辺の筋肉を確認していくと、かなり強くこわばっているところがありました。

そこで、首だけではなく、顔周辺の筋肉も施術してみることにしました。

すると施術後、

それまで続いていた頭痛がなくなったのです。

もちろん、一例だけで「この頭痛の原因は顔の筋肉だった」とすべてを断定することはできません。

ただ、咬筋を押した時に頭へ響く感覚があり、顔周辺の筋肉を施術した後に頭痛がなくなった。

この経験から私は、この方の頭痛には首だけではなく、顔の筋肉の緊張も関係していたのではないかと考えました。

舞台に立つ人は、顔の筋肉も使い続けています

考えてみれば、舞台に立つ方は体だけを使っているわけではありません。

歌ったり、話したり、そして観客に向かって表情を作り続けます。

一般の人とは比べものにならないほど、顔の筋肉を使っていたのかもしれません。

毎日のように同じ筋肉へ負担がかかり、それが長期間続けば、顔の筋肉の深部にもコリは蓄積していきます。

現在の私は、頭痛の患者さんを見る時、首や肩だけでなく、必要に応じて顎やこめかみなど顔周辺の筋肉も確認します。

しかし、当時の私はまだそこまで考えていませんでした。

だからこそ、この患者さんの経験は強く印象に残っています。

「改善しない」ということも、体からの情報です

この出来事から、私は一つ大切なことを学びました。

それは、

「思ったように改善しない時には、自分の考えを疑ってみる」

ということです。

「頭痛だから首」

「腰が痛いから腰」

「膝が痛いから膝」

そう決めてしまえば、施術する場所も最初から決まってしまいます。

でも、人間の体はそれほど単純ではありません。

痛みを感じている場所と、その症状に関係している筋肉が離れていることもあります。

一つの筋肉だけではなく、複数の筋肉が関係していることもあります。

だから、いつもの施術をしても変化がなければ、

「本当にここなのだろうか?」

「ほかに負担が蓄積している筋肉はないだろうか?」

と、もう一度体を見直す。

この考え方は、それから現在までずっと変わっていません。

患者さんの体から教えてもらったことはたくさんあります

約30年間施術をしていると、教科書通りのパターンだけでは説明しにくい患者さんにもたくさん出会います。

そのたびに、

「なぜだろう?」

と考えます。

そして筋肉を一つひとつ確認していく。

そうした経験の積み重ねによって、症状が出ている場所だけを見るのではなく、その人の体全体から関係している筋肉を探すという、現在の私の施術の考え方ができてきました。

もちろん、今でもすべての症状が思い通りに改善するわけではありません。

分からないこともありますし、医療機関での検査や治療が必要な症状もあります。

だからこそ、今でも考えます。

「ほかに何か見落としていないだろうか」

「自分の考えに思い込みはないだろうか」

20年以上前、あの患者さんに教えてもらった、

「患者さんの体が教えてくれることを大切にする」

という姿勢は、今も私の施術の基本になっています。

30年近くこの仕事を続けていますが、まだまだ分からないことはあります。

やはり整体は奥が深いですね。

そしてこれからも、生涯勉強だと思っています。

 

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また、この記事でご紹介したように、頭痛には首だけでなく、食いしばりなどによる顔の筋肉のコリが関係していることもあります。

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腰痛には腹筋運動?その前に知ってほしいこと。

腰痛になると、

「腹筋が弱いから腰痛になるんですよ。」

「腹筋を鍛えれば腰痛は良くなります。」

このように言われた経験はありませんか?

確かに、筋力を維持することは腰痛予防にとって大切です。

しかし、腰痛がある時に、いきなり腹筋運動を始めることが本当に良いのでしょうか?

私は約30年間の施術経験から、慢性的な腰痛の方は筋力強化より先に行うべきことがあると考えています。

 

筋力をつけることは大切です

私は、腰痛の方に筋力トレーニングが必要ないと言っているわけではありません。

むしろ、筋力を維持することはとても大切だと考えています。

筋力が強ければ、同じ動作や姿勢でも筋肉に余裕が生まれ、負担に耐えやすくなります。

そのため、筋力がつけば、コリができにくい体づくりにもつながると私は考えています。

ただし、筋力が強ければ絶対にコリができないということではありません。

筋力があっても、同じ筋肉に長時間・長期間負担がかかり続ければ、深部にはコリが形成され、蓄積していきます。

大切なのは、今の筋肉がどのような状態なのかを考えることです。

慢性的な腰痛がある時の筋肉はどうなっている?

慢性的な腰痛がある方では、長期間にわたって腰や臀部などの筋肉に負担がかかり続け、その深部にコリが蓄積しています。

その結果、筋肉の柔軟性が低下し、余裕がなくなっている方も少なくありません。

私は、このような状態の時に、

「腰痛だから腹筋を鍛えよう」

と、いきなり筋力トレーニングを始めることには注意が必要だと考えています。

すでに余裕がなくなっている筋肉へ、さらに強い負荷を加えることになるからです。

実際、腰痛を改善しようと思って腹筋運動を始めたところ、かえって腰がつらくなってしまったという方もいらっしゃいます。

だからといって、筋力トレーニングが悪いわけではありません。

問題は「鍛えること」ではなく、「どの状態で鍛えるか」なのです。

大切なのは「順番」です

私が慢性的な腰痛の方に大切だと考えているのは、

まず筋肉の状態を整える



深部に蓄積したコリを少しずつ減らす



筋肉に柔軟性と余裕を取り戻す



そのうえで筋力トレーニングを行う

という順番です。

長期間かけて深部に蓄積したコリを、一度ですべて取り除くことはできません。

少しずつ筋肉の状態を整え、動きやすい状態をつくっていく。

そして、筋肉に余裕が出てきたところで、その人の状態に合わせて無理のない範囲から筋力トレーニングを始める。

私は、この順番が大切だと考えています。

腹筋だけを鍛えればいいわけではありません

もう一つ大切なのは、

「腰痛=腹筋が弱い」

と単純に考えないことです。

腰や骨盤周辺を支えているのは腹筋だけではありません。

背中や臀部、脚など、多くの筋肉が協力して体を支えています。

ですから、腰痛を予防するために筋力をつけるのであれば、腹筋だけにこだわるのではなく、体全体を動かしていくことも大切です。

ウォーキングやスクワットなど、自分の体力や腰の状態に合った運動から始めてもいいでしょう。

大切なのは、無理をせず続けることです。

「まず鍛える」ではなく「まず筋肉の状態を見る」

腰痛があると、

「運動不足だから鍛えなければ」

と思う方は少なくありません。

もちろん、筋力を維持することは大切です。

筋力に余裕があれば、日常生活で同じ負担がかかっても筋肉への負担を小さくすることができ、コリができにくい体づくりにもつながります。

だからこそ私は、筋力トレーニングをおすすめしています。

ただし、慢性的な腰痛があり、すでに深部に強いコリが蓄積しているのであれば、まずその筋肉に余裕を取り戻すこと。

そして、その後に筋力をつけていく。

「腰痛だから腹筋を鍛える」ではなく、「今の筋肉がどんな状態なのかを確認してから鍛える」。

私は、腰痛のある方の筋力トレーニングでは、この順番がとても大切だと考えています。

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📌「ぎっくり腰は、痛みが引いてからが大切です

📌「朝起きた時の腰痛や肩こりは、寝具が原因なのでしょうか?

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朝起きると肩こりや腰痛がひどい…その原因とは?

「朝起きると肩がガチガチ…」

「寝る前より腰が痛くなっている…」

このような経験はありませんか?

こうした症状があると、多くの方は

「枕が合わないのかな?」

「マットレスが悪いのかな?」

と考えます。

もちろん寝具が影響するケースもありますが、私は約30年間の施術経験から、寝具そのものが主な原因であるケースは、それほど多くないと感じています。

では、なぜ朝になると肩こりや腰痛が強くなるのでしょうか?

朝に症状が強くなる理由

朝起きた時に肩こりや腰痛がひどくなる方の多くは、もともと慢性的なコリを抱えています。

夜眠っている間は活動量が減り、心拍数もゆっくりになります。

そのため筋肉への血流は日中より少なくなり、慢性的にコリがある筋肉はさらに硬くなりやすい状態になります。

その結果、

「朝起きた時が一番つらい」

という状態になるのです。

時間が経つと楽になるのはなぜ?

「朝は痛いのに、お昼頃には楽になってくる。」

このような方も多いのではないでしょうか。

起床後は体を動かし始めることで血流が徐々に改善し、硬くなっていた筋肉が少しずつ柔らかくなります。

そのため、朝感じていた肩こりや腰痛も軽くなっていくのです。

ぎっくり腰が朝に多い理由

ぎっくり腰は、朝から午前中に起こることが少なくありません。

私はその理由も、朝の筋肉の硬さが関係していると考えています。

慢性的にコリがある筋肉は、朝は特に硬くなっています。

その状態で、

  • 顔を洗う
  • 靴下を履く
  • 荷物を持ち上げる

といった何気ない動作をした時に、筋肉へ急な負担がかかり、ぎっくり腰につながることがあります。

そのため、朝は特に無理な動きをしないよう注意することが大切です。

改善の目安は「朝」です

施術を続けている患者さんにも、私はよくお話ししています。

朝起きた時の症状は、改善の一つの目安になります。

朝の肩こりや腰痛が少しずつ気にならなくなってきたら、それだけ深部のコリも改善してきていると私は考えています。

逆に、

「朝だけはまだつらい」

という場合は、深部のコリがまだ残っているサインかもしれません。

朝の痛みを当たり前にしないでください

「朝だけだから大丈夫。」

そう思っている方も少なくありません。

しかし、朝に症状が強く出るということは、慢性的なコリが積み重なっている可能性があります。

放っておくと、肩こりや腰痛がさらに悪化したり、ぎっくり腰などを起こしやすくなることもあります。

朝の肩こりや腰痛が続いている方は、「寝具が悪い」と決めつける前に、一度筋肉の状態にも目を向けてみてください。

慢性的なコリを改善することが、朝のつらさを軽減する近道になると私は考えています。

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子どもの肩こりが増えています。その原因とは?

「子どもでも肩こりになるんですか?」

最近、このような質問を受けることが増えました。

実は私の整体院にも、小学生や高校生の患者さんが来院されています。

一昔前であれば、「子どもが肩こりなんて」と驚かれたかもしれません。しかし今では、「子どもに肩を揉んでと言われる」「私が肩を揉んであげています」という親御さんの話も珍しくありません。

なぜ近年、子どもの肩こりがこれほど増えてきたのでしょうか。

 

運動不足による体力・筋力の低下

私は、その大きな要因の一つが運動不足による筋力の低下ではないかと考えています。

もちろん野球やサッカーなど、クラブ活動で体を動かしている子どももいます。

しかし、私たちが子どもの頃のように、毎日外で走り回って遊ぶ子どもは本当に少なくなりました。

道路では車の危険があり、防犯上の理由から子どもだけで遊ばせる機会も減っています。

公園へ行っても、みんなで体を動かすのではなく、ベンチに座って通信ゲームをしている光景を見かけることもあります。

筋肉は使わなければ十分に発達しません。

首や肩を支える筋肉が十分に発達していなければ、長時間同じ姿勢を続けた時の負担も大きくなります。

そして、そのような負担が長期間続けば、子どもであっても首や肩の筋肉の深部にコリが形成され、少しずつ蓄積していきます。

子どもを取り巻く生活環境の変化

もう一つ大きいのが、生活環境の変化です。

  • ゲーム
  • スマートフォン
  • タブレット
  • 習い事

今の子どもたちは、私たちが子どもの頃とは比べものにならないほど、座って過ごす時間が長くなっています。

ゲームやスマホは眼精疲労を起こしやすく、首や肩への負担も大きくなります。

さらに塾や習い事では、長時間机に向かう時間が増えます。

こうした生活が毎日のように続けば、首や肩の筋肉には長期間にわたって負担がかかり続けます。

その結果、筋肉の深部にコリが形成され、それが少しずつ蓄積していくことで、子どもでも肩こりを感じるようになると私は考えています。

わが家でも同じことが起きています

実は、これは患者さんだけの話ではありません。

高校2年生の娘も、肩がつらくなると「肩を押して」と言ってきます。

小学5年生の息子は肩こりの自覚はありませんが、実際に肩を触ってみると、すでに筋肉は硬くなっています。

自分の子どもたちを見ていても、子どもの肩こりは決して特別なことではなくなってきたと感じています。

これからさらに増えていくかもしれません

ゲームやスマホの時間は家庭である程度調整できます。

しかし、塾や習い事は将来のために必要なことも多く、簡単に減らすことはできません。

そう考えると、今後はこれらが子どもの肩こりを引き起こす大きな要因になっていく可能性があります。

私は約30年間、多くの患者さんを施術してきましたが、近年は肩こりの低年齢化を強く感じています。

子どもだから肩こりにならない時代ではありません。

大人と同じように、子どもでも首や肩への負担が長期間続けば、筋肉の深部にはコリが形成され、蓄積していきます。

もしお子さんが首や肩を気にする様子があったり、「疲れた」「頭が重い」と訴えることが増えてきたら、一度肩や首の状態にも目を向けてあげてください。

子どもの頃から筋肉の状態を整え、コリを蓄積させないようにすることは、大人になってからの肩こり予防にもつながると私は考えています。

 

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