目からうろこの整体コラム

朝起きたら首が動かない…寝違えはなぜ起こるのでしょうか?

朝目が覚めると、

「首が痛くて動かせない…」

そんな経験をされたことはありませんか?

いわゆる「寝違え」です。

当院でも、寝違えで来院される方は珍しくありません。

患者さんからは、

「変な格好で寝てしまったからでしょうか?」

と聞かれることがあります。

もちろん、寝ている時の姿勢がきっかけになることはあると思います。

しかし私は約30年間施術をしてきて、寝違えは一晩の寝相だけで起こるものではないと考えています。

その前から続いている、首や肩、背中の筋肉の状態が大きく関係しているからです。

 

寝違えは突然起きたように見えますが…

寝違えは、前の日まで何ともなかったのに、朝起きたら突然首が痛くなります。

そのため、

「寝ている間に首を傷めた」

と思われる方がほとんどです。

しかし実際に寝違えを起こした方の筋肉を確認すると、首や肩、背中の筋肉がかなり硬くなっていることが少なくありません。

私は、ここが重要だと考えています。

デスクワークやスマートフォン、車の運転、仕事のストレスなどによって同じ筋肉への負担が長期間続くと、筋肉にはコリが蓄積し、やがて深部まで固まっていきます。

それでも筋肉にまだ余裕があるうちは、普通に生活することができます。

ところが、コリの蓄積が増えて筋肉の余裕が少なくなった状態で、寝ている間に首へ負担がかかったり、寝返りや起き上がる際に急に動かしたりする。

それが最後のきっかけとなって強い痛みが出る。

私は寝違えを、このように考えています。

実は「首」だけが原因ではありません

「首が痛いから、首を傷めた。」

そう思われる方が多いのですが、私が施術で確認するのは首だけではありません。

特に重要なのが、

  • 背中の上部
  • 肩甲骨の内側
  • 肩周り

の筋肉です。

首を動かす時には、首だけが単独で動いているわけではありません。

首から肩、肩甲骨周辺、背中の上部まで、多くの筋肉が連動して動いています。

そのため、背中や肩甲骨周辺の筋肉が深部まで固まっていると、首を動かした時に強い痛みを感じることがあります。

実際、首そのものよりも、肩甲骨の内側や背中の上部に強いコリが蓄積している方を私は数多く見てきました。

寒い季節は筋肉がさらに緊張しやすくなります

寒い時には、無意識に肩をすくめたり、体に力を入れたりします。

もともと首や肩にコリが蓄積している方では、そこへ寒さによる筋肉の緊張が加わります。

さらに睡眠中は長時間同じ姿勢になることもあります。

こうした条件が重なったところへ寝返りなどの動きが加わることで、寝違えのきっかけになることがあると私は考えています。

つまり、寒さそのものが寝違えを起こすというよりも、もともと余裕の少なくなっている筋肉へ、さらに負担が加わると考えると分かりやすいと思います。

寝違えた時は無理に動かさないでください

寝違えて首に強い痛みがある時は、無理にストレッチをしたり、首をグルグル回したりすることはおすすめしません。

痛みが強い時には、まず無理な動きを避けることが大切です。

炎症を伴っている場合には、冷やすことで痛みが楽になることもあります。

そして急性期の強い痛みが落ち着いてきたら、首だけを見るのではなく、肩や肩甲骨周囲、背中まで含めて筋肉の状態を確認していきます。

※強い痛みが続く場合や、手のしびれ・力が入りにくい・発熱・外傷などを伴う場合は、医療機関を受診してください。

寝違えを繰り返す方には理由があります

患者さんの中には、

「年に何回も寝違えるんです。」

という方がいらっしゃいます。

私は、このような方ほど普段の筋肉の状態を見ることが大切だと考えています。

寝違えるたびに数日休んで痛みがなくなる。

すると、

「治った。」

と思います。

しかし、痛みがなくなったからといって、長年蓄積してきた深部のコリまでなくなったわけではありません。

そのまま以前と同じ生活を続ければ、再び筋肉へ負担が加わり、寝違えを繰り返すことがあります。

だから当院では、寝違えによって痛みが出ている場所だけではなく、

首・肩・肩甲骨周囲・背中の上部まで含めて、長年蓄積してきたコリを確認すること

を大切にしています。

まとめ

寝違えは、朝起きた時に突然起こるため、

「寝相が悪かったから首を傷めた」

と思われがちです。

しかし私は約30年間の施術経験から、その一晩だけが原因ではないことが多いと考えています。

デスクワークやスマートフォン、仕事のストレスなどによる負担が長期間続くことで、首や肩、肩甲骨周囲、背中の筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

そこへ睡眠中の姿勢や寝返りなどの負担が加わり、寝違えが起こる。

つまり、寝違えは突然起きても、その土台となる筋肉の状態は長い時間をかけて作られているということです。

何度も寝違えを繰り返している方は、その時の痛みだけではなく、普段から首や肩、背中にどれくらいコリが蓄積しているのかにも目を向けてみてください。

 

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膝が痛い=軟骨のすり減りとは限りません

テレビを見ていると、

「膝の痛みの原因は軟骨(関節のクッション)がすり減ることです。」

というCMをよく目にします。

もちろん、変形性膝関節症など、関節そのものの状態が痛みに関係している場合もあります。

しかし私は約30年間、延べ数万人の施術を行う中で、

「膝だけを見ていては分からない膝の痛み」

を数多く見てきました。

 

膝の痛みには筋肉も大きく関係しています

歩く。

階段を上り下りする。

椅子から立ち上がる。

私たちは毎日の生活の中で、何度も膝を使っています。

そして、その膝の動きを支えているのが、太ももやお尻、ふくらはぎなどの筋肉です。

長時間の立ち仕事や歩行、スポーツ、体重のかけ方などによって筋肉への負担が長期間続けば、筋肉には少しずつコリが蓄積し、やがて深部まで固まっていきます。

すると筋肉の柔軟性が失われ、膝を動かすたびに周囲の筋肉へ大きな負担がかかるようになります。

その結果、

  • 歩くと膝が痛い
  • 階段の上り下りがつらい
  • 椅子から立ち上がると痛む
  • 膝を曲げ伸ばししにくい

といった症状につながることがあります。

痛い場所と原因となる場所が同じとは限りません

膝が痛ければ、

「膝に原因がある」

と思うのは当然です。

しかし、膝の周囲には太ももの筋肉が付着しています。

そのため、太ももの筋肉が深部まで固まると、その影響が膝の周囲にまで及びます。

実際に施術をしていると、膝そのものではなく、太ももの筋肉の深い部分に強いコリが蓄積している方を非常によく見かけます。

つまり、

痛みを感じている場所と、その痛みに関係している場所が同じとは限らない

ということです。

これが、膝だけを温めたり湿布を貼ったりしても、なかなか改善しない方がいる理由の一つだと私は考えています。

長く痛みが続くほど、見る範囲も広くなります

膝の痛みが出始めたばかりの頃であれば、膝周囲の筋肉への負担が中心かもしれません。

しかし、その状態で何年も生活していると、痛い膝を無意識にかばうようになります。

すると今度は、

太ももの前側

太ももの内側・外側

太ももの裏側

お尻

というように、周囲の筋肉にも負担が広がっていきます。

さらに長期間になれば、歩き方そのものが変わり、反対側の脚や腰にまで負担が及ぶこともあります。

だから私は、慢性的な膝痛ほど膝だけを見ていてはいけないと考えています。

当院では脚全体の筋肉を確認します

当院では、膝が痛いからといって膝だけを施術することはほとんどありません。

まず、

  • 太ももの前側
  • 太ももの内側・外側
  • 太ももの裏側
  • お尻
  • ふくらはぎ

など、膝を支えている筋肉を広く確認します。

そして、どこの筋肉に負担が集中し、どこまでコリが蓄積しているのかを確認しながら施術を行います。

長年かけて深部まで固まったコリは、一度ですべて取り除けるものではありません。

少しずつコリの蓄積を減らし、筋肉に余裕を取り戻していくことで、膝への負担も減らしていく。

これが当院の膝痛に対する基本的な考え方です。

レントゲンだけでは分からないこともあります

もちろん、膝の痛みには、

  • 変形性膝関節症
  • 半月板損傷
  • 靱帯損傷
  • 炎症

など、さまざまな原因があります。

強い痛みや腫れがある場合や、急に歩けなくなった場合などは、まず整形外科で状態を確認することが大切です。

一方で、レントゲンで変形が見つかったからといって、変形の程度と痛みの強さが必ず一致するとは限りません。

実際、変形があっても痛みがほとんどない方もいれば、それほど大きな変形がなくても強い痛みを感じる方もいます。

私は約30年間の施術経験から、この違いを考えるうえでも、膝を支えている筋肉の状態を見ることが非常に大切だと考えています。

まとめ

膝が痛くなると、

「軟骨がすり減ったから仕方がない」

と思ってしまう方は少なくありません。

もちろん、関節そのものの状態が痛みに関係している場合もあります。

しかし私は約30年間の施術経験から、膝を支えている筋肉への長期間の負担によってコリが蓄積し、深部まで固まっていることも、膝の痛みを考えるうえで重要だと考えています。

だから私は、痛みが出ている膝だけではなく、太もも、お尻、ふくらはぎまで含めて脚全体の筋肉を確認します。

膝が痛いからといって、原因まで膝にあるとは限りません。

長年膝の痛みで悩んでいる方ほど、膝だけではなく、その膝を支え続けている筋肉の状態にも目を向けてみてください。

 

 

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いつも同じ側が痛い…その原因は「軸足」が変わっているからかもしれません

「いつも片側のお尻だけが張る。」

「腰痛がいつも同じ側に出る。」

「坐骨神経痛のような症状が片側ばかりに出る。」

このような方を施術していると、私は筋肉の硬さだけでなく、普段どちらの足に体重をかけているのかも確認するようにしています。

なぜなら約30年間、多くの患者さんを施術してきた中で、昔のケガなどをきっかけに軸足が変わっている方では、片側のお尻や腰への負担がより強くなり、症状につながりやすい傾向があると感じているからです。

ただし、軸足が変われば必ず症状が出るという意味ではありません。

まずは、そもそも人の体が左右均等ではないというところからお話ししたいと思います。

 

人の体は、もともと左右同じではありません

私たちの体には、

  • 利き手
  • 利き足
  • 軸足

があり、左右で役割が違います。

そのため私は、左右の筋肉がまったく同じ状態であることが理想だとは考えていません。

例えば、右足でボールを蹴る方を考えてみましょう。

ボールを蹴るのは右足。

その時、体を支えているのは左足です。

この場合、

右足=動作をする利き足

左足=体を支える軸足

という役割になります。

普段何気なく立っている時にも、左足へ体重を乗せることが多ければ、当然、左のお尻や太ももの筋肉には右側よりも負担がかかります。

実際に施術をしていても、右足が利き足で左足が軸足の方では、左のお尻の筋肉の方が右より固くなっているケースを非常によく見ます。

これは必ずしも異常なことではありません。

左右の筋肉が同じように使われているわけではない以上、コリの蓄積にも左右差があるのは自然なことだと私は考えています。

軸足側が固いからといって、必ず症状が出るわけではありません

体を支える軸足側には、毎日の生活の中で負担がかかり続けます。

その負担が長期間続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで固まっていきます。

そのため、軸足側のお尻を触るとかなり固くなっている方は珍しくありません。

しかし、固いからといって必ず痛みやしびれが出るわけではありません。

かなりコリが蓄積していても、本人にはほとんど自覚症状がない方もいらっしゃいます。

もちろん反対に、通常の軸足側に腰痛やお尻の痛み、坐骨神経痛のような症状が出る方もいらっしゃいます。

つまり、

「軸足だから症状が出る」

あるいは、

「軸足だから症状が出ない」

と単純に決められるものではありません。

ただ私は、長年施術をしてきた中で、少し気になる傾向を感じるようになりました。

それが、昔のケガなどによって軸足が変わっている方です。

昔のケガをきっかけに軸足が変わることがあります

例えば、本来左足が軸足だった方が、左足首を強く捻挫したとします。

痛みがある間は、当然その足へ体重をかけたくありません。

そこで無意識に右足へ体重を逃がして生活するようになります。

これは傷めた場所を守るための自然な反応です。

やがて捻挫そのものが治り、普通に歩けるようになります。

ところが、ケガをしていた時に身についた体重のかけ方だけが、その後も残ってしまう方がいらっしゃいます。

すると、本来左足が担っていた「体を支える役割」を、右足が担うようになります。

私は、このような状態を施術の中で何度も見てきました。

利き足が軸足の仕事までするようになります

ここが、私が重要だと考えているところです。

もともと右足が利き足だったとします。

右足は本来、歩いたり、蹴ったり、さまざまな動作をする側です。

ところが左足のケガなどをきっかけに軸足が右へ移ると、

利き足として動く役割

に加えて、

軸足として体を支える役割

まで右足が担うようになります。

すると右側のお尻や太もも、腰の筋肉には、それまで以上の負担がかかるようになります。

そして、その状態が何年も続けば、筋肉にはコリが蓄積し、深部まで強く固まっていきます。

私は、こうして本来とは違う体の使い方が長期間続いている方では、通常の軸足の状態よりも筋肉への負担が大きくなり、症状につながりやすい傾向があると考えています。

腰痛や坐骨神経痛のような症状につながることもあります

私の施術経験では、軸足が変わっている方に、

  • 片側のお尻の強い張り
  • 腰痛
  • お尻から脚にかけての痛み
  • 坐骨神経痛のような症状

が見られることがあります。

もちろん、軸足が変わった人すべてに、このような症状が出るわけではありません。

また、軸足が変わっていなくても、通常の軸足側に症状が出る方もいらっしゃいます。

坐骨神経痛にも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、さまざまな原因があります。

ですから私は、

「坐骨神経痛の原因は軸足です」

と考えているわけではありません。

ただ、約30年間多くの患者さんを施術してきた中で、昔のケガなどによって軸足が変わり、片側の筋肉へ通常以上の負担が長期間かかっていることが、症状を出しやすくする要因の一つになっているケースがあると考えています。

だから私は「昔のケガ」を聞きます

腰痛や坐骨神経痛で来院された方に、

「昔、足首を捻挫したことはありませんか?」

「膝の靱帯を傷めたことはありませんか?」

「足を骨折したことはありませんか?」

と、一見すると現在の症状とは関係なさそうなことまでお聞きすることがあります。

それは、今痛い場所だけを見ていては、なぜその側の筋肉にこれほど負担がかかっているのか分からないことがあるからです。

昔のケガをかばう。

体重のかけ方が変わる。

軸足が変わる。

片側の筋肉への負担が増える。

その状態が何年も続き、深部までコリが蓄積する。

私は、このような流れが隠れていないかを確認しています。

体重のかけ方だけを無理に直せばいいわけではありません

では、

「右に体重をかけているなら、今日から左にかければいい。」

ということなのでしょうか。

私は、そんなに単純ではないと考えています。

何年、何十年と同じ体の使い方を続けていれば、それに合わせて筋肉にもコリが蓄積し、深部まで固まっています。

その状態のまま、

「反対側に体重をかけましょう。」

と意識だけで変えようとしても、体にとってはかえって不自然で疲れることがあります。

だから私はまず、長年負担を受け続けてきた筋肉の深部のコリを少しずつ取り除き、自然に体重移動をしやすい状態へ戻していくことを大切にしています。

そのうえで、必要に応じて普段の立ち方や体の使い方にも目を向けていきます。

まずはご自身の立ち方を確認してみてください

一度、何も意識せずに立ってみてください。

どちらの足に体重が多く乗っているでしょうか?

そして、

「利き足はどちらか?」

「昔、大きなケガをした足はどちらか?」

「いつも痛くなるのはどちら側か?」

も思い出してみてください。

昔のケガと現在の体重のかけ方を比べてみると、意外なつながりが見つかるかもしれません。

まとめ

人の体は、もともと左右均等に使われているわけではありません。

利き足と軸足にはそれぞれ役割があり、通常でも軸足側の筋肉には負担がかかり、反対側よりコリが蓄積していることが多くあります。

それ自体を私は異常だとは考えていません。

もちろん、その通常の軸足側に腰痛や坐骨神経痛のような症状が出る方もいらっしゃいます。

ただ私は約30年間の施術経験から、昔のケガなどをきっかけに軸足が反対側へ変わった方では、その側の筋肉への負担がさらに大きくなり、症状につながりやすい傾向があると感じています。

だから私は、現在痛い場所だけではなく、

昔のケガ、利き足と軸足、普段の重心のかけ方、そして左右の筋肉の状態

まで確認しながら施術を行っています。

「なぜか、いつも同じ側だけ痛くなる。」

そんな方は、今痛い場所だけでなく、昔のケガをきっかけに体の使い方が変わっていないかという視点から、一度ご自身の体を見てみてください。

 

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ストレートネックには「先天的」と「仮性」があると私は考えています

最近、「ストレートネックを改善しましょう」という言葉を、テレビやインターネットでよく見かけるようになりました。

以前は、ストレートネックは治らないものとして説明されることが多かったように思います。

それなのに、最近は「改善できる」と言われる。

これは、どういうことなのでしょうか。

私は約30年間、患者さんの首や肩を見てきた経験から、ストレートネックと呼ばれている状態を、次の二つに分けて考えています。

  • 先天的なストレートネック
  • 仮性ストレートネック

これは医学的な正式名称ではなく、患者さんへ分かりやすく説明するために、私が使っている言葉です。

 

本来、背骨には緩やかなカーブがあります

人間の背骨は、横から見ると緩やかなS字を描いています。

これを生理的湾曲と呼びます。

首、背中、腰にそれぞれカーブがあることで、頭や上半身の重さを分散し、体への負担を和らげています。

ただし、背骨のカーブには個人差があります。

首の骨である頚椎のカーブがもともと緩く、横から見た時にまっすぐに近い方もいます。

私は、このように生まれつき、あるいは体の構造として首のカーブが少ないタイプを、先天的なストレートネックと呼んでいます。

この場合、首の形そのものを無理に変えようとする必要はないと考えています。

首のカーブが少ないからといって、必ず肩こりや首の痛みが出るわけでもありません。

大切なのは首の形だけを見るのではなく、実際に症状があるか、頭をどの位置で支えているか、周囲の筋肉がどの程度固まっているかを見ることです。

仮性ストレートネックとは?

一方、もともとの骨格ではなく、日常生活での姿勢や筋肉のコリによって、頭が前へ出ている方もいます。

私はこの状態を、仮性ストレートネックと呼んでいます。

現代は、

  • スマートフォンを見る
  • ノートパソコンを使う
  • デスクトップの画面をのぞき込む
  • 長時間うつむいて作業する

といった生活が増えています。

下を向いたり、顎を前へ突き出した姿勢を毎日何時間も続け、それを何年も繰り返していると、首だけでなく肩や背中の筋肉にも負担がかかり続けます。

そして、長期間にわたって同じ負担が続くことで、首・肩・背中の筋肉には深部までコリが形成され、蓄積していきます。

筋肉は骨に付着しています。

その筋肉が強くこわばり、縮んだ状態が続けば、頭や首、背中の位置にも影響します。

その結果、

  • 頭が前へ出る
  • 顎が突き出る
  • 背中が丸くなる
  • 肩が前へ入る
  • 首のカーブが少なく見える

という状態になっていきます。

これが、私の考える仮性ストレートネックです。

頭を前へ出した姿勢が固定されていきます

最初のうちは、仕事やスマートフォンを見ている時だけ頭が前へ出ていたのかもしれません。

しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なることで、首・肩・背中の筋肉には深部までコリが蓄積していきます。

すると、パソコンやスマートフォンを使っていない時でも、頭が前へ出た姿勢が残るようになります。

本人は自然に立っているつもりでも、横から見ると肩よりもかなり前に頭が出ていることがあります。

頭は重いため、その位置が前へ出るほど、首や肩の筋肉は強い力で支え続けなければなりません。

その結果、

  • 首こり
  • 肩こり
  • 背中の張り
  • 頭痛
  • 眼精疲労
  • 首の動かしにくさ

などにつながることがあります。

姿勢を意識するだけでは戻ってしまいます

頭が前へ出ていることに気づくと、多くの方は、

「姿勢を良くしよう」

「胸を張ろう」

「顎を引こう」

と努力します。

もちろん、姿勢を意識することは大切です。

ただし、すでに首・肩・背中の筋肉に深部までコリが蓄積していると、意識だけで良い姿勢を保つのは難しくなります。

無理に胸を張ったり顎を引いたりしても、すぐに疲れて元の姿勢へ戻ってしまいます。

私はこれは、固まった筋肉が骨格を引っ張り、長年続けてきた姿勢へ体を戻そうとするためだと考えています。

ですから、姿勢を直してもすぐに戻ってしまう方ほど、姿勢だけを意識するのではなく、まず筋肉の状態を整えることが大切です。

改善できるのは「仮性」の部分です

先天的なストレートネックは、もともとの骨格的な特徴です。

一方、仮性ストレートネックは、長年の姿勢による負担と、それによって蓄積した筋肉のコリが大きく関係していると私は考えています。

そのため、首・肩・背中の深部に蓄積したコリを少しずつ取り除いていくことで、筋肉が骨格を引っ張る力も弱くなっていきます。

すると、無理に胸を張ったり顎を引いたりしなくても、自然に頭を肩の上へ戻しやすい状態になっていきます。

私は、「ストレートネックを改善する」ということは、首の骨を無理に曲げることではなく、

頭が前へ出た状態をつくっている筋肉のコリを減らし、自然な姿勢を取りやすい体へ戻していくこと

だと考えています。

背骨の形だけに振り回されないでください

ストレートネックと言われると、

「首の骨が変形してしまった」

「もう元には戻らない」

「将来もっと悪くなるのではないか」

と不安になる方もいます。

しかし、首のカーブが少ないことだけで、症状のすべてが決まるわけではありません。

私が重要だと考えているのは、

  • 頭がどの位置にあるか
  • 首・肩・背中の筋肉がどの程度固まっているか
  • 自然に姿勢を保てるか
  • 首や肩に実際の症状があるか

という点です。

先天的なストレートネックそのものを無理に変えようとするのではなく、長年の負担によって深部に蓄積したコリを減らし、自然な姿勢を取りやすい状態へ戻していく。

私はその方が大切だと考えています。

知らないうちに、肩よりも頭が前へ出ていないでしょうか。

鏡を横から見たり、ご家族に姿勢を確認してもらったりして、一度ご自身の頭の位置を確認してみてください。

 

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朝起きると腰が痛い・肩がこるのは、寝具のせいなのでしょうか?

朝起きた時に、

「腰が痛い」

「肩がいつも以上にこっている」

「首が重い」

と感じる方は少なくありません。

そんな時、

「布団が合っていないのかな?」

「枕が悪いのかな?」

と考える方も多いのではないでしょうか。

実際、患者さんからも、

「朝起きると肩がこっているので、枕を何度も買い替えました。」

というお話をよく伺います。

テレビやインターネットでも、「腰痛にはこのマットレス」「肩こりにはこの枕」といった情報をよく見かけます。

では、本当に寝具が原因なのでしょうか?

私は約30年間、多くの肩こりや腰痛の患者さんを施術してきましたが、朝の症状を寝具だけの問題として考える必要はないと思っています。

 

朝つらい方は、もともとのコリが強いことがあります

私がまず確認するのは、枕や布団よりもその方の筋肉の状態です。

慢性的な肩こりや腰痛では、長期間にわたって同じような負担が続くことで、筋肉の深部までコリが形成され、蓄積していきます。

日中は歩いたり、体を動かしたり、姿勢を変えたりしています。

ところが睡眠中は、長時間あまり体を動かさない時間が続きます。

そのため、もともと深部までコリが蓄積している方ほど、朝起きた時に、

「固まっている」

「動き始めが痛い」

「肩がいつも以上に重い」

と感じやすいのではないかと、私は考えています。

起きてしばらくすると楽になりませんか?

ここで一つ、思い当たることはないでしょうか。

朝起きた直後はつらい。

ところが、顔を洗って、朝食をとって、仕事へ行く準備をして……

2〜3時間もすると、いつの間にか朝より楽になっている。

このような方は少なくありません。

体を動かし始めることで筋肉も動き、血流も変化していきます。

私は、この**「動き始めると楽になる」**という特徴も、朝の症状に筋肉の状態が関係していると考える一つの材料にしています。

もし枕や布団だけが原因なのであれば、起きて数時間後に症状が軽くなることを、それだけでは説明しにくいケースもあると思います。

では、枕や布団は何でもいいのでしょうか?

もちろん、そういうわけではありません。

寝具が体へ与える影響もあります。

例えば、体が大きく沈み込むほど柔らかい寝具では、寝ている間に腰へ負担がかかる方もいます。

枕についても、高すぎるものでは首が不自然に曲がった状態が長時間続くため、首や肩へ負担がかかることがあります。

ですから、

「極端に柔らかく沈み込む寝具」

「首が大きく曲がってしまうほど高い枕」

などは避けた方がよいでしょう。

そのうえで、私は寝具に必要以上に神経質になる必要はないと考えています。

枕を何度替えても肩こりが変わらないのはなぜ?

これも患者さんからよく伺う話です。

「肩こりに良いと言われる枕を買った。」

「オーダーメイドの枕も作った。」

「それでも朝の肩こりが変わらない。」

なぜでしょうか。

私は、枕を替えても、すでに首や肩の深部に蓄積しているコリそのものがなくなるわけではないからだと考えています。

何年もかけて深部まで固まった筋肉が、枕を替えただけで柔らかくなるわけではありません。

これは腰痛でも同じです。

マットレスを替えることで寝心地が良くなったり、睡眠中の体への負担が減ったりすることはあります。

しかし、長年蓄積している腰の深部のコリまで、それだけでなくなるわけではありません。

だから私は、寝具を替えても朝の症状が変わらない方ほど、寝具だけではなく筋肉の状態を見ることが大切だと考えています。

昔は同じ布団で寝ても平気ではありませんでしたか?

私はここも大切なポイントだと思っています。

今使っている布団や枕で、以前は普通に眠れていた。

ところが、いつの頃からか朝起きると腰が痛くなったり、肩がこるようになった。

そんな方もいらっしゃいます。

寝具が大きく変わっていないのであれば、

変わったのは寝具ではなく、自分の筋肉の状態かもしれません。

毎日の仕事や家事、パソコンやスマートフォン、姿勢などによる負担が何年も続くことで、筋肉の深部には少しずつコリが蓄積していきます。

そして筋肉の余裕が少なくなってくると、以前なら何ともなかった睡眠中の姿勢や長時間動かないことでも、朝につらさを感じるようになることがあります。

高価な寝具を買う前に考えてほしいこと

私は、腰痛や肩こりがあるからといって、必ずしも高価なマットレスや枕を購入する必要はないと考えています。

もちろん、寝心地が良く、自分に合った寝具を使うことは大切です。

しかし、

「朝腰が痛いからマットレスが悪い」

「朝肩がこるから枕が悪い」

と、すべてを寝具のせいにしてしまうのは少し違うと思います。

寝具を何度替えても症状が変わらないのであれば、一度、寝具ではなく自分の筋肉の状態にも目を向けてみてください。

まとめ

朝起きた時の腰痛や肩こりは、寝具だけが原因とは限りません。

私は約30年間の施術経験から、朝の症状が強い方では、首・肩・腰などの筋肉に長期間の負担がかかり、深部までコリが蓄積しているケースを数多く見てきました。

特に、

朝起きた直後はつらいのに、動き始めて2〜3時間すると楽になる

という方は、筋肉の状態にも目を向けてみてよいと思います。

もちろん、自分に合った寝具を使うことも大切です。

しかし、枕やマットレスを替えるだけでは、長年かけて深部に蓄積したコリそのものがなくなるわけではありません。

大切なのは、

寝具による負担を減らすことと、深部まで蓄積したコリを少しずつ取り除き、筋肉に余裕を取り戻していくこと。

私は、こちらの両方から考えることが、慢性的な朝の腰痛や肩こりには大切だと思っています。

 

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肩こりがなかなか改善しない理由。コリは少しずつ蓄積します

肩こりがなかなか改善しない理由を考える時は、まず、どのようにして慢性的な肩こりになったのかを考える必要があります。

原因が分かれば、改善するために必要なことも見えてくるからです。

仕事や家事で肩がこっても、軽いものであれば、一晩眠ったり体を休めたりすることで楽になることがあります。

ところが、毎日のようにパソコン作業を続けたり、同じ姿勢で過ごしたりしていると、次第に一晩休んだだけでは肩の重さが抜けなくなってきます。

私はこのような状態を、コリが少しずつ蓄積している状態だと考えています。

 

軽い肩こりは、休むことで回復します

筋肉には、本来ある程度の柔軟性があります。

長時間同じ姿勢を続けたり、肩に力を入れ続けたりすると、一時的に筋肉が緊張して肩こりを感じます。

この段階で十分に休み、筋肉への負担が減れば、軽い肩こりは自然に楽になることもあります。

ただし、毎日同じ負担が繰り返されると、筋肉が十分に回復しないまま、次の疲労が重なっていきます。

一晩休んで楽になったように感じても、回復しきれなかった筋肉の緊張は少しずつ残ります。

そして、この状態が長期間繰り返されることで、筋肉の深部にコリが形成され、少しずつ蓄積していきます。

私は、このように長期間の負担によって筋肉の深部まで固くなっていく状態を、**「コリが蓄積する」**と表現しています。

コリは少しずつ深部へ蓄積していきます

肩こりを繰り返していても、初めのうちはそれほど強い症状が出ないことがあります。

筋肉にまだ余裕があり、休息によってある程度回復できるからです。

しかし、同じような負担が何年も続くと、筋肉の柔軟性は次第に失われ、表面だけではなく深部までコリが蓄積していきます。

そして筋肉の余裕が少なくなってくると、

「一晩寝ても肩こりが抜けない」

「朝から肩が重い」

「少し仕事をしただけでつらくなる」

「首まで動かしにくい」

といった慢性的な肩こりへと変わっていきます。

さらに人によっては、頭痛や眼精疲労などの症状につながることもあります。

これが、私が考える慢性的な肩こりの一つの過程です。

表面だけをほぐしても、すぐ戻ってしまいます

肩こりがつらい時に、肩を揉んでもらうと一時的に楽になることがあります。

表面の筋肉が緩み、血流が変化するためです。

ところが、しばらくすると、

「また元に戻ってしまった」

と感じる方も少なくありません。

私はその大きな理由の一つが、表面の筋肉は緩んでも、長年かけて深部に蓄積したコリが残っていることだと考えています。

何年もかけて深部まで固くなった肩こりは、表面を少しほぐしただけでは十分には変わりません。

そのため、その場では楽になっても、しばらくすると再び肩の重さやコリを感じるようになります。

深部のコリを一度ですべて取ることはできません

では、深部まで固まった慢性的な肩こりは、もう改善できないのでしょうか。

そのようなことはありません。

ただし、長年かけて蓄積したコリを、一度の施術ですべて取り除くことはできません。

数年、あるいは何十年という長い期間をかけて固まった筋肉を、わずか一度の施術で元の柔らかい状態へ戻すことは難しいからです。

私は約30年間の施術経験から、筋肉には**「形状記憶」のような性質がある**と考えています。

これは医学的な正式な表現ではなく、患者さんへ筋肉の変化を分かりやすく説明するために私が使っている言葉です。

筋肉が柔らかい状態で長く過ごしていれば、その状態を保ちやすくなります。

反対に、筋肉が固まった状態で何年も過ごしていると、その固い状態が体にとって当たり前になっていきます。

そのため、一度の施術で肩が楽になったとしても、しばらくすると筋肉は長年慣れた固い状態へ戻ろうとします。

これが、施術後には楽になったのに、数日すると再び肩こりを感じる理由の一つだと、私は考えています。

長期間かけて固まったコリには、改善にも時間が必要です

施術を重ねながら深部のコリを少しずつ取り除いていくと、筋肉は徐々に柔らかい状態を保ちやすくなっていきます。

最初は施術後すぐに戻っていたものが、

  • 楽な状態が数日続く
  • 以前より戻りが遅くなる
  • 朝の肩こりが軽くなる
  • 仕事をしてもつらくなりにくくなる
  • 良い状態を保てる期間が伸びる

というように変化していきます。

そして、柔らかい状態で過ごす時間が長くなるにつれて、以前の固い状態へ戻りにくくなっていきます。

私はこれを、固い状態を当たり前としていた筋肉を、時間をかけて柔らかい状態へ変えていく過程だと考えています。

長期間かけて固まった筋肉には、それを改善するためにも相応の時間が必要です。

一度の施術で結果を求めるのではなく、戻りを繰り返しながらも、少しずつ良い状態を長く保てるようにしていく。

それが、慢性的な肩こりを改善していく過程です。

肩こりが戻ることにも意味があります

施術後に肩が楽になっても、数日後にまたコリを感じることがあります。

そのため、

「結局、治っていないのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、長年固まっていた筋肉が、一度の施術ですぐに柔らかい状態を維持できるわけではありません。

大切なのは、戻ったかどうかだけを見ることではありません。

  • 戻るまでの期間が長くなったか
  • 戻った時のつらさが以前より軽いか
  • 朝の肩こりが減ってきたか
  • 仕事をしても悪化しにくくなったか
  • 良い状態を保てる時間が伸びているか

こうした変化を見ることが重要です。

私は、このような変化を確認しながら、深部のコリがどの程度減ってきているのかを判断しています。

日常生活の負担も見直す必要があります

施術で深部のコリを減らしても、毎日同じ負担をかけ続ければ、新たなコリは蓄積していきます。

特に、

  • 長時間のパソコン作業
  • スマートフォンを見る姿勢
  • 肩をすくめた状態
  • 同じ側でバッグを持つ習慣
  • 睡眠不足
  • 運動不足

などは、首や肩の筋肉へ負担をかけ続ける要因になります。

そのため、施術だけでなく、日常生活で筋肉へかけている負担を少しずつ減らすことも重要です。

30分から1時間に一度は姿勢を変える、肩の力を抜く、画面の高さを調整するなど、小さな工夫でも、それを毎日続けることが大切です。

慢性的な肩こりでも、諦める必要はありません

くすのきカイロプラクティックでは、開業以来、筋肉の表面だけではなく、深部に蓄積したコリを丁寧に確認する施術を続けてきました。

何年も肩こりが続いている方では、長期間にわたる負担によって、筋肉の深部までコリが蓄積しています。

肩こりは、ある日突然できたものではありません。

毎日の負担と、回復しきれなかった筋肉の緊張が長い年月をかけて積み重なり、深部のコリとなっていったものだと私は考えています。

だからこそ、改善にも時間が必要です。

しかし、表面だけではなく深部のコリを少しずつ取り除き、日常生活で新たな負担を蓄積させないようにしていくことで、筋肉には少しずつ余裕が戻ってきます。

一度楽になることではなく、楽な状態が以前より長く続くようになること。

私は約30年間の施術経験から、これが慢性的な肩こりが改善していく時に見られる、とても大切な変化だと考えています。

 

 

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ぎっくり腰は、痛みが引いてからが大切です

ぎっくり腰を起こした時の対処法について、患者さんから聞かれることがよくあります。

以前にもこのテーマで記事を書いたことがありますが、今読み返すと、当時は「発症直後にどう対処するか」という部分に重点を置いていました。

もちろん、ぎっくり腰を起こした直後の対応は大切です。

ただ、約30年間患者さんの腰を見てきた現在は、ぎっくり腰は急性期が終わった後のケアこそ重要だと考えています。

痛みが引いたからといって、腰の状態まで元に戻っているとは限らないからです。

 

ぎっくり腰と慢性腰痛は同じではありません

慢性的な腰痛では、仕事や家事、長時間の座り姿勢などによる負担が長期間続くことで、腰やお尻の筋肉の深部にコリが少しずつ蓄積していきます。

一方、ぎっくり腰は、

「朝、顔を洗おうとして前かがみになった時」

「床の物を取ろうとした時」

「靴下を履こうとした時」

「立ち上がろうとした時」

など、何気ない動作をきっかけに突然強い痛みが出ます。

しかし私は、その時の動作だけが原因ではないと考えています。

長年の負担によって腰やお尻の深部にコリが蓄積し、筋肉の柔軟性や余裕が少なくなっている。

そこへ前屈やひねりなどの動作が加わり、最後のきっかけとなって筋肉やその周囲の組織を傷める。

私は、ぎっくり腰の多くをこのように考えています。

ぎっくり腰の直後には、筋肉やその周囲の組織を傷め、炎症を疑う反応が見られることも多いため、発症直後から深部を強く施術することはしていません。

まずは急性期の反応が落ち着くことが大切です。

ぎっくり腰は朝に起こりやすい

約30年間患者さんを見ていると、ぎっくり腰を朝の時間帯に起こしたという方がとても多くいらっしゃいます。

「朝、顔を洗おうとして前かがみになった時」

「起きて靴下を履こうとした時」

「朝、床の物を取ろうとした時」

などです。

私は、これには朝という時間帯の体の状態も関係していると考えています。

睡眠中は長時間ほとんど体を動かしません。

そのため、起床時は日中に活動している時に比べて筋肉の血流が少なく、腰の筋肉も固まった状態になりやすくなります。

特に慢性的な腰痛がある方では、長年の負担によって、すでに腰やお尻の筋肉の深部にコリが蓄積しています。

そこへ睡眠中の長時間の不動が加わるため、朝起きた時には、さらに腰が固まった状態になりやすいのです。

実際、慢性腰痛の方から、

「朝起きた時が一番つらい」

「起きてしばらく動いていると楽になる」

という話をよく伺います。

体を動かし始めることで筋肉も動き、血流も増えてくるため、時間が経つにつれて腰が動かしやすくなっていきます。

逆に考えれば、起床直後は、慢性腰痛のある方にとって、ぎっくり腰を起こすリスクが高くなる時間帯だと私は考えています。

深部にコリが蓄積し、さらに朝で固まっている腰へ、前かがみやひねりなどの動作が加わる。

それが最後のきっかけとなって、ぎっくり腰を起こすのです。

そのため、慢性腰痛がある方や、ぎっくり腰を繰り返している方は、朝起きてすぐに深く前屈したり、腰を強くひねったりしないことも大切です。

まずはゆっくり起き上がり、少し体を動かしてから一日の動作に入るようにしてください。

発症直後は、無理をしないことが第一です

ぎっくり腰を起こした直後は、仕事や家事を無理に続けず、腰へ大きな負担をかける動作を避けてください。

特に、

  • 重い物を持つ
  • 中腰を繰り返す
  • 痛みを我慢して強く伸ばす
  • 無理に運動する
  • 強く揉む

といったことは避けた方がよいでしょう。

ただし、「安静」といっても、何日間も寝たきりになる必要はありません。

トイレや食事など、痛みが強くならない範囲の日常動作は行いながら、無理な動きだけを控えるという考え方です。

冷やすか温めるかは、体の反応を見ます

発症直後に熱っぽさやズキズキする痛みがあり、冷やすと楽になる場合は、保冷剤をタオルで包み、10〜15分ほど当てる方法があります。

冷やし続けるのではなく、皮膚の状態を確認しながら短時間にしてください。

一方で、温めた方が楽に動ける方もいます。

そのため、すべてのぎっくり腰に対して、

「必ず3日間冷やす」

「お風呂は絶対に禁止」

と一律に決める必要はないと考えています。

ただし、発症直後に長風呂をしたり、熱い湯に無理に入ったりする必要はありません。

浴槽への出入りが不安な場合は、シャワーで済ませる方が安全です。

翌朝に痛みが強くなることがあります

ぎっくり腰は、痛めた瞬間よりも、その日の夜から翌朝にかけて痛みが強くなることがあります。

傷めた組織の反応に加え、寝ている間は腰を動かす機会が少ないため、起床時には筋肉もこわばっています。

そのため、発症当日に無理をして動き続けると、翌朝さらに動きにくくなることがあります。

最初のうちは、動作をゆっくり行い、寝返りや起き上がりで腰を大きくひねったり、一気に立ち上がったりしないようにしてください。

「痛みが引いた=治った」ではありません

ぎっくり腰の強い痛みは、数日かけて少しずつ落ち着いていくことがあります。

この段階で多くの方は、

「もう治った」

と思います。

しかし、私はここからが非常に重要だと考えています。

急性期の炎症や強い痛みが落ち着いても、傷めた場所や、それをかばって働いた周囲の筋肉には硬さが残ります。

さらに、ぎっくり腰を起こす以前から深部に蓄積していたコリも、そのまま残っています。

つまり、

痛みがなくなったことと、腰の筋肉が元の良い状態へ戻ったことは同じではありません。

痛みは軽くなっても、

「腰が重い」

「前屈がしにくい」

「朝だけ腰が固い」

「長時間座ると張る」

「また同じ動作で痛めそうで怖い」

といった状態が残ることがあります。

私は、この状態をそのままにすることが、慢性腰痛やぎっくり腰の再発につながる一因になると考えています。

ぎっくり腰を繰り返す方の腰には特徴があります

約30年間施術をしていると、ぎっくり腰を何度も繰り返している方には、共通する特徴を感じます。

痛みがない時でも、腰やお尻の深部に強いコリが蓄積している方が非常に多いのです。

一度目のぎっくり腰の後、強い痛みだけが引き、そのままにしてしまう。

すると、筋肉の柔軟性が十分に戻らないまま、仕事や家事を再開することになります。

そこへ再び毎日の負担が積み重なり、深部のコリがさらに蓄積していく。

そして筋肉の余裕が少なくなったところで、何気ない動作をきっかけに再びぎっくり腰を起こす。

このような経過を、私は数多く見てきました。

最初は数年に一度だったものが、

「年に一度」

「数か月に一度」

「少し疲れるだけで腰に不安を感じる」

という状態へ変わっていく方もいます。

「ぎっくり腰は癖になる」と言われることがありますが、私は、ぎっくり腰そのものが癖になるというより、腰の深部にコリが残り、再び傷めやすい状態が続いていることが大きいと考えています。

急性期が終わった後に、深部の筋肉を整えます

当院では、ぎっくり腰の痛みが強い急性期に、無理に深部を刺激することはしません。

強い痛みや熱感が落ち着き、少しずつ動けるようになってから、腰やお尻の筋肉の状態を確認します。

そして、傷めた場所の周囲だけではなく、かばうことで固くなった筋肉、腰を支えている臀部、そしてぎっくり腰を起こす以前から深部に蓄積していたコリまで確認していきます。

ここが、私はとても大切だと考えています。

ぎっくり腰になって固くなった部分だけを見るのではありません。

なぜ、その腰がぎっくり腰を起こすところまで余裕を失っていたのか。

そこまで考えて筋肉の状態を整えていく必要があります。

私は約30年間の施術経験から、ぎっくり腰は急性期を乗り切って終わりではないと強く感じています。

炎症が落ち着く前に無理な施術をするのではありません。

急性期が終わった後だからこそ、腰やお尻の深部に残っているコリを少しずつ取り除き、筋肉の柔軟性を取り戻していく。

それが、慢性腰痛への移行や再発を防ぐうえで大切だと考えています。

すぐに医療機関へ相談した方がよい症状

次のような症状がある場合は、単なるぎっくり腰と決めつけず、早めに医療機関へ相談してください。

  • 足に強い力が入らない
  • 両脚にしびれが広がる
  • 尿や便が出にくい、または漏れる
  • 股の周囲の感覚がおかしい
  • 発熱や強い体調不良がある
  • 転倒や事故の後に強い痛みが出た
  • 痛みが急速に悪化している

また、強い痛みが長く続く場合も、一度きちんと検査を受けることが大切です。

ぎっくり腰は、その後のケアまでが対処です

ぎっくり腰を起こした直後は、無理をせず、急性期の反応が落ち着くのを待つ。

少し動けるようになったら、無理のない範囲で日常生活へ戻していく。

そして痛みが引いた後は、腰やお尻の深部に残っているコリを少しずつ取り除き、筋肉の柔軟性を取り戻していく。

私は、この三段階が大切だと考えています。

そして、ぎっくり腰を繰り返している方には、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。

朝起きた直後は、腰が一日の中でも固まっている時間帯です。

特に慢性腰痛があり、すでに腰の深部にコリが蓄積している方では、朝はさらに腰に余裕がなくなっています。

顔を洗う、靴下を履く、床の物を取る。

そんな何気ない動作が最後のきっかけになることがあります。

痛みが引いた=腰が元の状態に戻った、ではありません。

ぎっくり腰を何度も繰り返している方や、その後から慢性的な腰痛が続いている方は、「痛みがなくなったから大丈夫」で終わらせず、急性期が終わった後の筋肉の状態にも目を向けてみてください。

 

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自宅で仕事をすると、なぜ肩や腰がつらくなるのでしょうか?

新型コロナをきっかけに広がったリモートワークは、現在では一つの働き方として定着しました。

通勤時間がなくなり、自宅で仕事ができるのは便利なことです。

その一方で、リモートワークを始めてから、

「肩こりがひどくなった」

「首や背中が重い」

「腰が痛くなった」

という方も少なくありません。

私の臨床でも、自宅で仕事をするようになってから、首・肩・背中・腰のコリが強くなったという話をよく聞くようになりました。

原因は、ノートパソコンだけではありません。

自宅の作業環境そのものが、長時間仕事をする姿勢に合っていないことも大きく関係しています。

 

自宅は仕事をするために作られていません

会社では、少なくとも仕事をすることを前提に机や椅子が用意されています。

しかし、自宅では、

  • 食卓で仕事をする
  • 床に座ってローテーブルを使う
  • ソファに座って作業する
  • ベッドの上でパソコンを使う

といった姿勢になりがちです。

食卓の椅子は、食事をする時間には問題がなくても、何時間もパソコン作業を続けることまでは想定されていません。

床やソファでは、骨盤が後ろへ倒れて背中が丸まりやすくなります。

ベッドでは体が安定しにくいため、画面をのぞき込むような姿勢になり、首や腰の筋肉へ負担がかかり続けます。

短時間であれば、それほど問題を感じないかもしれません。

しかし、その姿勢を毎日何時間も続け、それが何年も積み重なることで、首・肩・背中・腰の筋肉には深部までコリが形成され、蓄積していきます。

これが、リモートワークを始めてから肩こりや腰痛が慢性化した方に、私がまず考えることです。

ノートパソコンも体が丸まりやすい理由の一つです

自宅での仕事には、ノートパソコンを使う方が多いと思います。

ノートパソコンは画面の位置が低いため、机にそのまま置くと目線が下がります。

すると、

  • 頭が前へ出る
  • 背中が丸くなる
  • 肩が前へ入る
  • 腰が丸まりやすくなる

という姿勢になりやすくなります。

ただし、この点については別の記事で詳しく説明しているため、ここでは簡単に触れるだけにします。

ノートパソコンを長時間使う場合は、台などを利用して画面を上げ、外付けのキーボードとマウスを使うことで、首や肩への負担を減らしやすくなります。

高価な机や椅子を買えば解決するのでしょうか?

リモートワークによる体の負担を減らすために、

「仕事用の机と椅子をそろえましょう」

という話をよく聞きます。

もちろん、十分なスペースがあり、自分の体に合った机や椅子を置けるのであれば、それに越したことはありません。

しかし、日本の住宅事情を考えると、仕事専用の部屋や大きなデスクを用意するのが難しい方も多いでしょう。

そして、ここでもう一つ大切なことがあります。

どれほど高価な椅子を使っても、同じ姿勢を何時間も続ければ筋肉への負担は続きます。

大切なのは、完璧な仕事部屋を作ることではありません。

今ある環境の中で筋肉への負担を減らし、同じ姿勢を長時間続けないことです。

食卓で仕事をする場合の工夫

食卓で仕事をする場合は、まず椅子と机の高さを確認してください。

机が高過ぎると、キーボードを打つ時に肩が上がります。

反対に椅子が低過ぎても、腕を持ち上げる形になり、首や肩に力が入りやすくなります。

クッションなどを使って座面の高さを調整し、肩をすくめずにキーボードを操作できる位置を探してみてください。

その際、足が床から浮いてしまう場合は、箱や足台などを置いて足を支えます。

足元が安定すると、腰や背中にも余計な力が入りにくくなります。

大切なのは、「正しい姿勢の形」に無理やり自分を合わせることではありません。

肩や腰へ余計な力を入れずに仕事ができる環境を作ることです。

床やソファでの長時間作業は避けましょう

床に座ってローテーブルで作業すると、画面の位置が非常に低くなります。

背中と腰が丸まり、首を前へ突き出した姿勢になりやすいため、長時間の仕事には向いていません。

ソファも同じです。

柔らかい座面に深く沈み込むと、骨盤が後ろへ倒れ、腰から背中にかけて丸くなりやすくなります。

どうしても床やソファを使う場合は、長時間続けず、こまめに立ち上がることが大切です。

ベッドでのパソコン作業は、できるだけ避けた方がよいでしょう。

「良い姿勢」より、同じ姿勢を続けないことが大切です

机や椅子の高さを調整し、作業環境を整えることは大切です。

しかし私は、それ以上に大切なのが、同じ姿勢を長時間続けないことだと考えています。

「姿勢を良くしなければ」と思って、背筋を伸ばした状態を何時間も頑張って維持する必要はありません。

一見きれいな姿勢でも、それを長時間固定していれば、姿勢を支えている同じ筋肉へ負担がかかり続けます。

人間の体は、本来動くものです。

ですから私は、30分から1時間に一度くらいは、椅子から立ったり、少し歩いたり、肩の力を抜いたりして、一度それまでの姿勢をやめることをおすすめしています。

大げさな体操をする必要はありません。

数分でも構いません。

「良い姿勢をずっと続ける」のではなく、「同じ姿勢を長時間続けない」。

この方が、私は大切だと考えています。

長期間の負担が続けば、深部までコリが蓄積していきます

最初のうちは、

「仕事が終わると肩がこる」

「少し腰が重い」

という程度だったかもしれません。

一晩眠れば、翌朝には楽になっていた方もいるでしょう。

しかし、体に合わない環境で毎日何時間も仕事を続けていると、筋肉が十分に回復しないまま、また次の日の負担が加わります。

それが何年も続くことで、首・肩・背中・腰の筋肉には深部までコリが蓄積していきます。

すると、

「朝から肩がこっている」

「仕事を始めてすぐにつらくなる」

「休みの日でも首や腰が重い」

といった慢性的な状態へ変わっていきます。

人によっては、首や肩のコリが強くなることで頭痛や眼精疲労につながったり、腕の重さやしびれなどを感じたりすることもあります。

こうなると、机や椅子の高さを調整するだけでは、すでに深部に蓄積したコリそのものがなくなるわけではありません。

作業環境を見直してこれ以上の負担を減らすことと、すでに深部まで蓄積したコリを少しずつ取り除いていくこと

慢性的な肩こりや腰痛になっている方では、この両方を考えることが大切です。

リモートワークは、これからも続く働き方です

仕事のために、必ずしも大きなデスクや高価な椅子を用意する必要はありません。

まずは現在の環境で、

  • 画面が低過ぎないか
  • 肩をすくめていないか
  • 足が安定しているか
  • 腰や背中が丸まり過ぎていないか
  • 同じ姿勢を長時間続けていないか

を確認してみてください。

リモートワークそのものが悪いのではありません。

体に合わない環境で、同じ筋肉へ長時間負担をかけ続けることが問題なのです。

そして、その状態が長期間続けば、筋肉の深部にはコリが蓄積していきます。

だからこそ、

「良い姿勢を頑張って続ける」のではなく、「負担の少ない環境を作り、同じ姿勢を続けない」。

これからもリモートワークを長く続けていくために、仕事の効率だけではなく、毎日の作業環境と体の使い方も一度見直してみてください。

 

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私の施術を受けて整体師になった方がいました ~腱鞘炎・ばね指と前腕の筋肉~

先日、知り合いの方から、

「先生のことが、ある整体師さんのブログに書かれていますよ」

と教えていただきました。

読んでみると、その方は10年以上前に私の施術を受けたことをきっかけに整体の道へ進み、現在は整体師として患者さんと向き合っているとのことでした。

正直、驚きました。

自分ではいつものように施術をしていただけなのですが、知らないところで誰かの人生に影響を与えていたのですね。

長くこの仕事をしていると、こういうこともあるのだと、少しうれしくなりました。

以前はその方のブログへのリンクも載せていましたが、現在は記事が削除されているようです。

そこで今回は、その方が当時悩んでいた症状に関連して、腱鞘炎やばね指と前腕の筋肉について、現在の私の考えを書いてみたいと思います。

 

腱鞘炎は、痛い場所だけ見ても分からないことがあります

腱鞘炎では、手首や親指の付け根などに痛みが出ます。

仕事や家事、育児、パソコン作業などで手をよく使う方に起こることも少なくありません。

もちろん、腱や腱鞘そのものに問題が起きている場合もあります。

ただ、私が約30年間患者さんを見てきた中では、痛みが出ている手首周辺だけでなく、指や手首を動かしている前腕の筋肉に強いコリが蓄積している方を数多く見てきました。

手首や指は、そこだけで動いているわけではありません。

前腕には指や手首を動かす筋肉があり、その先が腱となって手首を通り、指へつながっています。

つまり、仕事や家事で手や指を使い続ければ、前腕の筋肉にも負担がかかり続けます。

その状態が長期間続くことで、前腕の筋肉にも深部までコリが形成され、蓄積していきます。

筋肉の柔軟性が失われれば、その先につながる腱や手首周辺にも負担がかかりやすくなります。

ですから私は、

「手首が痛いから、手首だけを見ればいい」

とは考えていません。

痛みが出ている場所だけではなく、その手首や指を動かしている筋肉まで確認することが大切だと考えています。

安静にしても、また痛くなる方がいます

手首を使い過ぎて痛みが出ている時には、無理に使わず休ませることも大切です。

負担を減らせば、痛みが落ち着くこともあります。

ただ、

「しばらく休んでいたら良くなったのに、仕事を再開したらまた痛くなった」

という方もいます。

私はこうした場合、前腕の深部に蓄積したコリが残っていることにも目を向けます。

安静にすることで、その時に加わっている負担は減らせます。

しかし、長期間かけて前腕の深部に蓄積したコリまで、休むだけでなくなるわけではありません。

そのため、再び手や指を使い始めると、柔軟性を失った筋肉へ負担がかかり、その先の腱や手首にも負担が加わります。

当院では、痛みが出ている腱の周辺をむやみに強く刺激するのではなく、前腕の筋肉を確認し、手首や指へかかっている負担を減らすことを考えます。

腱鞘炎は状態や程度もさまざまですから、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。

ただ、約30年間の施術経験では、手首だけでなく前腕の筋肉まで丁寧に確認することの重要性を強く感じています。

ばね指は、特に得意としている症状の一つです

ばね指では、指を曲げ伸ばしした時に、

  • 引っ掛かる
  • カクンと跳ねる
  • 指の付け根が痛む
  • 朝に指が動かしにくい

といった症状が出ます。

一般的には、指を動かす腱と、その腱が通る腱鞘の部分で動きが悪くなることで起こると説明されています。

ただ、私がばね指の患者さんを見る時は、引っ掛かっている指だけを確認することはありません。

前腕から手のひら、指へとつながる筋肉や腱までたどって見ていきます。

実際に触れてみると、前腕の筋肉がかなり強く固まっている方が多くいらっしゃいます。

指を長期間使い続ければ、その指を動かしている前腕の筋肉にも負担がかかり続けます。

その結果、前腕の深部にコリが蓄積し、筋肉から腱へ伝わる負担も大きくなる。

私は、ばね指を考えるうえでも、この前腕から指までのつながりが非常に重要だと考えています。

ばね指については、これまで良い結果を経験しています

これは、私自身の施術経験として書いておきたいことです。

これまで当院でばね指の施術を最後まで続けていただいた患者さんについては、現在のところ、全員が引っ掛かりや痛みを気にせず生活できる状態まで改善しています。

もちろん、これはこれまで私が診てきた患者さんについての結果です。

今後来院されるすべての方に、同じ結果が出ることを保証するものではありません。

また、症状の程度や状態によっては、医療機関での治療が必要な場合もあります。

それでも、ばね指は約30年間の施術経験の中で、私が特に得意としている症状の一つだと考えています。

考え方はシンプルでも、施術は簡単ではありません

腱鞘炎やばね指を見る時の基本は、

痛む場所だけではなく、その動きを支えている前腕の筋肉まで確認する

ということです。

考え方だけを見れば、それほど複雑ではありません。

ただ、実際の施術では、

  • どの筋肉にコリが蓄積しているのか
  • どこから手首や指へ負担が伝わっているのか
  • どの深さに強いコリがあるのか
  • どの角度から捉えると筋肉が緩むのか

を一人ひとり確認する必要があります。

強く揉めば取れるというものでもありません。

大切なのは、力の強さではなく、固まっている筋肉を正確に見つけ、そのコリを適切な角度から捉えることです。

これは、肩こりや腰痛を施術する時と同じです。

症状の場所は違っても、私が約30年間続けてきた施術の基本的な考え方は変わりません。

施術が、誰かの人生のきっかけになることもあります

10年以上前に私の施術を受けた方が、その経験をきっかけに整体師になっていた。

そのことを知り、施術は目の前の症状を楽にするだけではなく、時にはその人の考え方や人生にまで影響を与えることがあるのだと感じました。

もちろん、いつもそんな大きなことを考えながら施術をしているわけではありません。

私が毎日やっていることは、とても地道です。

目の前の患者さんの体を触りながら、

「痛いのはここだけれど、本当にここだけを見ればいいのだろうか?」

と考える。

そして、痛む場所だけではなく、その動きを支えている筋肉まで丁寧に確認する。

その積み重ねを約30年間続けてきました。

今回、思いがけず昔の患者さんの話を知って、そんな日々の積み重ねが、知らないところで誰かのきっかけになっていたことを少しうれしく思いました。

腱鞘炎やばね指で長く悩んでいる方は、手首や指だけではなく、その指を動かしている前腕の筋肉にも一度目を向けてみてください。

 

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寒暖差?気圧?季節の変わり目に肩がこる理由

先日テレビを見ていると、季節の寒暖差によって肩こりを訴える方が増えている、という話が紹介されていました。

実際、私の臨床でも、

「季節の変わり目になると肩がつらくなる」

「雨の前になると首が重くなる」

「寒くなると肩こりがひどくなる」

と話す患者さんは少なくありません。

季節の変わり目の肩こりというと、「寒暖差」や「気圧の変化」が原因としてよく挙げられます。

もちろん、それらも関係していると思います。

ただ、約30年間患者さんの体を見てきて、私は季節の変化だけで肩こりが起こるのではなく、もともとの首や肩の状態が大きく関係していると考えています。

普段から首や肩の深部にコリが蓄積しているところへ、寒さや寒暖差、気圧の変化、疲労などの負担が加わる。

それによって、季節の変わり目に肩こりが強く表れるのではないでしょうか。

 

まず考えたいのは、普段の首や肩の状態です

肩こりは、ある日突然できるものではありません。

長時間のパソコン作業やスマートフォン、家事、仕事、ストレスなどによって、首や肩の筋肉には毎日負担がかかっています。

その状態が長期間続くことで、筋肉の深部には少しずつコリが形成され、蓄積していきます。

最初のうちは、一晩眠ったり休日に休んだりすれば楽になっていたかもしれません。

しかし、さらに負担が続いて深部のコリが増えていくと、筋肉の柔軟性が失われ、少しずつ余裕がなくなっていきます。

私は、この「筋肉にどれくらい余裕が残っているか」が、季節によって肩こりが変化する理由を考えるうえでも重要だと思っています。

普段は何とか症状を感じずに生活できていても、すでに筋肉の余裕が少なくなっている。

そこへ寒さや寒暖差などの負担が加わる。

すると、それまで何とか耐えていた首や肩に症状が表れやすくなるのです。

寒くなると肩に力が入りやすくなります

寒い日に外を歩いている時、自分でも気づかないうちに肩をすくめていることはないでしょうか。

寒くなると体を縮め、肩を上げたり、背中を丸めたりしやすくなります。

この姿勢では、首から肩にかけての筋肉が働き続けます。

普段は肩こりをほとんど感じない方なら、一時的に肩へ力が入ったとしても、休めば元の状態へ戻りやすいでしょう。

ところが、すでに長年の負担によって首や肩の深部までコリが蓄積している方では、筋肉の余裕が少なくなっています。

そこへ寒さによる緊張がさらに加わる。

そのため、寒くなると普段より肩こりを強く感じる方がいるのだと私は考えています。

寒暖差も体への負担になります

季節の変わり目には、朝晩と日中で大きく気温が変わることがあります。

また、夏であれば冷房の効いた室内と暑い屋外、冬であれば暖房の効いた室内と寒い屋外を何度も行き来します。

私たちの体は、そのたびに環境の変化へ対応しています。

特に寒い場所では体に力が入り、首や肩の筋肉も緊張しやすくなります。

こうした変化を繰り返すことも、普段から首や肩に強いコリを抱えている方にとっては、追加の負担になります。

つまり、寒暖差だけが肩こりの原因なのではなく、もともとの筋肉の状態によって、寒暖差の影響を受けやすい人と受けにくい人がいるということです。

雨や台風の前につらくなる方もいます

「雨が降る前になると肩が重くなる」

「台風が近づくと首が痛くなる」

「天気が崩れる前に頭痛が出る」

という方もいます。

天候と痛みの関係については、まだ分かっていないこともあります。

ただ、私の臨床でも、天候の変化に合わせて症状が強くなるという患者さんはいらっしゃいます。

特に、以前むち打ちをした方や、首や肩を強く痛めた経験がある方から、このような話を聞くことがあります。

ただし、

「天気で痛む=昔のケガが原因」

と単純に考えることはできません。

もともとの首や肩のコリ、疲労、睡眠不足、仕事量など、いくつもの条件が重なって症状が出ていると考えた方が自然です。

昔のケガが影響している方もいます

首や肩を以前に痛めたことがある方では、ケガそのものが治った後も、周囲の筋肉がかばうように働き続けていることがあります。

例えば、傷めた場所が以前のように十分に働けなければ、その分を別の筋肉が補います。

その状態が長期間続けば、代わりに働いている筋肉にも負担がかかり続け、深部までコリが蓄積していきます。

ですから、

「痛みがなくなったこと」と「体が以前と同じように働いていること」は、必ずしも同じではありません。

ケガをしたのは何年も前なのに、その周囲の筋肉には長年の負担が蓄積しているという方もいます。

そこへ寒さや疲労、天候の変化などが加わることで、以前痛めた周辺に症状を感じることもあると私は考えています。

睡眠不足や疲労も重なります

季節の変わり目に変化するのは、気温や気圧だけではありません。

暑くて寝苦しかったり、急に寒くなったりして、いつもより睡眠が浅くなることもあります。

睡眠が十分に取れなければ、疲労も残りやすくなります。

さらに、仕事が忙しい時期であれば、長時間のパソコン作業が増えるかもしれません。

スマートフォンを見る時間が長くなったり、寒くなって運動する機会が減ったりすることもあります。

こうした日常生活の負担が重なれば、首や肩の筋肉へかかる負担も増えていきます。

ですから、季節の変わり目に肩こりが悪化したとしても、

「寒暖差のせい」

「低気圧のせい」

と一つの原因だけで考えないことが大切です。

季節が変わった時に、その人の体へどのような負担が重なっているのかを見る必要があります。

同じ季節でも、肩こりになる人とならない人がいるのはなぜ?

ここが、私が一番大切だと考えているところです。

同じ地域で生活していれば、基本的にはみんな同じような寒さや寒暖差、気圧の変化を受けています。

それでも、

「今日は肩がつらくて仕方がない」

という人もいれば、何ともない人もいます。

なぜでしょうか。

私は、その違いの一つが、季節が変わる前から首や肩の筋肉にどれだけコリが蓄積していたかだと考えています。

首や肩の筋肉にまだ十分な余裕がある方なら、多少寒くなったり疲れたりしても、それだけですぐ強い症状が出るとは限りません。

ところが、長年の負担によって深部までコリが蓄積し、すでに筋肉の余裕が少なくなっている方では、寒さや睡眠不足といった負担が加わることで症状が表れやすくなります。

つまり、季節の変化は肩こりそのものを一から作るというより、それまで蓄積していたものを表面化させるきっかけの一つと考えると分かりやすいと思います。

季節の変わり目こそ、普段の体の状態が大切です

季節による肩こりへの対策として、まずは余計な負担を増やさないことが大切です。

体を冷やし過ぎない。

首や肩へ冷風を直接当てない。

湯船につかって体を温める。

長時間同じ姿勢を続けない。

睡眠時間を確保する。

寒い時に肩をすくめたままになっていないか、ときどき確認する。

どれも特別なことではありませんが、こうした日常の工夫によって首や肩へ加わる負担を減らすことができます。

ただし、季節が変わるたびに肩こりが強くなる方では、その季節だけを見るのではなく、普段から首や肩の深部にどれだけコリが蓄積しているのかにも目を向けることが大切です。

長期間の負担によって、首や肩の深部にコリが蓄積する。

そこへ寒さ、寒暖差、気圧の変化、睡眠不足、疲労などが重なる。

そして筋肉の余裕が少なくなったところで、肩こりとして症状が強く表れる。

私は、約30年間患者さんの体を見てきて、季節の変わり目の肩こりをこのように考えています。

季節が変わるたびに肩こりが悪化する方は、

「季節のせいだから仕方がない」

で終わらせず、季節が変わる前からの首や肩の状態にも、一度目を向けてみてください。

 

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